
子供の頃に遊んだミニカー・・
Leylandの8輪BPタンクローリー・・
Leylandと言う名前は、大人になってから知りました・・
1960年代でキャブオーバー型の居住部は近代的に感じました。
Matchboxのおかげで、1960年代の日本の大阪の郊外に住んでいた幼稚園児の私でも、「BP」が英国の石油会社だという知識を得ました(^^)
LesneyのMatchboxで5穴ホイールのタイヤは、サスペンション付きで速く走る後期型Superfast仕様です。
1960年代後半に日本に入ってきていたMatchboxは、古い脚周りとSuperfast仕様の2種類が混じっていた時期でした。
簡易小屋を積んだLeyland Hut(小屋) Truck。
当時、日本でこんな風に簡易小屋を積んで走る習慣がなかったので、幼児心に違和感を感じました、、(^^;;
小屋を下ろすとフラットベットな荷台。
Leyland社は、英国北西部、ManchesterやLiverpoolの北部、Lancashire州のLeylandという町で、1896年にLancashire Steam Motor Companyとして出発しました。
蒸気パワーの芝刈り機などを作ってたのですが、すぐに蒸気パワーの1.5トンバンの製造を開始しました。
1905年にはガソリンエンジンのワゴンの製造を開始し、1920年には直8OHCエンジンのLeyland Eight(上記写真)の製造を開始しました。
Leylandはトラックメーカだと思っていたのですが、戦前は乗用車も作っていたのですね。
第二次大戦後はトラックメーカーとして売り上げを伸ばしていましたが、
1960年にTriumph社を合併して乗用車も供給するようになり、
1962年にロンドンバスで有名な英国バスの大手だった
AECを買収して、乗用車、トラックバスメーカーとなり、
1967年にRover社を買収して総合メーカーとなりました。
トラック、バス+スポーツカー、プレミアムカーと言うラインナップは、何だか往年のいすゞみたいですね。
そして1968年には、英国自動車ブランドが総結集したBritish Motor Corporation(BMC)と合併し、British Leyland Motor Corporation(BLMC)になったのです。
合併前にBMCが保有していたブランドは、Wolseley、Riley、Austin、Morris、Vanden Plas、MG、Jaguar、Daimler・・
そこにTriumph、Roverを持った、Leyland Truckes社が合併したのです。
そんな激動の1960年代後半に作られたLesneyのミニカー・・
当時のMatchboxのモデルになったトラックはこの車の様です。
ドライバーのおじさんと娘さん?の着座距離を見て下さい(^^)
1960年代では画期的だったボンネットが出っ張っていないデザイン・・
チルトで前傾してエンジンの整備性が向上した今でも使われている構造・・
それを可能にしたのは、このキャビンの出っ張りだったんですね(^^;;
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そんな英国の乗用車商用車ブランドが大合併したBLMCですが、わずか7年で破産し、1975年に当時の労働党政権にBritish Leyland(BL)として国有化されます。(株式会社であるが株の大半を英国政府が所有していた)
そんな時代に作られたLayland Marathon・・
Laylandのトラックは1979年まで合併吸収した
旧AECのSouthall工場で作られていました。当時のLeyland TruckはAECのTruckのデザインに似ているのはそのせいかも知れません。
1986年、BL plcがThe Rover Group Limitedに社名を変更され、トラック部門はLeyland Trucks、バス部門はLeyland Busとして分離して別会社とされました。
1987年にLeyland Trucksは、オランダのトラックメーカーDAF Truckと合併して、Leyland DAFとなり、Leyland BusはSwedenのVolvoに売却され、Volvo Busの一部になりました。
バス部門では、その後、Volvoの傘下で英国の元Leylandの工場がLeylandブランドのバスを製造していましたが、1993年に英国工場は閉鎖され、Leylandバスの名称は消えてしまいました。
一方トラック部門では、Leyland DAF社は、英国市場ではLeyland DAFのブランドで、その他の世界中の市場では、DAFのブランドでトラックを売っていましたが、合併後、わずか6年、1993年にLeyland DAF社が破産してしまいました。
1993年の破産時に、Leyland TrucksとDAF Trucksに分離し、LeylandはMBO(Management Buyout)され、Leyland Trucks Ltd.として存続しました。
1998年に双方ともアメリカのトラック大手、Paccar社に買収されました。
Paccar社の元で、Leyland Trucks、DAF Trucksは別会社で、ともにDAFブランドのトラックを製造販売しており、1993年にLeylandのブランド名が、トラック、バスともに消滅したことになります。
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ちなみに、Leylandが1955年にインドのAshok社に資本参加して社名を変更したAshok Leyland社は、その後、様々な変遷を経て資本が変わっても、インドでのLeylandの知名度が高いため、今もAshok Leylandとして名前とロゴを使用しているようです・・
LeylandはPaccar子会社のトラック会社Leyland Trucksとして英国で社名は残り、インドでは資本も技術も関係なくなっても、その知名度でAshok Leylandとして社名とロゴは残っているようです。
何度も倒産したり売却されても名前が残るLeyland・・
自動車産業における英国の名前の伝統の偉大さなのでしょうか・・
つづく・・