台風が本土近くで東から西へ

既報の通り、台風12号が週末、関東・東海に接近しそうです。

気象庁が21:50に発表した21:00の実況では、強い台風第12号 (ジョンダリ)は、硫黄島の南西約190km（北緯 23度25分(23.4度)、 東経 140度10分(140.2度)）付近にあり、北東方向に20km/hで進んでいます。

中心気圧は975hPa、中心付近の最大風速 35m/s、最大瞬間風速 50m/sを観測し、25m/s以上の暴風域 全域 90km、15m/s以上の強風域 全域 280kmとなっています。

この後、明日の21:00には父島の父島の東北東約240km付近に達する予報が出ており、この海域で進路を西よりに変えそうです。

西日本には猛暑をもたらしている優勢な高気圧があり、また本州の東の洋上にも高気圧があります。
台風は、高気圧と高気圧の狭間を進む形で本州に接近しそうです。

問題は、その後の進路予報です。
東海沖で大きく進路を西よりに転ずる予報が出ています。

通常、台風は、本州・四国・九州の太平洋沿岸に近づくと偏西風の影響を受ける為、東よりに進路を変えます。
偏西風以外に地球の自転によるコリオリの力も加わります。
これが中学・高校の理科系学科で習った気象学の基礎です。

しかし、今度の台風12号は、この基礎知識に反した特異なコースをとりそうです。

これは、先に述べた優勢な高気圧の影響、偏西風の蛇行、そして、偏西風の蛇行により生じている寒冷渦が本州の南の洋上にあることが影響していると思われます。

特異なコースをとった台風としては、2011年の台風6号のように徳島県南部に上陸した後、Ｕターンをして海上に出て、東に進み、遠州灘に出て南東へ進んだケース、東北地方に大きな被害を出した2016年の台風10号のように太平洋岸を西に進んだ後、九州沖で南下し、南大東島付近で停滞した後、Ｕターン、父島付近で再び進路を変え大きくカーブしながら東北地方を襲ったケースなどがあります。

先の西日本豪雨もそうですが、段々以前の気象学の基礎では計り知れない様相が増えているように感じます。






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