
昔から
舶来文化と言えば神戸と横浜・・
どちらも中華街を持ち
洋館立ち並ぶ港町・・
マドロス歩む洒落た
異国情緒が漂う街・・
そんな街、神戸が大好きな私がちよっと切なくなったお話・・
神戸には老舗と呼ばれるにふさわしい、舶来物を得意とする貿易商や飲食店がたくさんあります・・
ネクタイなら
「元町バザー」、婦人服なら
「セリザワ」、婦人帽子なら
「マキシン」と言った風に・・
バーの
「アカデミー」さんなどは、私の父が若かりし頃、祖父より許可された数少ないショットバーで、オーナーの知識もさることながら、こぼれそうになるほどに注がれるカクテルをどうやって飲もうと思案したり・・昭和天皇がご婚礼時に御飲みになられたのと同銘柄のシャンパンが何気なくおいてあったりと、歴史とロマンに囲まれたお店でした・・。
そんな我家の男共は海外脱出組と叔父を除けばみんな帽子好きで、私の父も事あるごとTPOにあわせてチョイスしていたものでした。
そこで私も学生時代、神戸大丸前にある1945年からの老舗帽子店
「神戸堂」さんで
「ボルサリーノ」を買ったのだが、いかんせんどうにもこうにも似合わない・・
そぅ、あのインディアナジョーンズのハリソンフォードような自然感ではなく、どうしてもとって着けたような雰囲気になってしまうのだ・・
若造には生意気すぎたのかもしれない・・
お店のおやじさんといろいろかぶり方やつばの角度など調整してもらったのだが納得できず・・
とうとう、そのままにしてしまった・・
あれから ん・十年・・
ある程度まで維持してきた体型も限界を向かえ、衣装を処分しなくてはならなくなり、いろいろと捨てずにしまっておいた服を片付けていた際に、ふと埃をかぶった神戸堂のロゴマークの入った帽子ケースが目に入った・・
当時のままのボルサリーノをひょぃっと頭に乗っけて鏡を見ると・・
まんざらでもないじゃんっ !!
( ー`дー´)キリッ
あっ写真は嘘ね・・(笑)
まあ筋肉質でブルースリー(あっ、良く言いすぎ・・)みたくほほのこけた若い顔には合わず、ちょっとあごのがっしりしたおっちゃん顔になると、決まってくるのね・・
相応になったのかなぁ・・
ただブリムの前部分の垂れ下がり方に不満があったので、なんと何十年ぶりかに「神戸堂」さんへ・・
こんにちはーッ、といいながら入っていくと、相変わらずの豊富な品揃えが・・
私の帽子を見るなり
、「あーっ、○○頃のボルサリーノだねっ・・、この時代の生地はいいんだよぉ・・、まだ同じ生地の奴があったなぁ・・、デザインは違うんだけどね。」といいつつ愛おしそうになでてくれました。
スチームできれいに形を整えて希望通りの型に仕上がって出て行こうとすると・・
「実はねぇ、ウチもそろそろ閉めることにしたんだよ・・たぶん今年半ばには・・ね。」と・・
(゜∇゜ ;)エッ!?
と足がすくんで振り返った時には・・ ドアは閉まって店主の後姿しか見えなかった・・
解ってる・・解ってたことなんだけど・・
時代の波もあるだろうし・・高齢化もある・・なにより私が生きている間何も変わらず在るはずがないのも解っちゃぁいるんだけど・・
なんか
切なくてねぇ~
そこでみんカラ紳士の諸君にお願いしたいっ !!
もしっダンディズムに興味があるなら、是非っ !! 一度立ち寄ってくれたまえっ !!
一生ものに出会えるチャンスかもよ・・
Posted at 2012/01/22 13:39:56 | |
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