2021年07月31日
三菱の空冷金星エンジンに換装した零戦を戦線に投入したら、‥(^。^)y-.。o○。
エンジンを中島の栄から三菱の金星に換装した零戦が戦線に投入されたら活躍できただろうか。昭和18年に零戦52型が投入された時期にエンジンを三菱の金星に換装したらどうだっただろう。当時は金星51型で1300馬力、それでも栄21型の1130馬力よりも10%ほども馬力がある。52型の翼面荷重は150キロほど、零戦の軽快性はかなり失われたとは言うが、それでもF6Fよりもずっと運動性はいい。速度は570キロほどで上昇力もF6Fには及ばないが、金星62型になるとさらに向上する。
陸軍の3式戦の水冷エンジンを空冷の金星に換装した5式戦は大東亜決戦機と言われた4式戦3機に匹敵すると言われたとか。それでも速度では580キロ、運動性と上昇性能は3式戦よりも向上したとか。金星装備の零戦と同じく金星装備の5式戦、どちらも最高速度は570キロから580キロ、米軍戦闘機よりも運動性は軽快だが、最高速や急降下速度はかなり劣る。もっとも日本の戦闘機は翼面荷重が小さく零戦52型で148キロ、5式戦で175キロほどなのに米軍のF6FやF4Uなどの艦載機は190キロほど、陸軍の戦闘機は240キロから260キロもあるので運動性に重点を置くか速度に重点を置くかの機体設計フィロソフィーの違いだろう。日本の場合、工作不良や燃料の質の低下でエンジンの馬力が出ていないせいもあるんだろうけど、・・。
ではなぜ5式戦がそんなに持てはやされたのかと言えばそれはきちんと動いてカタログデータ通りの性能を発揮したからだろう。戦争後半期の日本軍機は紫電改にしても4式戦にしてもカタログデータ上は高性能でもその性能が出なかったり、故障ばかりで動かなかったりしてそれが泣き所だったが、5式戦はエンジンも機体も安定していて稼働率もよく、性能もほどほどで特に高性能と言うほどではないが、少なくともカタログデータ程度はきちんと出たようでこれが好まれたんだろう。
戦争ではカタログ上の高性能よりも必要なときに必要な数が動かせることが重要でその点でエンジンも機体も信頼性のある5式戦が好まれたんだろう。そうすると戦争後期にはもう枯れた技術になっていた零戦だが、その分安定はしている。そこに1千馬力から1500馬力に50%もパワーアップした金星に換装した零戦は、当時としては性能としては平均的な戦闘機だっただろうが、使いやすく信頼性も高いのは大きな力になったことだろう。何より必要なときにまとまった数を戦線に投入できるというのは単機の性能云々よりもずっと大きな戦力だろう。
戦争の後半期ではそうそう大量の戦闘機を生産できるわけもなく、また仮に数千機の金星零戦を戦線に投入できたとしても戦局が変わるなんてことはあり得ないだろうし、個々の戦闘の局面でもう少し有利に戦えたんじゃないだろうかと言う程度だろう。それでも度重なる近代化改修で重量がかさむ割にはエンジンの出力は変わらず、相対的に飛行性能は落ちるばかりの零戦に当時としては最も安定した高出力エンジンを搭載すればそれなりに使いやすい戦闘機になっただろう。だから航続距離が落ちるとか言っていないで52型に改修したときにエンジンを金星に換装しておけばよかったというのが結論でどうしてそうしなかったのか残念でならない。局戦に使うつもりでせめて一部でも金星に換装しておけなばよかったのにと誠に残念に思う、‥(^。^)y-.。o○。
ブログ一覧 |
軍事 | 日記
Posted at
2021/08/01 01:02:01
今、あなたにおすすめ