
「この物語は、あるキャリア(ドコモ)の囲い込み作戦に戦いを挑んだ、貧乏人たちの記録である。
携帯界において、全く無名のMVNO SIMが荒廃の中から健全な精神を培い、わずか数日でカケホーダイを成し遂げた奇跡を通じて、その原動力となった、信頼と愛を余すところなくブログ化したものである」
byスクール☆ウォーズ 〜泣き虫先生の2日間戦争〜
去年に書いた
こちらのブログからもうすぐ一年。
携帯電話をめぐる環境の激変ぶりが俺の中で話題に。
今回も興味の無い方にはどうでもいい話題なのでスルー推奨。まさに自分の戦いの記録です。
今回は自分の契約ではありません。あるドコモユーザーの知り合いが私の携帯おせっかいに乗ってくれるとのことで、頼まれたからには全力で頑張りました。
とりあえず、当初の契約状態は、
端末1:ガラケー 契約プラン:タイプシンプルバリュー オプション:iモード 小計約1,000円
端末2:ドコモXiタブレット 契約プラン:iijmioの2GB
ライトスタートプラン 小計約1700円
以上のように2台持ちで運用していました。そもそもこの2台持ち運用の入れ知恵をしたのは私です。普通の人なら面倒くさいと煙たがられるだけですが、この方は自分の熱意を感じてくれたようで、2台持ちの素晴らしさを理解してくれた稀有な人です。
タイプシンプルバリューは
iモードメールが使い放題ですが、iモードによるネット接続は上限有りの有料(パケホーダイシンプル)なので、ネット接続はタブレットのみ。ガラケーによる通話を一切使わなければ月額2,000円台後半でiモードメール使い放題、タブレットによるネットも2GBまではLTEによるフルスピードが使い放題でした。
ただ、その方の環境が最近になって変わってきました。
年齢は私の倍くらいの方なんですが、とてもアクティブな方で、facebookやらLINEやらの通信が増加。その関係で知り合いが増えたはいいんですが、ガラケーでの通話頻度が高くなり、通話料の高騰に悩んでおられました。そこで私の出番となるわけです。
上記のガラケーのタイプシンプルバリューは無料通話分がありません。さらに1分40円の鬼畜通話料がジワジワとボディブローのように効いてきます。そこで、いわゆるプレフィックス系の「
楽天でんわ」、「
G-Call」、「
ブラステル」を使って、ガラケーからの通話料を半額にするか、「
050plus」のようなIP電話を使うかでなんとか切り抜けようと考えていました。
ただ、それらの策には色々と問題があり、マニア以外の一般のユーザーには敷居が高いかなとも思っていました。
そう思っていたところ、ドコモから新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」が発表されました。
ぱっと見たところ、ガラケーだと2,200円でカケホーダイできるので、これはイイ!と思ったのも束の間。なんと新料金プランと従来のパケット定額オプションの組み合わせが不可。パケット定額は最低でもデータSパック
3,500円を支払わなければならず、それほど使いもしないiモードメールのために3,500円は痛すぎました。
その場合、ざっくりと最低維持費を計算すると、
ガラケーカケホーダイ2,200円+iモード300円+データSパック3,500円=6,000円
いくらカケホーダイといえども最低維持費が当初倍かかっており、到底納得するわけにはいきませんでした。
もうちょっと調べてみると、カケホーダイプラン単独での契約は可能とのこと。ただ、それだとパケット代が青天井で何かあったら困るのでそれも避けたかったんです。そのとき、ふとあることを思い出しました。
「ドコモメールって確か
マルチデバイス対応になったんじゃなかったかな?と」
これが後々大変なことになるとは夢にも思いませんでした。
一応、最終目標としては
ガラケーをカケホーダイ単独契約とiijmioSIM契約のタブレットでドコモアドレスを利用。
そうすると、最低維持費は
カケホーダイ2,200円+SPモード300円+iijmioSIM1700円=4,200円
ほぼ同じことをやって、ドコモ純正契約より毎月1,800円の節約となります。
ここでさらっと言っていますが、そうです、ドコモ契約回線外でdocomo.ne.jpのアドレスを使えるんです。
これがドコモが始めたマルチデバイスです。
色々ややこしいんですが、以前はドコモのスマホで使うアドレスは「SPモードメール」と呼んでいました。ただ、今は「ドコモメール」と呼ばれているはずです。アドレスは全く一緒なんですが、中身が色々違います。ドコモメールというのがマルチデバイス対応という意味で、PCからもdocomo.ne.jpのアドレスが使えます。いわゆるIMAPに対応したということです。ここまで読んだらドコモはなんてオープンなんだと思いますが大きな落とし穴がたくさん空いていました。
ドコモメールというのは「SPモード」を契約しないと使えません。従来の「iモード」契約では使えないんです。
※「SPモード」はドコモが発売したスマホのみで使えるプロバイダ、「iモード」はドコモが発売したガラケーのみで使えるプロバイダ。
それで、当初の契約ではガラケーなのでiモード契約のみでした。ということはSPモードを契約していない=ドコモメールを使えないという状態になっていたのです。だったらiモードを廃止し、SPモードを契約すればいいということになるのですが、それだとガラケーでiモードメールが即使えなくなってしまいます。ギリギリまでガラケーでのiモードメールを使いたいので、「spモード(iモード契約可)」という契約をします。これは、ガラケーとスマホでSIMカードの入れ替えをしながら使う人用のためのものです。ガラケーのFOMA契約でありながら、iモードとSPモードが同時に契約できるんです。
補足ですが、spモードとiモードを同時に契約すると、docomo.ne.jpのアドレスが2つできます。
aaa@docomo.ne.jp→iモードメールアドレス
bbb@docomo.ne.jp→spモードのメールアドレス
↑こんな感じに2つのアドレスが存在します。後から入れ替え可能です。
最終的にspモードの方のアドレスがドコモメールとして機能するので、事前に入れ替えが必要です。
これで一応ドコモメールが使えるなと思ったらとんでもありませんでした。ドコモメールのマルチデバイス利用をするためには
「docomoIDの利用設定」を有効化しないといけないというのが判明しました。
このdocomoIDの利用設定というのが曲者でした。
いや、通常なら曲者とならずすんなりと設定可能なのですが、当方の環境からの設定は困難を極めました。その最大の理由は、「FOMAのスマホを持っていない」ということに尽きます。
とりあえず契約についておさらいします。
現状のドコモで契約しているSIMはFOMA契約です。Xiではありません。
そして、持っているドコモのタブレットやスマホはFOMAのスマホではなくXiのものだけです。
この現状が後々大変ことになる理由となります。
実は、docomoID利用設定の有効化をするためには条件があり
ドコモ純正スマホを使い、SPモード回線を利用し、
ドコモメールアプリの中にある設定画面経由で有効化。
たったこれだけです。しかし何度も言いますが、設定は困難を極め、結局この時点では詰みました。
なぜ詰んだかというと、XiのスマホにFOMA契約のSIMを入れても通信ができないんです。
ドコモ側がFOMA契約SIMを意図的にブロックしているんです。ガラケーFOMA契約なのにSPモード契約ができてたんで楽勝と思っていたところに思わぬ誤算でした。それが1日目でした。
ただ、諦めることができず、2日目になりました。
すると、新たなカケホーダイ契約の条件が目に飛び込んできました。
「spモード(iモード契約可)」ではカケホーダイの申し込み不可。
カケホーダイを申し込むためにはiモードかspモードのどちらかの単独契約じゃないとだめ。
以上のような条件でした。
つまり、マルチデバイス対応ドコモメールを使いつつ、カケホーダイ契約するためにはspモードの単独契約をする必要がありました。言い換えれば、iモードを廃止で、ガラケーでネット、メールが一切できないのにもかかわらず、プロバイダオプションを払っているようなものです。メールアドレス維持のためだけにspモードを契約をしなければなりません。
その後、ドコモショップへ向かいました。店員さんに説明しましたが、説明しづらく、なんとかFOMAスマホの代替機を借りることに成功しました。
(単独契約の事前準備でiモードアドレスとspモードアドレスは入れ替えておきました。よって、一時的にいつも使っているアドレスがガラケーで使えなくなっていました。)
ここでちょっと何点か問題が。
まず、パケホーダイシンプル契約でほとんどガラケーでのiモードネット接続を使っていなかったのでパケット代なんてのは0みたいなものでした。ところが、スマホにそのSIMカードを入れた瞬間にガラケーとは違いスマホが勝手に通信すると思うので、手早くdocomoID利用設定を有効化しようと思っていたところに罠が!なんとFOMAスマホなので古くてドコモメールアプリが入っていない。俺、涙目。
アプリのダウンロードもwifiではなくspモード経由じゃないとダウンロードできないため、泣きながらドコモメールアプリをダウンロード。上限があるとはいえ、パケ代がそうとうかかっているはず。残念!
とりあえず、やっとのことでdocomoIDの利用設定の有効化に成功。これでタブレットの社外アプリを使ってdocomo.ne.jpアドレスが使える。あぁ苦労した。
さぁ、後はカケホーダイプランを契約し、spモード単独契約化を窓口でしてもらうだけ…と思って店員さんと話していたら何か違和感が。ふと名前バッジを見ると、おそらく大陸系の名前が…。最近はコンビニや飲食店でカタコトの日本語が飛び交っていますが、久しぶりに行ったドコモショップでまさか自分が当たってしまうとは。しかもその名前バッジの下に「研修中」の文字が。あぁ、今回だけは勘弁して欲しかった。どうでもいい内容ならよかったんだけど、今回のようなマニアックな相談内容に「大陸カタコト+研修中」のスーパーコンボであせりました。ただ、救いだったのはその店員さんの後ろにラスボスみたいなベテラン教育係の人がずっとついていてくれたので、事実上その人としゃべっていました。
ここで、タイトルの500円をめぐる攻防についてですが、カケホーダイプランには何種類かあります。
一応今回の話でかかわってくるのは
カケホーダイプラン
(スマホ/タブ)2,700円
カケホーダイプラン
(ケータイ)2,200円
以上の2種類となります。
単純に言うとガラケーだとすまほより500円安くなります。
ただ、これがややこしいのは、ガラケー契約で安いほうで契約したにもかかわらず、1回でもスマホにそのSIMを入れ替えると「指定外デバイス利用料」という名目で500円加算されます。つまりスマホ/タブプラン料金になってしまうということです。
今回はなんと、ガラケーでしか運用しないにもかかわらずspモードが付いているからという理由でスマホ/タブの高いほうのプランで契約させられました。確かに、spモードのみを付けているというのはスマホでの利用が前提みたいなものですが、実際にはガラケーでしか運用しません。納得できませんでしたが疲れたので仕方なくそのまま高いほうで契約を済ませました。その後、pcからmydocomoでログインして料金プランの変更のところを見てみたろころ、なんと安いほうで契約できるじゃないですか。ただ、他で見た注意事項で同月内にスマホでの通信履歴があると問答無用で高いほうになってしまうと書いてあったような気がしたので、念のため9月からの変更予約ということにしておきました。まぁドコモショップと揉める気もないので。たった500円をケチる為に死に物狂いで悲しくなってきました。
あ、言い忘れていましたが、今回の自分のようにドコモメールを他社アプリで使うのは大丈夫かと思われますが、純正アプリでドコモメールを運用すると90日でアドレスが消滅してしまいます。もうちょっと正確に言うと、90日中に「マイアドレス更新」という作業をしないとアドレスが消滅します。その作業にはwifi経由ではなくspモード経由じゃないとだめと言うどこかで見たような糞条件があります。
もう一度タイトルに戻りますが、ドコモメールという一見オープンに見える餌を蒔いておきながら、いざ利用しようと思うと他社からの設定が確実に詰むようなシステムになっています。しかも、カケホーダイプランとのからみで諸条件がさらに複雑化しており、これはもはや自分のように500円のために時間を割ける馬鹿野郎しか契約させない気ですね。
あぁ、長かった。疲れた。戦わなきゃ現実と!