
1.5リッターMivec、過給機付き、5MT。
もう生産は終わっているが、良くで来たツーリングカーだ。欧州での評価の高さからも分かる素性の良いコルトのシャシーは、スポット増しした堅牢な物に強化されている。その堅牢さはまるでラリー車だ。しかし、この手のスポーツバージョンにありがちな下品な硬さが抑えられ、謂わば大人のチューニングがされている。
雪交じりの冷たい雨のため、窓の曇り取りに少しエアコンを入れたが、余裕のあるトルクでコンプレッサーの重さを全く感じさせない。実用面でも高い質感を感じた。
そして秀逸なのがゲトラグ社製のギアシステム。FF車にありがちな、どこか底に「ぶかぶか感」の拭えない物とは違い、まるで昔のFR車の直結シフトのようなカチッとした感覚には爽快感がある。クラッチのミーティングポイントがやや高めなのが、渋滞路院展の際に脚の疲れに結びつかないのかが、唯一気になった程度。
過給は2,000rpmあたりの低速から効き始める。街中での走行でも、危機回避など必要な場合には加速が使えるセッティングには好感を持った。
ランエボに乗る知人達は、周りから挑まれて困ると言う。好敵手のインプレッサは言うまでもなく、他のランサー乗りからも。無理もない。ランエボの放つものが、あまりにも強烈だからだ。その点このコルトは、羊の皮を被ることができそうだ。
いったい誰がこれを製品化し世に問う決断をしたのか。21世紀初頭の隠れた名車だろう。私も余裕があれば是非欲しい。
Posted at 2012/01/21 20:21:33 | |
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