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2018年07月09日 イイね!

佐山芳恵再び、‥(^。^)y-.。o○(54)




「紹介いただいた方からはそのように聞いています。」


紹介いただいた方だって、・・。誰なんだ、それは、・・。うちの社長か。


「いずれにしてもよろしくお願いします。あの、これは私の好奇心なんですが、あなたは一体何者なんですか」


いきなりあなたは何者かと言われても答える術がない。


「ただのしがない中年女の英語屋です。」


どうもこれは紹介者がとんでもない人物のようだ。それが誰かと言えば金融翁かその周辺だろう。
その旨を言うと、「ああ、その繋がりなんですかね。連絡があったのが政府からなんで一体何者かとちょっと驚きました。そう言うつながりだったらそれもありかもしれませんね。」医者は納得したように笑顔を見せたが、こっちはそうはいかない。なんでこんなところに政府が出てくるんだ。知的美人は政府の重要人物なのか。それとも誰か大物政治家の子供とか、・・。まあ想像をたくましくしても切りがないので帰ったらしっかり確認しておこう。超セレブの世界は理解しがたい。


投薬を終えて診察費を払おうとすると「診察費は別にいただくことになっていますので結構です」と言う。別にって誰が払うんだろう。ますます怪しくなってきた。病院を出るとタクシーを拾って社に戻った。そして社に着くと真っ先に社長のところに行った。社長は僕の顔を見ると「どうだった」と言った。


「病状はカウンセリングを何回かしないと確定できないということですが、さほどの重大な状況でもないようです。何か病気の原因になるような心理的な問題があってそれで周期的なうつ症状を繰り返すのではないかと言っていました。男性依存もそれが原因のようですが、過度になり自分でコントロールできないといった状況でなければ問題はないそうです。」


僕は社長に医者から聞いたことを説明した。社長は「分かった、ごくろう様」ともうそれで放免の体だった。


「社長、お聞きしたいことがあります。あの女、いったい何者なんですか」


僕はいきなり単刀直入に聞いてやった。社長は「おっ」と言う感じで顔を上げた。


「誰から聞いたんだ」


「医者が私に『あなたは何者か』って、・・。政府から、政府ってたぶん内閣官房でしょうけど、紹介があったとか。」


社長はちょっと苦笑いの体ではあったがとんでもないことを言い始めた。


「実は僕も知らなかったんだけど彼女さる政治家さんの娘さんらしい。頭取に病院を紹介してもらおうと連絡したら『ちょっと待てよ。その名前聞き覚えがある』とか言われてね。それからしばらくしたら内閣官房の何とかいう補佐官から電話があって『予約が取れましたので』とか言ってきてね。」


僕は話を聞いているうちに腹が立ってきた。


「そんな人なら自分たちで面倒を見ればいいでしょう。面倒だから引き取ってもらいましょう。それでこっちはすべて解決でしょう。あとは親子で解決すればいいことじゃないですか。そうでしょう」


社長は僕がそう言うと非常に困った顔をした。どうもこれは裏がありそうだ。その時僕はなんだか嫌な予感がした。


「佐山さん、後で僕と一緒に頭取のところに行ってもらえないだろうか。そこに内閣官房からも人が来ることになっているんで、・・。」


「お断りします」


僕は即座に断った。


「私は社の業務と言うことで彼女のことを調べました。そして社の業務のうちと思って病院にも付き添いました。でもこれ以上は社の業務でも何でもありません。彼女の父親がだれであろうとそれは彼女と向こうの家族の問題です。私には全く関わり合いのないことです。」


「まさに佐山さんの言うとおりだ。一言もない。ただ何とかそこを枉げてお願いできないだろうか。僕の随行と言うことでも構わないんだが、・・。」


僕はなんだかさらに腹が立ってきた。


「お断りします。それは私の職務外のことですから。この件についてはこれ以上話し合う余地はありません。失礼します」


僕はそれだけ言うとさっさと社長室を出て部屋に帰った。そして部屋に入るとクレヨンと目が合ったが、やつめ、「ひっ」とかいうと飛び上がって女土方の後ろに隠れた。


「どうしたの、そんなに怖い顔をして。何があったの。社長からも電話があったわ。落ち着いたらもう一度来てくれって。」


「もう行く気はないわ。これ以上四の五の言うなら辞めてやるわ。」


Posted at 2018/07/09 16:31:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説3 | 日記
2018年06月26日 イイね!

佐山芳恵再び、‥(^。^)y-.。o○(53)




「副室長はどうですか、この件については、・・。何か意見はありますか。」


社長が女土方にそう聞いた。


「仕事の点では全く問題はありません。あとは社の体面や本人がどうかですがそれは会社の方でご判断をお願いします」


女土方はさすがに優等生的な答え方をした。


「佐山さん、まさか本当に押さえつけて見たわけじゃないだろうね。まさかとは思うが一応念のために、・・。」


社長がまたわけの分からないことを言い出した。今度は北政所様が吹き出した。


「まさか、・・。本人に訳を話したら見せてくれました。」


「そうなんだ。まあ女同士だから問題はないだろうけど場所が場所だからあまり過激なことはね、・・。」


社長がそう言うと今度は全員が吹き出した。人に変なことを言いつけて散々苦労させておいてこいつらとんでもない奴らだ。みんな押さえつけて確認してやろうか。


「じゃあ、ちょっと本人にも確認しておこうか。副室長、呼んでくれるかな」


社長はまじめな顔に戻って社長らしいことを言った。女土方が電話をするとすぐに知的美人がやって来た。昨日とは打って変わって金属のような感情の欠片もないような表情はいつもの彼女だった。


「どうぞかけてください」


社長はたまたま空いていた僕の隣を指示した。知的美人が腰を下ろすと社長は僕と知的美人を交互に見てちょっと表情をゆがめたが、何とか踏み止まったようだった。


「あなたのことは佐山先任から聞きました。一応確認しますが、アダルトに出演していたというのは事実ですね」


社長は結構真顔を作ってそう言った。


「はい、昨日、佐山さんに話した通りです」


知的美人はほとんど表情を変えずに答えた。


「それはそれとして佐山先任はあなたの能力を高く評価している。仕事を進めていくうえでぜひ必要な人材だそうだ。そうした優秀な人材は会社としてもぜひそのまま能力を発揮していただきたい。しかしながら、・・だ、当社の業務からすればあなたのしていることは好ましいとは言い難いものがある。そこでだ、もう出回っているものは仕方がないが、今後は一切その手のものには手を染めないことを条件に身柄を佐山先任に預けるということで仕事を継続してもらうということでどうだろう。他人の空似と言うことにしておけば人のうわさも75日と言うからその手の話も時間とともに下火になるだろう。それからメンタル面のケアも受けてもらいたい。病院はこっちで紹介するから。どうだろう。」


知的美人は黙ってうつむき加減に社長の話を聞いていたが、答えを求められると「そのまま置いていただけるというならありがたくお受けします」と答えた。社長はにっこり微笑んで「では、そういうことで。今回の処分は社長注意と言うことで。」と締めくくった。


ところが何か忘れたように、「あ、一つ言い忘れた。佐山君はとてもやさしい優秀な社員だが、やり方にちょっと強引なところがある。悪気じゃないんだけど誰にもそうなんでそこのところを了解しておいてほしい」と言った。それを聞いて北政所様と女土方が『もう耐えられない』と言った風情で笑い出した。知的美人は僕を振り向くとちょっと口をゆがめるようにして笑った。憮然としているのは僕だけだった。


部屋に戻ると知的美人は何事もなかったように金属的な表情で仕事を始めた。クレヨンはそんな知的美人に敵意ある視線を送っていたが、知的美人は全く意に介してはいないようだった。そんなこんなで何となくぎくしゃくした雰囲気で時間が経過してやっと昼になろうとしたときに社長から電話がかかってきた。


「クリニックで予約が取れたので午後2時に本人を連れて行ってくれないか」


社長はそう言うとクリニックの名前と電話番号を告げた。そこは超有名な病院でちょっとやそっとでは予約など取れないはずの病院だった。そして社長は最後に「これは業務命令だからね」と付け加えた。業務命令はいいが、診療費は大丈夫なんだろうか。目の玉が飛び出すほどの費用を請求されるんじゃないだろうか。僕は電話が切れた後に知的美人と女土方に社長から言われたことを伝えた。女土方は「分かったわ。行ってらっしゃい」とだけ言った。知的美人は何も言わずに頷いた。そんなわけで僕と知的美人は食事を済ますとタクシーで病院へと向かった。社長、タクシーチケットを使っていいという。この至れり尽くせりは一体どうしたんだろうか。医者に着いて受付で名前を言うと「こちらへどうぞ」と一般の待合室とは異なる特別室のようなところに案内された。



「こちらでしばらくお待ちください。お飲み物はよろしければご自由にどうぞ。」


受付の女性はそう言って部屋を出て行った。


「どうぞ、ご自由にと言うんだから飲みましょうか。何が良い。」


僕は知的美人を振り返るとそう言った。


「コーヒーをもらおうかな」


知的美人がそう言うので高そうなカップにコーヒーを注いで渡してやった。そして自分の分をこれもまた高そうなカップに注ぐとソファに腰を下ろした。しばらくすると知的美人が呼ばれて部屋を出て行った。一人になって手持無沙汰ではあったが、この部屋には本や雑誌ばかりではなく、パソコン、テレビ、オーディオなど時間をつぶすものには困らなかった。小一時間も経った頃知的美人が戻って来た。そして入れ替わりに僕が呼ばれた。


診察室は普通の病院とは違い一般の家庭の部屋のようで医者も白衣ではなく普段着を着ていた。これは患者に心理的な圧迫を加えないようにという配慮だろう。


「どうぞ、おかけください」


医者に椅子を勧められて腰を下ろした。


「付き添いの方に状況を説明しておいてくださいと連絡がありましたのでお話しします。と言っても今日はさわりだけをお聞きしただけなのでその点ご了解ください。吉川さんは心に何かトラウマがあるようでそのために精神的に不安定になることはあるようです。その際男性を強く求めるようですが、それ自体が異常とか言うものではありません。問題は心の奥底にあるトラウマでこれを自身で解消できずに呻吟していることが問題なんです。病名としては周期的なうつ症状と精神的な不安定感が重なったものと言えると思います。今日の聞き取りではまだ彼女のトラウマの原因を聞きだすには至りませんでした。しばらく定期的に通院していただくことになると思いますが大丈夫ですか。当面通っていただくことが大事なことですのでよろしくお願いします。吉川さんはあなたのことをとても信頼しているようですので、・・。それから当面精神的な不安定状態が生じないよう薬を処方しておきますので必ず指示に従って服用させてください。決められたとおりに薬を服用していただくのも極めて大事なことですので、・・ね。」


僕はちょっと好奇心で聞いてみた。


「彼女が異性を求めたらどうしたらいいんですか。止めさせるんですか。」


「過度に陥らなければかまいません。健康な成人女性ですから性欲があるのは当然だと思います。依存はある意味自己保全の一種でもありますから基本的には病気とは違います。ただ欲望を自分でコントロールできなくなってしまうとそれは病気の範疇ですのでその辺には注意してやってください。」


この医者、なんだか僕が知的美人の保護者のようなことを言う。


「あの私は彼女の保護者ではないんですけど、・・。」


僕がそういうと医者はちょっと怪訝な顔をした。
Posted at 2018/06/26 21:51:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説3 | 日記
2018年06月20日 イイね!

佐山芳恵再び、・・(^。^)y-.。o○(52)




「もう帰るのって一体何するのよ。あなたはノーマルでしょう」


僕がそう言うと知的美人は首を振って「ここに来て」と言った。まあそこから先は二人の個人的なことなので何があったかは省略させてもらおう。そしてまあそれなりに時間が経過して僕が体にタオルを巻いて缶ビールを飲みながら『遅くなってしまったなあ。そろそろ帰らないと、・・。』などと考えていた。


「ねえ、帰るの。今日泊まっていけないの。」


後ろで知的美人のすがるような声がした。


「そんな支度はしてこなかったし今日は無理ね。もう遅いんでそろそろ失礼するわ。」


「そう、分かったわ。」


ちょっとトーンの下がった知的美人の声が聞こえた。


「ねえ、あなたって本当に不思議な人よね。あなたって体は全く普通の女だったわ。でも、どうして私の男を求める触角が反応するのかしら。それが何とも不思議だわ。今も激しく反応しているの、このままそばにいてって、・・。どうしてなんだろう。こんなこと一度もなかったのに、・・。」


そう言いながら不思議がる知的美人をしり目に僕は着替えを始めた。でもこの女の本能は僕の奥底の琴線に触れて僕が男だということを感じているんだろう。恐るべし、女の本能、・・。


「ねえ、今日は帰るけど大丈夫よね。それから明日は必ず出勤してね。あなたに話を聞かないといけないことが出てくるかもしれないし、社長や室長が会いたいと言うかもしれないからね、いいわね。お願いよ。」


知的美人はもう起き上がってタオルを巻いた格好でビールを飲んでいた。帰り支度を終えて「じゃあ帰るね。」と言っても例の金属のような冷たい態度で振り向きもしなかった。知的美人の家を出ると大通りまで出てそこでタクシーを拾った。もう時間も遅くて電車で帰るのも面倒だった。車内から『帰る』とメールを送ると女土方から『お泊りかと思ったわ』と返信があった。それなら泊まってもよかったんだけどさすがに着替えも何もないんではばかられた。


家に帰ると女土方は一言、「お疲れ様」と言った。これって単純に解釈すれば定型的な挨拶だが考えようによってはかなりとげのあるというか、引っかかりのある言い方だと思った。クレヨンは、「どうだったの、どうだったの」と好奇心丸出しだった。僕は一言、「認めたわよ」と答えた。そして「ただちょっと事情があるようなので、・・どうしようか。明日話そうか」と言うと女土方が「今聞いておきたいわ」と言うし、クレヨンは、「何々、何の事情なの」と首を突っ込んでくるので「分かったわ。」と言ってコーヒーを持って来させるとさっき知的美人から聞いたことを掻い摘んで話した。


「そうなんだあ、あの女、あんなに冷たい顔して男依存症だったんだ。」


クレヨンがそう言うので僕は「あんたもそうだったでしょう。個人情報なんだから余計なことを言うんじゃないよ」とくぎを刺しておいた。


「自分だって結婚したり離婚してほかの男とくっついたり似たようなものでしょう。」


クレヨンが憎まれ口を聞いたので僕はとびかかって押さえ込んで「さあ、それじゃああんたの言う男狂いの技を思い切り見せてやろうかしたねえ」と言って体をあちこちまさぐってやったらクレヨンのやつ、息も絶え絶えに「ごめんなさい、もう言いません。」と悶えながら言うので放してやった。


「もう男狂い、女狂いの変態女、・・。」と言って部屋の隅に退避した。


「ねえ、あなたはどうなの。彼女のこと、どうしたらいいと思う。」


女土方が僕らの乱痴気騒ぎが収まったのも見極めて切り出してきた。


「会社の考え方もあるでしょうし、本人の意思もあるでしょうけど置いてあげたらいいと思うんだけど、・・。本人も続ける気があるというし、あの英語力は貴重だと思うし、それにね、・・。」


「それにどうしたの。」


「今、ここで放り出すのはちょっと情がないように思うんだけど、・・。メンタルの問題もあるしね。」


女土方がちょっと微笑んだ。


「あなたって本当にやさしい人なのね。でもそうなると『面倒見ろ』って言われるわよ。それでもいいの。」


そう言われるとちょっと考えてしまうが、まあ、そうそう手がかかりそうなわけでもないし、かわいいところもあるんだからそれはそれでいいんじゃないだろうかといかにもお気楽な男流の考え方で「まあ、そうなったら仕方がないかな。でもあなたはどうなの。」と女土方に聞くと「良いも悪いもないわ。あなたがそう言うんならそれはそれでそうするしかないでしょう。確かに仕事はできるようだし、・・。あとは会社の意思だけど、ね、・・。」と承知してくれた。クレヨンは「あんな無機質な感情のない女なんて私は絶対に嫌だからね」とか騒いでいたが、女土方になだめられて大人しくなった。


翌日、出社すると女土方から社長のところに行くように言われた。僕が社長室に行くと社長と室長が一緒に待っていた。僕は女土方にも聞いてほしいので読んでくれるように社長に頼んだところ二つ返事で了解してくれた。そこで内線で女土方に電話してこっちに来るように伝えたついでに知的美人が来ているかと聞くともう来て仕事をしているとのことだった。


女土方が社長室に入ってきたのを合図に僕は話を始めた。知的美人がアダルトに出演していたのは事実であること、それは彼女の精神的な不安定さが主な原因であることなどを手短に話した。そして知的美人の語学力と事務処理能力も現場としては捨てがたいことも付け加えた。話が終わると北政所様は社長を見た。社長は僕を見て「どうするんだ」と言った。


『どうするんだって僕に振るなよ。それはあなたが決めることだろう。』


そう言ってやりたかったが、まあ、上司から意見を求められれば仕方がないので答えてやった。


「アダルトに出演していたのは事実です。本人もそう言っていたし、左の鼠径部に小さい蝶の刺青があるのも一致します。でもそれはここだけの話で要はよく似ているという程度ですから何とでも言い繕えると思います。人間的には若干癖がありますけど彼女の語学力や事務処理能力は現場としては捨てがたいものがあります。それに病気と言うのにここで放り出すのもちょっと情に欠けるかもしれません。」


そこまで言うと北政所様が「そう言うことになるとあなたが面倒を見るということで良いのかしら」と来た。なんで僕が面倒を見るんだよ。でも行きがかり上、僕しかいないんだろうなあ。


「ねえ、あなた、彼女のその入れ墨って見たの。」


北政所様がちょっと興味本位なことを聞いてきた。


「ええ、見ました。押さえつけてパンツを剥ぎ取って足を開いて確認しました。」


僕がそう言うと北政所様はちょっと苦笑いの体で「まさかそれは冗談でしょうけどあなたならやりかねないかもね。」と言った。それを聞いて社長が吹き出したが、僕が社長の方を向き直ると慌てて体裁を繕った。



Posted at 2018/06/20 17:39:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説3 | 日記
2018年06月10日 イイね!

佐山芳恵再び、・・(^。^)y-.。o○(51)




「じゃあ、確認させてもらうわね」


僕は毛布を跳ね除けると知的美人の両ひざの間に自分の膝を割り込ませて両手で足首をつかんだ。知的美人は「きゃっ」と言う短い悲鳴を上げて体を硬くして足を閉じようと抵抗した。


「どうしたの。さっきの威勢はどこに行ったの。私の化けの皮を剥がすんでしょう。もう皮は剥がれているから思い切りやってみれば、・・。」


「ねえ、ここに来て。ここに来て抱いてよ。」知的美人のすがるようなか細い声が聞こえた。知的美人のこんな声を聴くのは初めてだった。


「どうしたの、私の化けの皮を引っ剥がすんじゃなかったの。私もあなたの化けの皮を引っ剥がしてやるわ。」


「ねえ、やめて。もっとやさしくしてよ」


まるで今にも泣きだしそうな知的美人の声に僕は呆気にとられて手を放してしまった。威勢よく脱いでしまった体にタオルを巻いてベッドの端に座り直すと知的美人を見下ろした。


「ここに来て。私を抱いて。」


泣き出しそうなか細い声で何度も繰り返す知的美人を見ていてなんだか混乱してしまった。あの冷淡でふてぶてしかった知的美人が何でこうなってしまったのか理解ができなかった。それとも何か企んでいるのだろうかとも思ったが、この際だから言うとおりにやってやろうかと思って、「あなたのそばに行って抱いてあげればいいの。」と聞いてみると嬉しそうに頷いた。一緒に横になって抱いてやると子供のように体を寄せて来る。一体どうなっているんだ。


「どうしたのよ、あなたって、・・。何時もの強気はどこに行ったの・。」


「弱気になることもあるの。特にあなたのような人に出会うと、・・。」


どういうことなんだ。僕はこの女にとってある種のヒーローなのか。まあ人間誰しも他人に寄りかかりたくなったり抱かれたくなったりすることはあるだろうけど僕はそういう機会も相手もなく突っ張り通して生きているが、そういう相手に出会える人は幸運なんだろう。


「ねえ、あなた、アダルトに出ていたの。」


僕がそう聞くと知的美人は小さく頷いた。僕は例の黒子だか入れ墨だかの辺りに手を伸ばした。知的美人はびくりと体を震わせた。


「ここね」


そう言うと小さく頷いた。


「ねえ、あなた、どうして欲しいの。」


「このまま抱いていて」


知的美人はため息のような声でそう言った。30女が40過ぎのおばさんに抱いていてもないもんだが、まあそういう気持ちになることもあるんだろう。しかし、男は言えないよなあ。30だの40になって『そばに来て私を抱いていて、・・。』なんて殺されても言えない。大体気持ちが悪いだろう。そんなおじさんがそんなセリフを吐いたら、・・。


そんな状態で知的美人からいろいろと話を聞いた。アダルト出演はもうずいぶん以前かららしい。何度も話したかもしれないが、アダルトは毛むくじゃらの男のケツが出てくるのがおぞましくてほとんど見たことがない。したがってその業界のこともよくは知らない。


知的美人によるとその世界は単体女優、企画単体、企画女優と3分類に分かれているらしい。単体と言うのはその女優のキャラだけで食っていけるものを言うそうで数えるほどしかいないそうだ。このクラスはプロダクションと専属契約で将来は普通のタレントやモデルとしてデビューすることも多いそうだ。


次が企画単体と言うジャンルでこれはそれなりに食っていける女優の一群を言うらしい。専属契約ではないので売れればいくらでも出演できて稼ぎはいいらしい。


そして企画女優と言うのはその他大勢でいくら脱いでも大した金にもならずの使い捨てと言った類だという。知的美人がどうしてこんな世界に入ったのかを聞いたら、この女、昔から男依存症の傾向があってあっちこっちでつまみ食いをしていたらしい。そんな中にこの業界の人間がいてスカウトされたという。


ただ、食うためではないのでその辺はなかなか鷹揚でまあクラスとしてはその他大勢ではあるが、それなりにファンもいるそうでプロダクションとしてはそれなりに目をかけてくれているそうだ。その辺の経過については、それはそれで分かった。


で、この女、精神的に不安定なところがあるそうだ。普段はあの強気一辺倒で他人を寄せつけないような迫力があるが、定期的に精神的に不安定になるらしい。そんなときに求めるのは自分の世界とは切り離された関係のない世界の使い捨てにできる男でそれで心に空いた空白を満たしていたようだ。今回はその役が僕に回ってきたんだろうか。それは聞かなかったが、・・。



「まあ大体の経過は分かったわ。それでこの先はどうするのよ。人間誰しも年を取って行くんだから何時までもアダルトってわけにもいかないでしょう。まああなたの語学力ならそれなりに英語で飯食っていくには困らないとは思うけど、・・。」


そう言いながらも知的美人はメンタル面でケアが必要なんだろうなと思っていた。


「あ、それからもう一つ聞きたいんだけどあなたメンタル面のケアは受けているの」


僕はそう聞くと知的美人は首を振った。


「ねえ、もうこんなことしているのがバレたんだから、私、首でしょう。私ね、精神的に弱い面があることは自覚していたわ。あなたが言うようにケアが必要なのかもしれない。もともと余計な関係を持つのが嫌いと言うか鬱陶しいと思うところがあって特定の関係を持たずに強気で生きてきたけどどうしてもそれが崩れそうになる時が来るのよ。そういう時に心の隙間を埋めるためにね。良い悪いじゃないの。私には必要なのよ。そういう関係が、・・。あなたってそんな私の触角が反応したんだから女じゃないってそう思ったんだけど、でも、見た限り女ね。で、どうするの。会社に報告するんでしょう、私のことを、・・。」


知的美人は僕に抱かれたままでそう言った。


「そうね、確認するよう指示を受けているからその旨報告するわ。でも、あなたはどうなの。うちの会社でこの先も働く気はあるの。それによっては話の仕方も違ってくるけど、・・。まあ私の判断でどうこうなる話じゃないけど社長や室長にお願いすることはできるわ。あなたがアダルトから足を洗ってこっちに専従してくれるというならそれなり話の持って行き様はあるかもしれない。あなたの語学力ってなかなかだしうちも一人辞めてしまって手不足なんでね。」


知的美人はしばらく黙っていたが、「あなたがいるなら続けてもいいわ」と言った。それならそれで話のしようもあるというものだ。


「分かったわ。じゃあその方向で話をしてみる。結果は分からないけど頑張ってみるわ。」


僕はそう言うと知的美人を抱いていた手を放して起き上がった。


「帰るの。もう用件は終わったってことね。」


知的美人は横になったままちょっと恨めしそうな眼を僕に向けた。そりゃあそうだろう。この件でどれほど長い間僕の生活が拘束されたと思っているんだ。お前のアダルトが確認できればそれで終わりに決まっているだろう。でも古来、『魚心あれば水心』とも言うからそれはお前次第でもあるんじゃないかなどと心の中で呟いてみた。


Posted at 2018/06/10 11:26:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説3 | 日記
2018年06月02日 イイね!

佐山芳恵再び、・・(^。^)y-.。o○(50)




そんなある日、たまたま仕事の区切りが良かったのでちょっと買いたいものを見に行こうと定時で退社した。女土方に先に出ることを伝えると「めずらしいわね。どうぞ、たまには早く帰って、・・。」と背中を押されるようなことを言われた。クレヨンはそんな僕を羨望のまなざしで見つめながら「いいな、私も行きたい」と言ったが、「あんたは自分の仕事をしっかりなさい」と念押しをしておいた。


更衣室に寄って荷物を取って急ぎ足で外に出るとなんと知的美人が前を歩いていた。『ああ、そう言えばぼくらが言葉を交わしている間にさっさと帰ったんだっけ、・・。』と思ったが、今日はそっちの方が目的ではなかったので特に気にも留めずに駅に向かって歩いて行くと先に角を曲がった知的美人がその先で僕を待ち構えていた。


「私に用事があるの」


待ち構えていたように彼女はそう聞いてきた。突然の予想外の出現に僕はびっくりしてちょっと言葉に詰まってしまったが、向こうから出てきたのならこの際長きにわたって引きずっている懸案事項を解決してやろうと思い、一呼吸二呼吸置いてから、


「今日は自分の用事で早く出たんだけどせっかく巡り合ったんだからちょうどいいわ。あなたに聞きたいことがあるの。そちらの都合はどう、・・。」

と聞いてやった。


「ずいぶん前からあなたが私を探っているのは知っていたわ。そちらがいいなら話を聞くわ。どうする、その辺で話す。それとも私の家に来る。」


知的美人は一応選択肢を用意して見せたが、目は『私のところに来なさい』と言っているようだった。


「あなたの家で良いならその方が都合がいいかも。ちょっと込み入った話になるかもしれないから」


僕がそう答えると知的美人は黙って先に立って歩き始めた。そしてそのまま地下鉄に乗ると知的美人の自宅へと向かった。地下鉄に乗っている間はお互いに無言だったので女土方宛に知的美人と遭遇して彼女の自宅に行くことになったことをメールで組んで駅に着いた時に送信しておいた。女土方からはただ「了解」と言う極めて短い返信が来ただけだった。僕も女土方の気持ちを思うとちょっと複雑な気分だった。知的美人は「ちょっと待って」と言って駅の近くのスーパーに寄るとビールやらつまみのようなものやらあれこれ買い込んできた。


「話が長くなると間が持てないし、お腹も空くからね。」


知的美人はらしからぬことを言った。こいつは話の内容を知っているんだろうか。そんなこんなで知的美人のあっけらかんとした飾り気のかけらもない部屋に着いた。


「どうぞ、適当に座って。私はちょっと着替えさせてもらうから。」


そう言うと知的美人は僕の前でさっさと来ていた服を脱いで部屋着に着替えた。


「あなたも着替える。着るものならあるわよ。」


知的美人は僕を振り返った。


「いえ、これで大丈夫」


僕がそう言うと知的美人は、「そうね、あなたって着るものは素っ気ないほど飾り気がないからね」と言って笑った。それから知的美人は台所の方に行くと買ってきたつまみの類を皿に開けてビールと一緒に持ってきた。皿の上にはチーズやサラミ、ポテトチップなどおっさんの飯場会のようなつまみが乗っていた。


知的美人はテーブルの前に胡坐をかいて座るとシックスパックのビールを1本取り出してプルトップを開けて一口飲んでポテトチップをかじって「ああ、うまい」とこれまたオヤジのようなことを言った。そして「あなたも飲めば」と言ってビールを押してよこした。


『こうなったら何が何でも今日は決着をつけてやる。』


僕は心の中でそう意を決しながらビールを1本取ってプルトップを開けると一口飲んだ。ビールは最初の1本くらいはそう不味くはない。そしてベビーサラミをつまむと包装紙を取って口の中に放り込んだ。


『もう何時までもあれこれ遠回りにやっていても仕方がない。正面突破で切り込むか』


そう腹を決めるとサラミを呑み込んでから口を開いた。


「以前、あなたに聞いたことがあったわよね。用事と言うのはそのことなの。あなたがアダルトに出演しているんじゃないかって噂があるの。個人的にはあなたが何をしようと私はかまわないわ。そんなことに口を出すつもりもない。でもうちの仕事って教育関係なのでその辺との兼ね合わせでまずいという意見があるの。でもね、微妙な問題なんでこれまで何とも切り出し難かったけど何時までもごうごう巡りをしていても仕方がないし、ちょうどいい機会だからと思って、・・。」


知的美人は何も答えずにビールをぐっと飲み込んだ。そしてポテチをかじった。それを何度か繰り返して缶が空になったところでそれを握り潰してテーブルに置いた。そして僕の方を向き直ると「自分で確認して見れば、・・。」と言って挑発でもするように笑った。こうなれば仕方がない。古来から『据え膳食わぬは男の恥』と言うではないか。だったらいただこう。そう腹を決めてからビールを一口飲み込んで僕もポテチをかじった。


「分かったわ。じゃあ、シャワーを使わせてね。そしてタオルと着替えも貸してくれる」


そう言ってビールをテーブルの上に置いた。知的美人はちょっと呆気にとられたように僕の方を見ていたが、意を決したのか、立ち上がると衣装ケースからスエットとタオルを引っ張り出して僕の前に置いた。


「先に使って。私は後でいいわ」


知的美人は腰を下ろして2本目に手を出した。こうなると僕の方も元、うーん、今もかなあ、男の血が騒ぎ出す。サラミを食ってポテチをかじってビールを一口飲み込むと立ち上がった。


「じゃあ、先に使わせてもらうわね」


そう言ってユニットバスの中に入った。そしてシャワーを開けると手早く服を脱いで必要最小限体を洗って知的美人が貸してくれたスエットに着替えて部屋に戻った。


「どうぞ」


僕がそう言うと知的美人は缶ビールを持って「そんなに慌てなくてもいいじゃない。時間はたっぷりあるわ」と言いながらビールを飲んだ。こいつも何だかんだ言っても一応女の格好をしている僕と絡むのはやはりためらいがあるのかもしれない。


「大丈夫、私も一応女よ」


僕はちょっと知的美人にちょっかいを出してやった。


「女かどうか、あなたの化けの皮を剥いでやるわ」


知的美人は挑戦的な視線を向けてきた。化けの皮を剥いでもらってもいいが、どこをどう剥いでも生物学的には女しか出てこないのでがっかりするだけだと思うが、まあ、それはそれでいい。それはこの女自身の問題だから、・・。


そんな状態でしばらくはお互いに黙ってビールを飲んでいたが、知的美人は3本目を飲み終えて缶をテーブルに置くと立ち上がった。そしてタオルをつかむとユニットバスに向かった。しばらくシャワーの流れる音がしていたが、シャワーの音が止むと知的美人が戻ってきた。そして僕に顎でベッドを示した。


「あ、ちょっと待ってね。歯磨き、・・」


僕はそう言って洗面所に駆け込んでささっと歯を磨かせてもらって戻ると知的美人は戦闘態勢でベッドに横になっていた。僕も腹を決めているのでもうためらいはない。こっちもスエットの下は戦闘態勢だ。僕はベッドに腰を掛けるとスエットを脱いで知的美人を振り返ってちょっと微笑んで見せた。


Posted at 2018/06/02 17:23:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説3 | 日記

プロフィール

「嫁の遺体を親子で実家の庭に埋めたって、・・??、・・(^。^)y-.。o○。 http://cvw.jp/b/110820/41743207/
何シテル?   07/20 16:45
ntkd29です。CB1300スーパーボルドールに乗ってとうとう5年目になりました。CB1300スーパーボルドール、もう手放せない相棒になりました、。。(^。^...
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外観 これはもう好きか嫌いか個人の好みだろう。ローブとエクスプレイの顔つきは品よく言え ...
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