いままで自分で買って乗り継いできた13台のうち、似たキャラクターの車の比較第4弾。
初代WRX S4(2014-20年)後期最終型と3代目Audi S3(2014-20年)後期最終型の比較。
発売時期もコンセプトも同じ車の、同じ2020年の最終型の比較です。
初代WRX S4の前期最終型に5年乗って満足したので、試乗した後期最終型のSTi Sportバージョンを購入しました。
パワーユニットは前期型も後期型も同じ、2L、H4、DOHC ICターボ、300馬力、40,8kgm。CVT、1540㎏。
当初は前期型の方がいいと思ったフェイスですが、見慣れると後期型のグリルもカッコいいと思うようになりました。
WRX S4(6MTのWRX STiも)の大きな利点の一つは居住性です。
インプレッサと言うハッチバックをベースに開発された関係上か、着座位置が高い、車高が高い(セダンとして)、フロントもリアもしっかり着座できる、このメリットは大きいと思います。
スバルも腰高に見えないようにスタイリングに努力したと思いますが、それでもWRXは腰高に見えてカッコよくない、と言う人も多いようです。
私はWRXの最大のメリットはこの居住性で、フロントシートに座ってルームミラーを見ると、輸入車セダンも国産車セダンもほとんどすべての後続車のルーフはWRXより随分低く見えます。
リアスタイルは純正マフラー4本出しでシックでスポーティーな感じです。
3代目Audi S3、3代目AudiA3のスポーツバージョンです。
後期型は、2L、L4、DOHC ICターボ、290馬力、38.8kgm、7速DCT、1530㎏。
A3との外見の違いは、フロントグリルとドアミラーカバーがシルバーなこと、マフラーが4本出しなことくらいです。あとはフロントとリアのS3エンブレム。
Audiは昨今の輸入車、ドイツ車の例にもれず、屋根が低い昔の4ドアハードトップ風、4ドアクーペ風のスタイル。
セダンなのに屋根が低く、広々としたところ、堂々としたところがありません。どちらかと言うと屋根が低いセダンは顧客に阿った(おもねった)姑息なスタイルだと思ってしまいます(><)
後ろから見ても屋根が低いですね。
当然リアの居住性は充分ではありません。
しかし、フロントに座ってみると、外見から想像がつかないほど問題がない。問題なくセダン風にしっかりと着座できます。その理由は椅子の位置が低いからですが、それでも操縦に問題ありません。この点がメルセデスの屋根低のセダンとは違うところで、購入の理由となりました。
さすがVWゴルフの兄弟車です。
しかしそれはフロントシートの話。リアは屋根が低く、足元も狭く、リアに常時乗客を乗せる使い方をするなら購入しなかったと思います。
リアに人を乗せるのなら兄弟車のVWゴルフの方が広いでしょう。
初代WRX S4の最大の利点は、居住性の高いボディースタイル。(その利点は2代目のWRX S4にも継承しているようです。)
そして、この素晴らしいシート。
RECAROブランドでスバル用の電動シート。
座面と背面はアルカンタラで、これが思った以上に非常に良かった。
座りやすく座り心地が良く汚れないし冬は冷たくないし夏は熱くない。
シートヒーターHIとLOWの2段階ついています。
シートの骨格も背中に板が入ったようにしっかりしている昔のポルシェのレカロ風。
唯一不満があるとすれば、電動シートのスイッチとモーターの微調節性。昔のポルシェのフル電動シートの方が調整幅が細かくずっと使いやすかった。
インパネは普通の近代的なインパネ。
最新のすべて液晶のタッチスイッチの物より物理スイッチが多く使いやすいです。
私が2代目のWRX S4に乗換えなかった理由の一つは、現行WRX S4はステアリング以外のほぼすべてのスイッチが大きな液晶画面のタッチパネルになっていることでした。
但し先代WRXの前期型では、ステアリングの表面の左側にはオプションでカーナビを操作できるスイッチが付けられましたが、後期型では標準で電話のスイッチが付けられており、ステアリングスイッチでカーナビ操作ができなくなったのが残念です。
機能面では、センターコンソールに棒状のCVTシフトノブがあるため、走行中にマニュアルモードに機敏に切り替えるのに便利。
しかし、AT車やDCT車のシフトノブのような、+、ー、がシフトノブではできないので不便。マニュアルモードはステアリングコラムのパドルシフトでしかできないので、慣れていないと不便。
STi Sportの内装には濃いグレーとボルドーの革が使われ、プラスチックのインパネも質感が高いです。
後期最終型のSTi Sportで最高な点の一つが、高感触革のステアリング。
普通の国産車の安物革巻きではなく、NALDIやMOMOのようなちゃんとした感触の良い革です。運転中にいつも触れているところだから満足度が高いです。
機能面では、アイサイトや自動追従走行、運転モードなどのスイッチがステアリングの表面のスイッチについているので非常に操作しやすいです。
欧州車のように追加機能の多くがステアリングコラムから生えているノブの小さなスイッチでする必要がない。
CVTのオート(普通)モードでの運転中に、パドルシフトで+、-をしても、オートモードのまま相対的なシフトダウン、シフトアップになり、マニュアルモードに切り替わってしまわないので、非常に運転しやすい。(DEデミオや8VアウディS3はマニュアルモードに切り替わってしまうので、オートに戻すのが面倒。) この運転時の(疑似)変速の利便性は非常に良かったです。
高級感があり質感も高いバーガンディー色の革が至る所に使われています。
ドアのアームレスト上部の革もグレー革のドア内張のスティッチにもボルドー色です。
この革の感触もソフトで品があり輸入車の内装にも引けを取りません。
リアシートもフロントと同じボルドー革とアルカンタラが贅沢に奢られています。
リアシートの居住性は最近のドイツ車や欧州車と違ってセダンとして十分な居住性が確保されています。
つづく・・