ジウジアーロと両巨頭のもう1人、マルチェロ・ガンディーニ、そしてジウジアーロもチーフとして在籍したベルトーネはどういう歴史をたどったのでしょうか・・
2.マルチェロ・ガンディーニとベルトーネ
1912年、ベルトーネ社は、ジョヴァンニ・ベルトーネによってイタリア西部の都市トリノにカロッツェリアとして創業されました。
1960年代からの、息子のヌッチオ・ベルトーネの時代に、フランコ・スカリオーネ、ジョルジュエット・ジウジアーロ、マルチェロ・ガンディーニと言った天才デザイナーにより、世界的なカロッツェリアとして発展したのです。
マルチェロ・ガンディーニは、ジウジアーロの約1年後の1938年8月26日、イタリアの自動車都市、トリノにオーケストラ指揮者の息子として生まれました。
20代初めごろからはフリーのデザイナーとしてトリノをベースにチューニングカーなどをデザインしていました。
1963年、25歳の時、ベルトーネの2代目、ヌッチオ・ベルトーネに入社を打診しましたが、当時ベルトーネのデザイナーであったジウジアーロに採用を反対され入社できませんでした。
1966年、28歳の時、当時のチーフデザイナーだったジウジアーロがベルトーネを退社したため、ガンディーニはベルトーネに採用されました。
ガンディーニは1980年までの14年、42歳までベルトーネに在籍し、チーフデザイナーとして、ベルトーネのすべてのコンセプトカーのデザインを行いました。
ミウラやカウンタック、ストラトスなど、スーパーカーを中心にベルトーネでデザインしたガンディーニは、42歳、勤続14年経って組織をマネジメントすることよりデザインワークに集中したいとベルトーネを退社しフリーのデザイナーに。
ベルトーネ在籍時の最後の作品はシトロエンBXでした。
フリーになった最初の5年間はルノーと契約し、初代5ターボや、2代目の5、5ターボのスタイル、ルノー21の内装、アルピーヌV6ターボの内装などを担当。
ルノーとの契約が終わった後には、マセラッティ・シャマルや4代目クアトロポルテ、スーパーカーのチゼータV16T、ルノーの大型トラック、AEマグナムなどをデザインしました。
マセラッティ・クアトロポルテは、3代目がジュジアーロ、4代目がガンディーニと続いていて、デザインの特徴が出ていて興味深いです。
上にあるアルファロメオ・モントリオール、カウンタック、BX、ルノー5、マセラッティ・シャマル、クアトロポルテ、チゼータV16Tなど、ホイールアーチの上部の直線化、スポーツカーのリアアーチの直線傾斜にガンディーニのデザインの特徴が出ています。
1990年にガンディーニがデザインしたルノーAEマグナム、ホイルアーチの上部が直線になっているデザイン特徴が出ていますね。
1980年、ガンディーニが去った後のベルトーネは、1989年にシトロエンXM・・
1991年にZX・・
1993年にエグザンティア、そして1980年代後半から2001年まで3代に渡ってオペル・カデットのカブリオレをデザインした後、複数の中国車やインド車をデザインしていました・・
1997年にベルトーネを世界的なカロッツェリアにした2代目ヌッチオ・ベルトーネが82歳で死去した後に、未亡人のリリーが社長になりました。
ヌッチオのビジネスセンスとガンディーニなどの天才デザイナーで成り立っていたカロッツェリア・ベルトーネは、大手自動車メーカーのコンピュータを使ってデザインの内製化の流れもあり、
2005年には車両量産部門を終了し、2009年には量産工場をFIATに売却、2011年には資金不足により多くの車両コレクションを売却・・
2014年4月にBertone社は倒産してしまいました。
2013年に倒産寸前だったベルトーネの社員たちがはベルトーネ・デザインと言う会社を興し、工業デザインや列車のデザインをしていますが、これはカロッツェリア・ベルトーネとは全く別の会社・・
カロッツエリア・ベルトーネは2014年に倒産して消滅していたのです。
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1938年8月にトリノで生まれたガンディーニは現在80歳。
1937年8月にジェノヴァ北西で生まれたジウジアーロは現在81歳。
ITAL DESIGNは2015年にVWグループの100%子会社になり、2人が在籍したベルトーネは2014年に終焉を迎え・・
他のイタリアのカロッツェリアは現在どうなっているのでしょうか?
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つづく・・
Posted at 2020/06/01 21:02:23 | |
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カロッツェリア | 日記