歴史を訪ねて 3 …
瀧廉太郎記念館、広瀬神社の次に目指した場所は…
岡城跡(岡城址)
竹田市営駐車場からクルマで6分ほど走り到着。国指定史跡でもある岡城跡は歴史も古く、桜と紅葉が美しいスポットとしても知られています。また、豊後竹田城址とも呼ばれ「天空の城」の別名もあるといいます。
特筆すべきは、瀧 廉太郎が幼少時代に竹田で過ごし、岡城跡に幾度となく登り遊んだ印象が深かったとされており、明治34年瀧 廉太郎はこの岡城跡をイメージして「荒城の月」を作曲・発表しています。
入り口で入場料を払うと「登城手形」と「巻物」が貰えます(左上の写真)。訪れたその日は天候にも恵まれたので気持ちの良い散策の始まりです。写真をご覧頂き、暫しの間ですが、岡城跡に登城した雰囲気を味わっていただけばと思います。
瀧 廉太郎像があり、その後方には久重連山を望んでいます。少年時代の瀧廉太郎にはここでの光景が脳裏に強く残っていたのでしょう… やがて「荒城の月」が生まれることになります。
澄み切った大気の中、歴史を遙か遠くに思い描きながら、自身の足で散策したこと… 筆者にはたいへん意義のある時間となりました。
written by Seikoh-Udoku
歴史を訪ねて 2…
瀧 廉太郎記念館を後にして、10分程歩いて行くと急な階段が見えてきました…
広瀬神社
広瀬武夫中佐と言えば、司馬遼太郎の「坂の上の雲」にも登場する人物で、世間では広く知られているかと思います。広瀬中佐は、明治37年に日露戦争の旅順港閉塞作戦で、行方不明の杉野兵曹長を捜索中に、ボート上で被弾、戦死しました(享年37歳)。
柔道家でもあった広瀬の才能を高く評価していた嘉納治五郎は、広瀬戦死の知らせを聞いた時には人目をはばからず号泣したと言われています。尚、広瀬武夫が竹田市出身であるので、この地に広瀬武夫を祀る神社が建立されました。
息を切らしながら階段を登っていくと美しい竹田市街が見えてきます。
境内に入ると左手には「阿南惟幾」顕彰碑があります。映画「日本のいちばん長い日」に登場する陸軍大将であり、嘗ては三船敏郎が演じ、最近では役所広司が演じて話題になりました。阿南惟幾も竹田市出身だったこともありここに建立されたということです。
参考までに、数十年前に読んだこの人物の生涯を描いた小説「一死、大罪を謝す 陸軍大臣阿南惟幾」(角田房子著)が忘れられません。心に残る名作の一つだと思っています。
神社本殿に行き、お参りをしました。境内には筆者ただ一人でしたのでゆっくり歴史を振り返ることが出来、貴重な時間を過ごせました。
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本、読書…
「碇星」吉村 昭著 中公文庫
吉村昭の長編小説は素晴らしいが、短編もいい。晩年に差し掛かった頃の男性が味わう気持ちを切々と描いている作品が集められている。人生を静かに見つめ、生と死を慈しみを込めて書かれており、筆者は遙か遠くにある銀河を望むような気持ちで読ませて貰った。
「孤独を分かち合う七十すぎの三人の男たちを描く『喫煙コーナー』、定年と同時に妻に去られた男の心境を描く『寒牡丹』、葬儀に欠かせぬ男に、かつての上司から特別な頼みごとがきた表題作ほか全八篇」(本帯より)
written by Seikoh-Udoku
歴史を訪ねて…
寒さを感じるような季節になった今、散策するにはもってこいの頃合いかと思います。そこで、久し振りに、予てから訪れてみたいと思っていたスポットを訪ねることに…
大分県竹田市まで片道190㎞のドライブを楽しみながらの歴史探訪になりました。高速から一般道に入り、途中幅員がやゃ狭い道路をやっと抜け、城下町の雰囲気が漂っている竹田市に入りました。MB C220dは市営駐車場に置き、ここから散策しながら目的地へ向かいました。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
瀧 廉太郎記念館…
「荒城の月」と言えば瀧 廉太郎と直ぐ思い浮かべますが、この人物を知れば知るほど興味が深くなっていきます。
明治34年、瀧廉太郎はドイツのライプツィヒ音楽院に入学するも僅か5ヶ月で肺結核にかかり帰国し、大分県竹田市の家で療養していていました… 明治36年23歳の若さで亡くなりました。
「瀧 廉太郎が少年時代の二年半暮らしたのがここ豊後竹田であり、この記念館(旧宅)は瀧 廉太郎を育てた環境を追体験するための場所として再構築した空間です」(記念館説明書より)
館内に設置されている説明ビデオが「瀧 廉太郎」の人物像及びその足跡をたいへん分かり易く解説しています。また、館内にある直筆の譜面や手紙などの展示物を見ていますと、瀧 廉太郎に対する関心が高くなるようです。
館内の写真は撮影が許されている場所
記念館から少し歩いたところに「廉太郎トンネル」があるので、行ってみました。トンネルを歩いていますと瀧 廉太郎の曲が流れてきます。
☆ ☆ ☆
帰宅後、もっと瀧 廉太郎を知りたくなりこの本を読むことに。
「瀧 廉太郎 —夭折の響き—」海老澤敏著 岩波新書
「荒城の月」や「箱根八里」「お正月」で知られる作曲家・滝 廉太郎は、外国歌曲に学びながら日本の近代音楽の扉を開いた。「国楽」創造の旗手としての格闘、ドイツ留学の実現と失意の帰国、そして絶筆となったピアノ曲「憾(うらみ)」にあふれる激情…。その病魔に断ち切られたわずか二三年余の悲運の生涯を、没後一世紀の今、克明に描く(本帯より)
この本を読み終え、23歳で夭逝した瀧 廉太郎の生涯を考えていました… 散策した竹田の街並みと瀧 廉太郎記念館を思い浮かべながら。
尚、「荒城の月」や「花」をフルートで吹くと、瀧 廉太郎の生涯が浮かんくるようです。
written by Seikoh-Udoku
November…
11月(霜月)になりました。2019年もあと少しのところまできました。
それにしても、このところの台風や大雨による災害、火災による惨事、事件/事故等々がたいへん心配されます。
筆者にできることと言えば、ただただ安寧な日々を祈り続けるしかありません。そして、限りある人生の大切な時間を楽しく過ごせるように、引き続き一歩を踏み出して行こうと思っています。今月もどうぞ宜しくお願いします。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
砂像…
毎年この季節になると砂像展(福岡県遠賀郡芦屋町)が開かれるので、今年も訪れることに…
平日にも拘わらず多くの人々が訪れています。例年は夜に訪れていましたが、今年は日中の明るい時の砂像を見ることにしました。芸術の雰囲気に触れられた爽やかな時間となったようです。
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「マチネの終わりに」…
この本を読んだのは2017年の春頃であり、たいへん心に残る作品として鮮明に覚えています(当ブログにも紹介)。また、福田進一氏が奏でるクラシック・ギターの曲を聴きながら「マチネの終わりに」の世界を今も尚味わっています。
大人の恋の物語であり、余韻を残した終わり方に筆者はたいへん惹かれるものがありました。恋愛小説はここ十年ほどはあまり読んでいなかったので、この作品は強烈な印象をもたらしてくれました。さらにまた、この小説が映像化されればどんな作品になるのだろうか… そんなことを考えていました。そう、それが現実になったのです。
11月1日の公開初日に逸る気持ちを抑えながら、映画館へと向かいました。
映画の中で流れているクラシック・ギターの音色が素晴らしく、映像を盛り上げてくれています。エンド・ロールが流れ始まりますと、小説で味わったと同様な『余韻』にふたたび心を惹かれ、「映画 マチネの終わりに」に魅了された自分自身に気がつきました。そして、もう一度「小説 マチネの終わりに」を読もうと…
帰宅後に読み始め、本日(11/2)13時過ぎに読み終わり、映画と小説の「マチネの終わりに」の魅力を二重に味わうことが出来ました。筆者は、この作品に残されている「余韻」をいつまでも大切にしてゆきたいと思っています。
written by Seikoh-Udoku
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