
コンコンさん
小さい時の思い出です。
実家が事業をしていた関係で、占い師や霊媒師などが家に出入りすることが頻繁でした。ある日、親戚一同が集まっている会合で、占い師が皆の前で突然、顔つきがキツネに変わり、「コンコン」、「コンコン」と遠吠えを始めました。するとそばにいたばあやが、「おキツネ様がいらしたから、ご要望のものをお出ししなさい」と言いました。近くにいたおばさんは、動揺しながら、「何がお入り用でしょうか」と聞きました。すると、おキツネ様は、「御神杯がほしい」と言いましたので、すぐにお持ちすると、一気に飲みあげました。そして、部屋の外にキツネのような歩き方をして出て行きました。その後、一族の事業は崖を転げ落ちるように崩壊し、ほぼ全てを失いました。キツネにつかれると孫7代まで取りつかれるといいますが、本当だったかもしれません。まだ孫2代、3代なので、因果応報が続くと困ります。
キツネは別の時にも遭遇しました。小生が小学生の頃、真冬に大吹雪となり、周りは白一色になりました。ものすごい吹雪で、路は分からなくなり、あまりの怖さに萎縮して立ちすくんでいました。すると、淡い明かりが見えました。そちらに吸い寄せられるように歩いていくと、それは一筋の明かりで、キツネが行燈をもっていました。先頭には白無垢を着たキツネがいました。キツネの嫁入りです。子供心に不思議に思うと同時に恐怖心などは一切持たず、一行の後についていくと、いつの間にか家に到着しました。あとで思い出すと、帰って来た道はお墓の中でした。この件の後は、特に不思議なことも不幸も起きていません。
しかし、小生の人生はいまだにアップダウンが激しいことを考えると、まだコンコンさんにつかれているのかもしれません。
Posted at 2011/12/14 21:17:21 | |
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