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2014年09月22日

黄昏の信州・十石峠(標高1250m)を攻める

黄昏の信州・十石峠(標高1250m)を攻める 9月の『流されゆく日々』よ《その2》


 9月12日、金曜日の午後になって、「発作」的に受け取ったばかりの三菱アウトランダーPHEVで「関越」から「上信越」へと自動車道を乗り継いだのはいいが、富岡ICを過ぎ、妙義山の異容な佇まいに目を奪われないようにセーブしながら、大小のコーナーを抜けていた時、電気の残量がゼロになったり、①になったりしているのに気がついた……というのが前回までの舞台設定だった。

 横川SAが近づいた。アプローチ路から真っ直ぐ、珈琲ブレーク抜きでガソリンスタンドへ。

「急速充電、お願いできますか?」
 近づいて来たスタンドマンに声をかけたところ、素っ気ないけれど、どこか温かみのある答えが帰って来た。

「ここにはまだ設置されてないんだよね。どこまで行くの? 佐久? じゃあ佐久平のAEONモールだね。あそこへ行けば大丈夫、充電できるはずだよ」


*ツインモーター4WDという革新的な武器をどれくらい駆使できるのか? なかなか、でした。


 ま、いいか。ツインモーターのEVに頼らないで、2ℓのMIVECエンジンで走ればいいだけの話じゃないか。つまり、アウトランダーで高速走行しながら、必要に応じてバッテリーを充電するという「パラレル走行モード」を楽しんでやればいいのだ。そう思い直して、電気残量ゼロのまま上信越自動車道に復帰した。

軽井沢・碓氷ICを過ぎたあたりから、長いトンネルがうねりながら連続する。日暮山トンネル、八風山トンネル。ひたすら、アクセルを踏みつける。なんだかクルマが重い。やがて右脚の脹ら脛(はぎ)に異常を感じはじめた。どうも、アウトランダーPHEVとうまく折り合いがついていないようだ、と気がついた。

 まず、車速が制限速度(上信越は80km/h部分がほとんど)を超えるあたりから、エンジン走行をしながらモーターがアシストする特典が、失われてしまう。だから、やたらとクルマを重く感じてしまったらしい。


*パワーメーターと回生レベルセレクター(パドル式)


*ジョイスティックタイプのセレクターレバー


 つぎに、こちらが勝手に、ステアリングに手を添えたまま、指先でパンパンと+と-のそれぞれの領域に見合ったパドル式シフト操作を試みたつもりが、いっこうに効果がない。加・減速にメリハリがない。首をひねっていると、やがて、ハタと気づいたのである。

 トランスミッションへの伝達セレクターだと勘違いして、回生レベル力の切り替え用のパドル式セレクターをパタパタやっていたのだ。確かに左手を使う-(マイナス)側はメモリの数字が「B5」まであって、シフトダウンしている感じがなくもない。そのはずだった。回生ブレーキ力が最も強く働いているのだから。その逆が右手の+(プラス)側。「B0」では回生ブレーキ力が働かないから、アクセルを離しても慣性走行となり、どこまでも進んでいくような不思議な感覚に襲われる。

 やむを得ない。コンソールの真ん中にあるスティックタイプのセレクターレバーを「D」にセットして、アクセル操作に忠実に応えてくれるモードを選ぶとするか。

 そんなことをチェックしているうちに、佐久ICに着いてしまった。下の道に降りる。ここで急速充電に取りかかれば少なくとも30分はかかるだろう。その上、AEONモールを探さなければならない。これでは心づもりにしている二つの目的地を、明るいうちにクリアできるかどうか、怪しくなってきた。時間が足りないのだ。
 そこで充電をあきらめて、最初のターゲット、十石峠へ向かうことにした。時計の針は、16時を指していた。


*NIKON D5200が撮影時間を記録してくれていた。「9月12日 16:55」と。時間が足りない!

佐久市内を抜け、141号線を千曲川沿いに南下、やっと海瀬の町に。目の前に「十石峠」は左折せよ、と指示する標識が現れた。そう、この299号線をひたすら東上すれば信州側の十石峠にぶつかる。その道は十石峠を越えると武州街道とよばれ、秩父へとつながっているのだ。黄色に染まった稲田のむこうに険しそうな山並みが待っていた。

 十石峠まで20キロ足らず、か。20分で着くだろうか。日が傾くまで、まだ時間は大丈夫のようだ。
 
 臼田の町を抜けると、秋の気配が深くなり、やっと1台が通れる程度の山道にさしかかる。張り出した灌木の枝が時折、サイドミラーに弾かれ、チッと歌いかける……。途端に、アウトランダーが本来の野性を取り戻したかのように、4WD 車特有のたくましい走りっぷりで、峠の頂をめざして、グイグイと駆け上っていくのだ。
 


 前が開けた。下りの対向車線分が加わって、道は2車線分に変わった。これなら、大胆にコーナーの奥にノーズを合わせて行ける。そう喜んでいると、それぞれのカーブにナンバーの刻まれた標識が建てられている。NO.15、No.14.No.13……と。思い出した。これは富岡から甘楽、小幡を経由して、御荷鉾山を攻略しながら、北側から西秩父に入った時と同じではないか。あのときはMAZDAアクセラを飯嶋洋治氏が巧みに操っていた。ついでながら、携帯電話を落としてしまった恥ずかしい記憶も蘇える。もうあれから、4か月が経ってしまったのか。



 カーブNO.1をクリアした。とそこは、ぽっかりと開けた広場が設けられており、黄昏のせまった山並みの展望は、ぜひここからどうぞ、と言わんばかりに。しゃれた展望塔がまっていてくれた。



 大型バイクにタンデムで乗りこんだ男女が、目で挨拶しながら、こちらがやって来た信州側へ降りていく……。

 ここから先は、ヘタな文章表現より、NIKONにおさめた『十石峠展望塔』からの眺望をごらんいただきたい。その上で、なぜ信州・十石峠にこだわったのかを、次回にじっくりと説明させていただくとしよう。






*西の眺望 八ヶ嶽連峰が遠望できる



*東南を臨むと、西秩父の主峰、両神山が。


*東方を臨むと、妙義、榛名の連山が。


ブログ一覧 | 秩父こころ旅 | 日記
Posted at 2014/09/22 16:05:38

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この記事へのコメント

2014年9月22日 21:25
知人のアウトランダーを試乗したことがあり、4リンク駆動の重さを感じない加速、ハンドリングの切れなどがよく、ビックホーンハンドリングbyロータスを髣髴しました。また、満タンで走行できるエリアを測定したところ、知人宅が日産九州工場近くから広島まで地図上で表示され、PHVの燃費の良さに頭が上がりません。職場の同僚からガソリン入れ忘れスタンドもなく、バッテリーもなく已むおえず急速充電した話を聞いたことがあるので、ガソリン入っててよかったですね。
コメントへの返答
2014年9月22日 21:38
新しい冒険。男は好きですね。思い切って、400キロの往復をやってみて、やっぱりクルマは新奇で、楽しくって、少しばかりメカニズムやシステムが進化すると、無性に格闘したくなるものですね。

もうちょっと長生きして、いろいろやってみようと、張り切っています。
2014年9月22日 21:29
こんばんは。続編、待っておりました。

ハイブリッド車こそ、モーター無しの「素の状態」が重要だと思います。素で楽しいハイブリッド車が出るまで非HV車に拘るつもりです。

趣のある展望塔に、父のCanonだとまたどう映るか楽しみな景色に見惚れながら次回を楽しみにしております。
コメントへの返答
2014年9月22日 21:44
やあ、こんばんは。

いつもと趣の異なるインプレッション、どうでしたか。これが歴史物取材の旅と重なるところが、ま、正岡ワールド、と自負しています。

続編、お待ちあれ。次に登場するNEWカーもSUVのハイブリッドの予定。さて、車名を当ててください。アウトランダーとの対比がテーマです。
2014年9月22日 22:44
佐久・小諸の辺りの夕闇は落ち着いた雰囲気でEVの車とマッチングがいいですね!
コメントへの返答
2014年9月22日 22:54
そう思います。このあと、夜闇の中、凄いのが撮れましたが、次回をお楽しみに。

スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

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「宿敵との甲子園対決も緒戦を引き分けた2戦目。1戦目から続けて活躍が目立つのは残念ながら巨人の若手選手ばかり。先発して5回を投げた赤星、4打数4安打の3番・門脇、捕手の岸田。阿部監督になって抜擢され生き生きしている。虎は伊藤将司の粘投と森下の2点2塁打でやっと7つ目の勝星。心配だ。」
何シテル?   04/18 12:00
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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