
この件は、WBC創設時から日本側で問題になっていますが、海の向こうの報道では、かなり違いがあります。以下、海の向こう側の過激な見方。
1. WBCは日本人プレイヤーをMLBに売り込む絶好の機会であり、ただで参加してもよいほどである。事実、WBC以降、日本人MLB選手が増えたではないか。
2. 国内では日本人選手はストライキなどが現実的には出来ないため、WBCを人質にとって、経営陣と交渉し、自らの報酬の引き上げを狙っているセコイ奴ら。
3. 米国ではMLBは33%を受け取っており、日本は13%と報道されている(国内報道では米国66%となっている。正確にはMLBが33%、MLBPA(MLB選手会)が33%。残りの34%が他の参加国間で分配され、日本は最高の13%を受け取った)。
4. MLB所属の日本人選手で日本チームを作ったらよい。独立リーグや高校生でも。
日本選手会の主張が全くといってよいほど、伝わっていないようですね。意図的?
日本に対して好意的な見方もあります。しかし、全体としては、悪意や、残念だけど仕方ないという意見が多いようです。
殆どの日本人はWBCを見たいと思っているだろうし、私も同じです。しかし、プロ野球選手は個人事業主でもあり、事業主としての正当な権利を放棄させてまで、参加を強制することは適切ではないように思います。プロスポーツ選手の大部分は、現役時代は(一部の選手は)高給でも、怪我をすれば明日は…という身分であり、不平等な報酬配分の試合に継続して参加を強いることは、酷ではないですかね。
少し気になることは、国内報道で、WBC売上の70%は日本からと言われているにも関わらず、海外では40-50%程度との記載がされています。B&Dのような調査会社から信用調査情報を買えば、この程度の基本的な情報はすぐに判明するにも関わらず、大新聞を含めてしていないようですね。上記の利益配分に関しても、必要経費を差し引いたものですから、どれだけ経費計上されているか、恐ろしい。WBCIの事務所はニューヨークの一等地にあることだし...。
MLBの選手から見るならば、大部分の一流選手は参加していないことから、WBC参加に名誉や経済的価値を感じていないのは明らかです。また、MLBチームのオーナーにとっては、自分達の市場性を将来的に拡大させる場合(MLBのTV放映権が高く売れる等)、あるいは現在のように開催毎に追加収入が得られるのでなければ存在意義がありません。
なお、MLBに続いてNBAも同様な世界大会の設立を予定していますが、その場合でも、米国中心であり、そのロジックはWBCに類似しているようです。すなわち、お金の分捕り合戦。
以上を踏まえるならば、WBCの背景にある金銭的な利害関係を整理することがない限りは、2013年は日本の不参加でWBCが開催され、赤字決算となる。その結果、MLBステークホルダーへの配分金が少なくなり、インセンティブが低くなる。そして、次回以降は開催されないという事態に陥るのではないでしょうか。
個人的にはWBCがなくなれば、オリンピックで再度、野球を正式種目にしようという動きが加速されるのではないかと思っています。
追記(2012/09/04)
日本の参加決定。
日本の全てのスポンサーが侍ジャパンをスポンサーし、WBCIをやめた場合は、WBCIが資金不足となり、新たな問題が生じますね。もちろん、韓国や台湾も真似するでしょう。そうしたら、WBCIは成立しなくなる。はたしてどうなることやら。
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2012/07/26 16:36:02