**本稿は2011年11月23日の記事の動画のリンク切れ、改行などを修正して再投稿したものになります**
グルノーブルはフランス南東部、アルプスの麓、周りを山に囲まれた都市です。国境近くの山に囲まれた平地であるため、その地理的重要性から紀元3世紀ごろから城砦都市が築かれたようです。
古くはローマ時代からの拠点として、また近年では、国境近くの軍事上の重要拠点としてフランス軍が常に駐留していました。ちなみにフランスは徴兵制です。いくら隣国が永世中立国のスイスとはいえ、自国の守りをきっちりと固めるのが近代国家として、政府の当然の責務です。(訂正:フランスの徴兵制度は冷戦の終結に伴い、90年代中頃以降段階的に廃止されたそうです)
リヨン-ミラノ間やミュンヘン-マルセイユ間を飛ぶ飛行機で上空から見ると、グルノーブルの部分だけ山々の間に陥没した状態で見えます。アフリカプレートがユーラシアプレートに衝突しその圧力によって出来たのがアルプス山脈ですが、このグルノーブルの陥没は氷河に削られたものではなく、褶曲段差によって出来た谷間のように見受けられます。
街からは四方どの方向を向いても冬には雪を頂く険しい山々が見え、大阪の田舎で育ち、山が見える景色が大好きな私の心を落ち着かせてくれます。
少し郊外にあるホテルで、このような山々を見ながら仕事をするのが結構好きだったりします。
グルノーブルと言う名前は、近年日本のサッカーファンの間で知られるようになったみたいです。日本企業が地元チームに資本参加し、日本人プレーヤーを採用しています。そのせいか、ここ数年、グルノーブルでは日本食ブームが起こっているようです。
欧州では20年ほど前から都市の環境を考慮して、トラム(路面電車)の復興ブームになっています。ここグルノーブルでも新たにトラムが導入され、今ではすっかり街の人たちの足として根付いているようです。
街の北側には16世紀にフランシス一世によって築かれたバスチーユ城砦があります。その城砦まで登るシャボン玉のようなロープウェイは、70年代に築かれた数々のモダーンな高層住宅とともにグルノーブルの名物になっています。
グルノーブルと言えば、私たちより2まわりぐらい上の方には有名な都市のようです。周囲を山に囲まれた都市、1960年代に冬季オリンピックがあり、それをテーマにした映画が大ヒットしたそうです。そのテーマ曲といえば、そう、私たちみんなが知っているこの曲です。
VIDEO
グルノーブルの周囲は険しい山に囲まれており、夏にはクリフハンガーやパラグライダー、冬にはスキーリゾートになるようです。1968年グルノーブルで行われた冬季オリンピックをテーマにした映画、13 Jours en France(フランスの13日間、邦題:白い恋人たち)です。この映画と同名のフランシス・レイのテーマ曲は世界中で知らない人がいないほどヒットしました。
このテーマ曲を思い浮かべると、何ということのないフランスの地方都市もすごくロマンチックなものに思えてしまいます。
ちなみに北海道の有名なお菓子、「白い恋人」はこの曲からイメージして命名されたそうです。
お菓子には賞味期限はありますが、歴史に残る名曲には賞味期限はないですね。(笑)
Posted at 2024/09/23 11:52:18 | |
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