
恐ろしい本を読みました。世界経済を予測した本ですが、本著で予言されたことが、120%現実のものとなっている。経済に関してこれほどまでに慧眼をもっている人物が存在することを初めて知った。結論を先に書くならば、世界経済は急速に破滅に向かっており、その破滅の程度は、人類の歴史上で経験したことのないレベルの衝撃波となって国、人々、文化に襲い掛かるというものです。全てが破壊された後に何が残るか、そして、何が生まれるかも予言しています。エレミヤの予言の書以上の内容です。
残念ですが、日本は世界で最も救いようがない国であるとされています。もっとも、先進国の財政で一番危険な自転車操業を行っている国なので当然といえば当然。
米国の有名な経済学者のガルブレイスが書いた唯一の小説を思い出しました。その中で、「ユーフォリア」という概念が書かれていました。すなわち、経済というものは必ず過熱に向かい、バブルは必ずはじける。そのタイミングを計算できるコンピューター・アルゴリズムを開発するならば、世界の富を独占できる。
THE FINAL CRASHの中でのユーフォリアは借金で、今の世の中は消費が美徳となっており、消費のために借金をする。その結果、世界全体の借金の総額は世界GDPの800%に達しており、それを覆い隠すために、誰にも理解不能な複雑なシステムが構築されている(特にデリバティブ)。このようなシステムに持続性がないのは明らかであり、現在の借金のレベルは人類が経験したことがないほど高いものなので、それは、THE FINAL CRASHという形で現れる。
なお、2007年発行ですが、原著は廃刊になっており、アマゾンにて古本が5万円前後で取引されています。
追記:
上述したように原著は英語で書かれており入手困難ですが、日本語版がでています。正確には、原著をもとに解説を加えた本。作者は石角莞爾で、出版社は朝日新聞社です。1,600円。
追記2:(10/4)
日本語で出版されている石角氏のファイナル・クラッシュは、Hugoの伝説の本と同じタイトルで、多数の引用がなされていますが、メッセージは異なっているように思えます。オリジナルには、実際に数千億円あるいはそれ以上の資金を動かしている人物(一説によるとロスチャイルド家の資産運用を担当している)だけが身に着けることが可能な迫力がありますが、それが失われている。そして驚いたことに、Buno氏の英語のオリジナルの本が、日本で海賊版で売られている!(その可能性高し)。
追記3:(10/5)
Buno氏に電子メールを送信し、現在の状況を説明しました。返信があり次第、報告します。
追記4:(10/5)
彼にメール送信後30分以内に返事ありました。外出中なので、帰り次第、詳細な返事をするとのことです。
追記5:(10/6)
彼のオリジナルの本を翻訳し、さらには彼の最近の著作を加えて日本で出版することで合意が成立しました。出版社および出版日が決定次第、ご報告致します。年内に出版出来るように頑張ります。
追記6:(10/9)
The Final Crash 2を上梓することになりました。
Posted at 2011/10/04 13:56:46 | |
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