アライメント調整は、道具より人(注意喚起含む)
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作業をする人間目線で記すので気分害されたらごめんなさい。先に謝ります。
札幌には、アライメント調整という意味では有名な店舗が3店舗ほどあります。
使用している3Dテスターは三店舗とも同一メーカーです。
このアライメントレポートは、昨年7月にそのうちの一つの店舗にて作業依頼をしたレポートです。
私の車輌は、フロントがピロアッパーの車高調、リアはフルアームです。
そして、作業前にお願いしたのはタイヤをとにかく面で使えるように調整してほしい!と伝えました。
その結果がコレです。
アライメントが真に分かる方はこのレポート見たらどう思うでしょう?
あえて何も言わなかったですこの時。
自分もよく分かって居なかったというのも当然ありますが。
調整前は車高を整えたたのでかなりの狂いがあったのは承知ですが、調整後(昨年から今年まで)3000km程走行しましたが、特にリアの内側が見て分かるほどに段減り症状出てきました。
こんなバラバラな調整でもスラスト角は出てるので直進する分には大きな問題ないから普通に走れるんですよねぇ
ただ、ハンドルセンターはちょいズレてた。
そんな折、ついに自社でも測定・調整出来る状態になったので、自慢の有能社員に手取り足取りしごかれながらセッティングしました。
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見覚えある方、多いと思います。
メープルスポーツの、あの測定ツールです。
うちは、テスター使いません。
というより、最初は3Dテスターをいつか導入すべく、アナログな方法でアライメント基礎から構築していき、収益を上げられるようになってきたら、テスター買って!!とお願いしようと考えていたのですが、今となっては、この測定器と社員謹製のトー測定器具で、テスターと同等以上の精度で測定・調整が出来るようになった為当面はこのままアナログ方法で行きます。
理想は3Dとアナログの両方使いが一番なんですがね。
写真は左リアの、最初の測定状態の数値です。 たった一年でキャンバーが1°狂うかなぁ…… ん~~
右後ろも然り
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メインはアッパーアームを伸ばしてタイヤを立てる方向に持っていき、同時に出面も整えていきます。これでやっとホイールの引っ込みがなくなりました。
ロアアームは微調整くらいしかいじらず。
アッパーを伸ばしたことで車高が上がるので、スプリングはプリ抜き。全下げにしても元よりも高い状態。
調整後
左右0.6°にセット 基準値は無視
このあと、トーの調整 これはトータルト― イン2mmにセットしつつ、スラスト角も当然きっちり出します。
4
フロント
測定後、キャンバー調整
私は従業員に本当に恵まれている。
チャチャチャっとやってくれました。
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キャンバー調整後は左右1°に
トーは、トータルトーイン0.5mm
キャンバーが起ききらないので、トーを緩くセット。
写真1のレポート見ると分かる通り、昨年依頼したところでは調整していなかったですね。
ボンネットフード開けて、この車輌はピロアッパーだから調整出来る!と確認すらせず、最初から調整出来ない車高調なんだと決め付けて作業したのでしょう。
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フロントトー調整
リアのスラストをしっかり導きだすからこそ、フロントもそれに合わせ調整出来るのです。
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完成。
フロントは235/35R19
リアは275/30R19
フロントもリアも目いっぱい使えるセッティング。
終了後、一番感じたのは路面に張り付くかのような強い接地感
コーナーで安心してアクセルを踏める。
セルフステアも強くなりました。
なんといえば良いか…ドイツ車を自分の手でしっかりと操縦しているんだ!という確かな感覚がタイヤから足回り、シャシーを伝いハンドル、そして自分の体に伝わる感覚? 評論家じゃないから難しい。
タイヤの性能をフルで発揮できる状態なのでロードノイズ(パターンノイズも含むかな?)も減少します。
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メープルスポーツ(イケヤフォーミュラ)の測定器は、この製品の本質と、アライメントの根本を分かって居ないと使いこなせません。決してお手軽だとは思いません。
YouTubeでも結構動画上がってますが、殆どの方使い方分かってません。参考にしないほうがいいです。
これがアライメントリフトがあると調整も出来る様になります。
非常に優秀な測定器です。
ではテスターが100%いいか?
と言われれば答えはノーだと思います。
あれはあれで誤差があります。
しかも測定器具である以上定期校正が必要です。
各ショップがどれだけの頻度で校正(依頼)掛けているのか分かりませんが、もしあなたの車が校正直前の時に測定・調整されたものだったらどうでしょう?
この時点できっちりと数値出ていない可能性大ありです。
コダワリショップは自前で校正ツール買い、数台毎に校正するところもあるみたいですがそんなのは稀です。
それに、テスターは私の知っている範囲ではタイヤの外径は考慮されていないはずです。
うちの従業員は言います。
例えば『トー』
大体のテスターはホイールにクランプし、回転させ補正していきますが、トーというのはタイヤの外径で測定されるべきだと。
同じ17インチでも、215/45R17と235/40R17だったらタイヤ外径が変わってきます。。
それをホイール基準で測定していたら誤差が出るのではないかと?
ホイールが大きく歪んでいたらどうでしょう?
総走行距離は10,000kmなのか、100,000kmも走ってきた車輌なのか?
そうなると、ブッシュ類のヘタリ具合も全く違います。
足回りが全て純正であれば別ですが、社外品入っていたりタイヤサイズが変わっていたらもう既に、テスターが示す数値が絶対と思っている作業員が大好きな『メーカー基準値』はあってないようなもので、目安にしかなりません。
アライメントは現車セッティングで、オーナーの走る・曲がる・止まるを希望通りに近づけるのが本来の役目だと思います。
アライメントやってるショップ、は沢山ありますがしっかりと分かって作業しているショップは僅かでしょうね。
それは自車を以てよく分かりました。
そして、アライメント調整の先の領域はアライメントジオメトリーですね。
うちの従業員はサーキットもしょっちゅう行き、セッティングは鬼のように詰めるしラジコンもやっているので『アライメントジオメトリー』に関してはかなり明るいです。言う事やる事全て的を射ていて、その知識と技術には感嘆に値します。
レーシングチームはなぜ糸でセッティング出すのでしょう? テスターというものが存在するのにわざわざ、です。
ここに答えがありそうですよね。
本州はすごいショップばかりですが、ホームページにアライメントの事を載せ、さすがだなぁと思うショップは、大阪のテ○○エ○さんです。
自分がこの近辺に住んでいたら間違いなく、車の事お願いしたいショップ。
知識も技術もすごいと思います。
話がずれた。
最終的に何が言いたいか、アライメントは本当に信頼できるとこで作業依頼してくださいということです。
※補足
車の事にあまり興味ない、一般の方相手に理解してもらうのに少々難儀するのが『車検の時にディーラーでアライメントしてもらった』と言われる方。
ここで言うアライメントは9割方サイドスリップ調整のことなんです。
更にはこの時にフロントのトーを作業員の手によって狂わされることもしばしばあります。
実例として、新車でノアを購入したお客さん。 最初の車検迄の三年間タイヤは偏摩耗なく綺麗に減る。
ところが二回目の車検を通してから、フロントタイヤ片輪の内側が極端に減るようになってしまった。
訝しげに思いつつも、更に三回目の車検を通した直後にタイヤ購入とアライメント測定依頼でうちにご来店。
測定するとフロントのトーは一切狂いなく理想数値。
このことから二回目の車検時、サイドスリップ検査でNGとなりメカニックがトー調整。 サイドスリップ検査は通るけど、数値としてはトーイン過大になってしまう。
三回目の車検時に再調整され運良く理想数値になった、というように想像出来ます。
その根拠はタイロッドに工具を掛けた形跡があったからです。
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