2006年05月08日
俺と親父の間には、いつの間にか溝ができていた。
子供の頃、尊敬する人は?と聞かれればいつも「お父さん」と答えていた。
絵が上手く、スポーツも万能で、多くの人から尊敬される仕事をしている父はいつも自分の憧れだった。
父の仕事の後を継ぐことが、自分の夢だと思うようになった。
そして社会人となった今、父と同業の仕事に就いている。
阪神大震災
あれから親父は弱くなり、全てにおいて自信を喪失した。
多分それからだったような気がする、溝ができはじめたのは。
そんな二人の間には母がいた。
俺はどんな相談をするのにも、母に言った。
母はいつも、波風立たないように父に伝える。
父もその返事は母に言う。
母はまた、波風立たないように俺に伝える。
そんな関係に、いつしかなっていた。
お互いの本当の気持ちを伝えられないまま、気づけば10年以上の月日が経っていた。
実は、親父と二人きりで飲んだことがない。
お互いどう接していいか分からないことと、言い合いになることを避けるためだったと思う。
いつの間にか、尊敬する存在とは違う存在になっていることに気付く。
Posted at 2006/05/08 02:06:56 | |
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