この記事は、
最近『いつもNAVI』に繋がらない!? そんな方にお知らせです!について書いています。
「ナビ」。
まぁ、地図表示して、目的地までの道のりを演算(オイラが苦手なダイクストラのアルゴリズムとかで)し、ルート案内する、そんなモノ。
まぁ、最初は「そんなもん」でしたが、VICSだのiPod連携だのDVD再生だのネットワーク連携だの、、、と機能がガンガン肥大化しています。
コレ、開発的にみると、「滅茶苦茶厳しい」です。
今日は、そんなお話。
多分ですが、ナビの「ソフト的な進化」は、過去に大きく「2回」あった、と思ってます。
1回目は、多分95年ごろ。
「RTOS(リアルタイムOS)」という概念が浸透し、例えば「μitron」等のOSにシステムを載せ替え、「即時やらなければならないこと」と「どーでもいいところ」の仕事内容の切り分けをしっかりさせた、こと。
例えば、VICS等のインフォ表示は優先、FMとかは勝手にFMチューナーがやるので後ろで適当に、とか、ですね。
これにより、「仕事内容」自体がパッケージ化され、「一度作ったもの」を全部組み替えることなく、「新しいもの」に差し替えたり、「追加」したり、が出来るようになりました。
ただ、μitronのようなRTOS、「最初からできること」が少ないです。
えぇ、「仕組みはある」が、「仕組みを利用する」為には、開発が必要です。
例えば、DVDだのBluetoothだの地図自動更新だの、、、新しい「仕組み」の為に、1から新規開発しないといけません。
そこで、2005年頃、登場したのが、「Windows Automotive」。
中身、「Windows CE」です。
まだiPhoneとかが流行る前、WILLCOMから「W-ZERO 3」というスマホが出てました。
コレがWindowsCE。
登場は大分古く、確かオイラは98年くらいに、カシオの端末で遊んでいた記憶があります。
これは、既存のRTOSに比べると、カーナビに適した「仕組み」が最初から組み込まれており、また通信やWebページレンダリング、日本語入力、世界言語対応、やろうと思えばWord等の文書表示まで出来てしまう、当時、「非常に魅力的な選択肢」でした。
アルパインさんは分かりませんが、パイオニアさんは、このシステムに載せ替え、大々的に発表しています。
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/0609/15/news148.html
んでまぁ、今。
「スマホ」が浸透し、まさかの「ナビがナビしなくてもいい」時代。
また、RTOSとしての選択肢も広がっています。
具体的には、「Android」。
また、Web上、携帯機器上も変化の嵐が吹き荒れており、サービスの頻繁な更新、追加、終了等、起きまくっています。
ですが、ナビへの対応は「遅い」と感じる方、多いと思います。
んが、これは必ずしもメーカーが悪いのではありません。
時代の変化の速度が速すぎる、ので、対応するための工数が割けない、が起きまくっているのです。
「ナビと携帯を繋ぐ」1つとっても、携帯の種類は様々、「特徴ある端末をピックアップして」も通じません、何故なら「新しいサービスに相性が出る携帯」とか考えないといけないから。
んで、じゃあ世の中にある少なくとも数百の携帯端末と接続試験を再度行うか、行えるか、、、ユーザー視点で見れば「いいからやれ」かも知れませんが、ユーザーは、「サービス更新に伴う無料アップデート」を求めます、掛かるコストは下手したら億、そんな「赤字」を抱えてしまうと、新規ナビ要素開発投資も出来なくなりますし、下手したら会社潰れるレベルです。
もっと厳しい事例、それは「iPod対応」。
ご存じかも知れませんが、iPod/iPhoneは、時代によって接続端子の規格が異なります。
形は一緒、てのがマズいところです。
これ、「物理的な要求が異なる」ので、例えば、カロの旧いiPod接続キットは、現代のiPodでは、「Classic」しか対応できません。
懇意にしているDの方は、初代nano使いだったのですが、今回Appleが無料交換プログラムして、やってきたのは「第六世代nano」、「再生は出来るけど充電できない!」罠に、はまってます。
これはもう、どうしようもない世界です、物理的に違うので。
ですが、ユーザーは「対応」を求めます、しかも「無料」で。
ナビは、非常に難しい製品です。
何故なら、「クルマに積む」から。
ノイズ耐性、変動する電圧への対応、放熱、下手したら100度から-20度とかにもなる車内環境への対応、耐振動、事故に直結するため基本「バグ0」、1年保証だけどユーザーは軽く「5年くらいは持ってほしい」と考えている、その上で「最新機能」だの「高精細」だの「高速」だの求められる、、、通常の電子機器とは一線を画す、非常に高度かつ繊細な設計を要求する機械です。
ぶっちゃけ、「ナビの中身」は、「10年前の技術」、つまり「PS2」レベルだったりしますが、そこにもちゃんと理由があるのです。
今、ナビメーカーは「時代の変化」に必死でついていこうとしています。
様々なアプローチがあり、苦労があるかと思います。
ユーザーは、「結果」しか見えません。
んが、その裏に隠れた「苦労」を垣間見ると、またナビに対する考え方が変わるかも知れません。
ま、アレですよ。
ナビ、実はものすごくステキな製品なので、じっくり、歴史とか機能の中身とか、愛でてやってもいいんじゃない?、てお話。
そして、ちょっとくらい「メーカーの対応が悪くて」も、「あぁ、コイツ大変なんだな」と温かい目で見守ってあげるといいんでない?、てお話。
「2012年モデルは云々」だけではなく、今後のナビの進化に、オイラはとても期待してます!。
メーカーさん、是非頑張ってください!。
■追記
アルパインさんも、「Windows Automotive」ベースみたい、ですね。
http://response.jp/article/2007/11/11/101730.html
余談ですが、「Windows」なので、例えばサイバーナビのAVIC-*H9***世代(1世代前)の使用フォントは、「MSゴシック」だったりします・・・。
Posted at 2012/05/19 11:54:25 | |
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