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2011年08月15日 イイね!

大連立是か非か、難しい選択だが。

民主党代表選で、自民、公明両党との大連立を巡る議論が活発化してきた。ただ、民主党内には自民、公明両党との政策的な距離から「たやすいことではない」(玄葉光一郎国家戦略担当相)という意見は根強い。有力候補の野田佳彦財務相に呼びかけられた自公両党も慎重姿勢で、代表選後にどこまで大連立構想が現実化するかは不透明だ。

玄葉氏は15日の記者会見で、大連立が望ましいと強調したうえで「周到な準備をして、話し合いをして進めていくことが必要だ」と指摘した。党政調会長を兼務する玄葉氏はマニフェスト見直しをめぐる3党合意の交渉当事者。政策のすり合わせが困難なことを熟知しており、野田氏の前のめりな姿勢に懸念を示した。中間派の高木義明文部科学相も「一つ一つの政策課題を協議するなかで形がうまれていく」と述べ、個別の政策で協力を探る部分連合から始めるべきだと指摘した。

野田氏は、小沢一郎元代表らの「バラマキ路線」よりも、財政規律を維持する方が自公両党に受け入れられやすいとみている。特に「10年代半ばまでに消費税率を10%まで引き上げる」とした税と社会保障の一体改革では、税率10%をマニフェストに明記した自民党の協力を得たい考え。マニフェストの更なる見直しにも積極的だ。

しかし、消費増税やマニフェスト見直しで連立交渉に入るには、まず民主党内をまとめるというハードルがある。さらに、自公両党は復興増税には慎重な姿勢で、菅直人首相が打ちだした脱原発や、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)などの重要課題で連立協議をまとめるのは困難とみられている。

党執行部が想定する、28日の代表選実施、月内に首相指名の場合、政策協議を短期間でどこまでできるかも未知数。このため、連立協議を消費税をめぐる大枠の考え方や選挙制度改革などに絞り、期間を1年程度に限定する案を前原誠司前外相らが主張している。

自民党は東日本大震災の復旧・復興で次の民主党政権との協力に前向きな姿勢を示しているが、大連立には慎重だ。党内では特例公債法案の成立に向けて民主党と妥協したことへの不満もくすぶる。次期衆院選での政権奪還戦略にもかかわるだけに、自民党から新政権に歩み寄る可能性は低いとみられる。

谷垣禎一総裁は15日、東京都内で記者団に「大連立を組むのはまさに例外中の例外であるべきだ」と改めて大連立に否定的な見解を示した。石破茂政調会長は毎日新聞の取材に、子ども手当見直しや再生可能エネルギー固定価格買い取り法案の修正で民自公3党の協力が進んだことを挙げ、「今の体制ではなぜだめなのか明らかにすべきだ」として、閣外でも一定の協力は可能だと指摘した。

大連立に踏み切れば次期衆院選が遠のくため、09年衆院選の落選者を中心に執行部批判が噴出する恐れがある。最大派閥・町村派の10日の会合では、大連立反対論が大勢を占めた。同派の稲田朋美衆院議員は15日、「(民主党は)首相を退陣に追い込むためにマニフェストを捨てた。そういう政権に免罪符を与えるわけにはいかないので、大連立には反対だ」と記者団に語った。

こうした党内の空気を反映し、自民党幹部は「連立を組むなら、衆院選の時期と、それまでに処理すべき政策課題を明確にする必要がある」と、大連立の条件をつり上げた。

一方、公明党の山口那津男代表は15日、都内の街頭演説で「(高速道路無料化などの見直しに関する)3党合意を基にして、しっかりと実現、実行していくことが求められる。最初の試金石が11年度第3次補正予算案だ」と3党の協力体制構築に意欲をみせた。ただ、大連立については「具体的に意思決定をする段階ではない」と記者団に述べ、民主党代表選の行方を見守るとした。

民主にも自公にもそれぞれさまざまな問題があるようだ。ただ、政策的に相当な隔たりがあるのだから口で大連立というのは易いが、実際にそれをまとめるとなると大変なことだろう。また、今ここで大連立というのも少し時期を外したんじゃないだろうか。

本当に大連立が必要な時は大震災直後からこの秋口辺りまでだろう。その時期はバ菅が見事に潰しまくったので、この先に大連立というのもやや時機を逸したというべきじゃないだろうか。震災もある程度落ち着いて来たようだし、原発もまだまだ危ういとは言ってもそれなりに収束へと向かっている。

今後は復興予算のねん出や電力問題、財政健全化問題などだが、これらは中期あるいは長期的な問題で次の選挙の争点にもなりそうな問題だ。敢えて今もめるのを承知で大連立肉飼わなくとも個々の問題ごとに合意形成をしていけばいいのではないか。

次の総理は野田氏だろうが、派手さはないが、比較的現実派の実務型政治家に見える。実務型の政治家であるがゆえに政治の実効性を上げるために大連立を望むのかもしれないが、政党政治の実を上げるためにはそれぞれの政党が独自の政策を掲げて切磋琢磨することが望ましいのではないだろうか。
Posted at 2011/08/15 23:37:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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