
さて、有効Built No.の全調査によって、生産当時の雰囲気が分かりました。
突き詰めて行くと、WRC仕様は、連続で生産されていたのか、はたまたスタンダードバージョンとごちゃ混ぜで作られていたのか、気になるところです。
以下お断り。
先のST205型生産に関するブログに関しては、ほぼ間違いのない内容です。(前中後期の切替りタイミングや、月の切替りで、完成検査タイミングが前後していたりしてましたが)
ここからの内容は、調査結果から私なりの【可能性】のお話となりますので、ご承知下さい。
1)ホモロゲーションカーについて
・1994年当時のWRC(Gr.A)では、連続した12ヶ月で2,500台の製造が可能な車での出場が許されていました。
・セリカGT-FOUR WRC仕様車は、その要件を満たす為に生産された車です。
・ランサー、インプレッサは無論、その昔ではパルサーや、ファミリア、ギャラン、レガシー、スープラやスカイラインにもホモロゲーションカーが存在しましたね。
ホモロゲーションを受けるには、造りきらないといけないのか?それとも売りきらないといけないのか?
2)1994年の環境
・ST205型セリカは、1994年2月2日に発表されました。(地域差はあったかもしれませんが)
・Gr.AセリカGT-FOUR(ST205型)は、同年10月9日にサンレモでデビューしました。
・WRC仕様車は、1994年内に完売しています。
3)WRC仕様車の販売割当
(メーカー公表値)
①Japan 2,100台
②Europe 300台 注1
③General 100台(AUS77台、NZ5台、他18台) 注2
注1
Europe300台の内、最低でも12台以上がイタリアで販売されていました。
注2
他18台の内、12〜14台は、タイで販売されたそうです。
4)カラーコード 040について
・前期型はWRC仕様車のみに設定。
・中期、後期型では、通常設定。
・海外では通常設定。
5)General分の生産
・オーストラリア、ニュージーランド、その他地域分が該当。
・オーストラリア割当分は、全てWRC仕様車(GRP.A RALLYE)
・1994年2月から8月の間で生産。
・この間に生産された台数は、メディア貸出用等の初期ロット6台を除き120台。
・間が空き、96年4月から97年8月までの間で、6台のみ生産。
・1994年2月に90台生産。
・1994年3月に23台生産。
・1994年4月は生産無し。
この結果だけですと、WRC仕様車が初期に纏めて生産されていた可能性が高いと推測されます。
6)Europe分の生産
・ドイツ、イギリス、イタリア等が該当。無論その他トヨタディーラーのある地域も該当。
・1994年2月から1996年6月まで生産。
・この間にメディア貸出用等の初期ロットを除き1,359台の生産。
・1994年2月に107台生産。
・1994年3月に96台生産。
・1994年4月に31台生産。
・連続してWRC仕様が生産されていたとして、300台目に達するのは、1994年6月。
・この頃は、WRCでST185が毎回1位をさらっていた頃です。
・10月にはサンレモでデビューしたST205、販売しきってから認可を受けていた場合、テスト期間があまりにも無さすぎると思います。水面下ではテストが進んでいたんでしょうね。
Europeエリアにおいては、まだ見ぬラリーベース車に興味はない!と言った感じだったのかもしれません。
7)Japan分の生産
・1994年2月に939台生産。
・1994年3月に1,235台生産。
・1994年4月に778台生産。
・これ以降、毎月500台を下回る生産数となって行きます。
・特に2月、3月の生産数に匹敵する月は、以後一切ない。
・040番(白)の製造は、1994年4月まで。しかも4月には5台のみの生産。
・メディア貸出用等の初期ロットを除き、2,174台が2月、3月で生産されていました。
8)妄想(結論)
・Japan、Europe、Generalの、1994年2月、3月製造分(メディア貸出用等の初期ロット・カリーナED抜き)、あと4月に生産されたJapan分の040を5台加えると、2,495台となりました。
・4月分の白5台の間には、あと5台が別色で生産されていますので、これを加えたとして、2,500台丁度となります。(これ以降040番は生産されていませんでした)
(94年の12月に、2台のみ040 が製造されていますが、これこそC-ONEの205か??)
・Built No.0001035〜が、正規で人手に回ったもの。(No.1032も含む)それ以前のナンバーには、カリーナも含めてメディア貸出用等が生産されていた模様。
(WRC仕様車の姿なのにエンジンがスタンダ
ードエンジンだったりしました)
・040番の製造時期からして、欠番を除き連続で生産されていたという結論に至りました。
・連続だった場合、3552番までがWRC仕様車だろう。と、考えられます。
おしまい。
※2021.8.28
WRC仕様車は、連続で生産されていた事が資料により判明した。
標準仕様のGT-FOURについては4月から生産開始になります。
との記述あり。
※2021.8.22
Europeデリバリー分の内、12台はイタリアで販売されていた事を確認済みの為、記事に加筆。
※2021.1.23
WRC仕様車がタイで12〜14台販売されていた事が判明した為、記事に加筆。
※2020.5.28
カラーコード不明個体のデータが判明した為、記事を修正。
94年4月に、5台の040が製造されていた事が判明し、統計上は2,500台丁度のWRC仕様車が製造されていた事となる。
地域毎のデリバリー数内訳は、公表数と実態に乖離があると思われる。
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2020/01/30 18:55:46