2011年05月31日
ジェットエンジンの概要
広く実用されているジェットエンジン(ターボジェット、ターボファン、ターボプロップ、ターボシャフト)は原動機にガスタービンエンジンを使用しているので、内燃機関としての仕組や熱機関としてのサイクルもそれに準じている。すなわち作業流体・酸化剤として外部から取り込んだ空気を圧縮機で加圧し、燃料(主にケロシン)と混合してブレイトンサイクルの下に連続的に燃焼させ、その燃焼ガスによるジェットの反動そのものを推力として利用したり、羽根車(タービン)を用いて回転力を生成しプロペラやファンの揚力に変換し推進力にする。そして回転力の一部は圧縮機を回転させる動力となり、自身の持続運転に使われる。
ガスタービンエンジンは(レシプロエンジンの間欠燃焼と異なり)連続燃焼による連続回転機であるため、連続的なジェットガス生成用の原動機としても最適であった。もしジェットエンジンを間欠燃焼で作るとレシプロエンジンを原動機に使うまでもなくパルスジェットを実現できる。
上記ガスタービン型の航空用エンジンに加え、エアブリージングエンジン(作業流体および酸化剤として空気を吸入・排出する内燃機関の総称でレシプロエンジンも含む)の内、何らかの方法で空気を圧縮して燃料と混合し、燃焼後に高速の排気流を得て推力とする機関(ラムジェット、パルスジェット、モータージェット等)もジェットエンジンとして言及される。このうち圧縮機やタービンを用いず燃焼ガスをそのまま出力として利用するラムジェットとパルスジェットはガスタービンエンジンに対してダクトエンジンに分類されることもある。タービンの入り口温度が限界に達しているために、今より高効率、超高速ジェットエンジンを目指す手段として再び注目されている。
なお空気燃焼以外でジェット流を生み、その反動を利用する推進装置にはロケット(非エアブリージングエンジン)や水中翼船用のウォータージェットなどもあるが、それらはジェットエンジンとして言及されない場合が多い。発電用もしくは船舶や戦車の動力として航空用ガスタービンエンジンが転用される事例も多いが、それらは回転力を利用するだけなのでジェットエンジンとは呼ばれない(単にガスタービンもしくはターボシャフトと記載される)。
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Posted at
2011/05/31 21:19:50
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