
名車RX-7、その中でも未だに人気の高いFDは製造終了から9年の時を迎えようとしていますが、状態のよい中古車を選びたいというのは当然のことでしょう。
最終型の6型ですら、修理歴があったり過走行であるなどといった理由で解体されてしまう運命にある個体も出始めている上に、元々走りのためにあるような車なのもあってか、事故(修理)歴のない車を探すのは大衆向けの一般車と比較しても困難であると思われます。
巷では極力製造されてからあまり期間が経過してなくて、走行距離の少ない後期型の方がいいよ…とか、初期型は年式的にトラブルを抱えている個体が多いのでは…などという話をよく耳にします。
しかし、そんな噂話に
「待った!」をかける事実が存在しているということをご存知ではない方々も多いのではないでしょうか。
FDは91年秋の発表からマイナーチェンジされ続け、02年夏までの約11年もの期間に亘って製造されたのですが、マイナーチェンジと同時にコストダウンという名の改悪が行われているということ…このことについては内装パーツの質が落ちている点を取り上げている方々を頻繁に見かけますが、同時に重要な部分=車体本体の耐久性や剛性に直接関係する部分の質が低下しているということに触れている方々はあまりにも少なすぎるのが現状です。
車体表面の塗装に関しては、特に赤系の色は手入れをちょっとでも怠ると色あせやすいのですが、それが後期型になるとそういった個体が増える(但し、オールペンされてたら分かり辛いが…)というのも時々耳にするものの、肝心の車体の強度や剛性に最も影響してくる部分や電気系統に関して触れられている方は更に少ないと思います。
質が低下してくるのは当時のマツダの経営状況にほぼ比例しており、米国フォードの傘下に入ったあたり=97年半ばから低下しているのが謙虚に見られるといっても概ね間違いではないのかもしれません。
厳密に言えば1型から順を追う毎に細かい部分、例えばウォーターポンプ周りがプラスチック→ダイカストへの変更、ガスケットが紙製→金属製に変更されるなどの対策品に差し替えられていくものの、使用しているボルトは逆に錆び易いものへと変わっていったり、または製造時に於けるネジ類の締め付けトルクにばらつきが増えてくる=個体によってはボルトが完全に緩んでしまって外れるなどといったものもあるようです。
6型にもなればフロアパネルの最も厚い部分が5型までと比較すると約2/3に薄くなったものが組み込まれ、防錆処理をしっかり行っていた前期型とは違って後期型では防錆処理の時間を短縮=コスト削減のための手抜きが行われており、さらにその部分は冷房を使用すると水が流れる構造になっているが故に、無事故車でも予想以上の錆が浮いている…なんて話もあります。
高張力鋼を使用しているそうですが、板金を長年やってきてる職人の方々からも元の状態よりも剛性が低下しているのは否めない…だそうです。
航空機の設計・開発関連の学部出身の俺から見ても激しく同意できる意見です。
電気系統もブロアモーターやオルタネーターのブラシ、コミュテーターの研磨加工が手抜きされていたり、プラグコードが繋がっているコイルのトラブル発生といった話も、あまり距離を走っていないはずの後期型でも意外と多く存在します。
ガスケットやボルト、ゴムパッキンやバキュームホースなど関しては交換が可能ですが、車体本体は交換するにも、ね…恐らく5型や6型からエンジンやECUを1~3型あたりの車体に移植するといった大掛かりな改造を施す方がいらっしゃるのも単なる排気ガス・マフラー音云々ばかりではなく、そういった事情があるのかもしれません。
修理箇所が多くて税金が多くとられるものの、フレーム自体の剛性が強く、防錆処理も比較的しっかりなされている1~3型・4型の初期の個体を選ぶか、フレーム自体の剛性は前期型より低下しているが製造されてからあまり期間が経過しておらず、税金が割り増しになっていない後期型を選んで、ロールケージ組み込みや溶接増し・オールペンで前期型純正のものよりも大幅に剛性を向上させるかはあなた次第…といった感じですね。
Posted at 2011/06/06 01:56:34 | |
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