〜北京サーキット撮影取材で思い出したこと〜
正月七草も終わってやっとお屠蘇気分も抜けたのに、また三連休だ。もっともこの期間は走りの好きなカーガイ野郎には、幕張の『東京オートサロン2020』が待っていたから、3連休は大歓迎に違いない。
*ラスベガスにいたはずのTOYOTA豊田章男社長が東京オートサロンでのGRヤリスのワールドプレミアにサプライズ登場。彼がどれほど「走り」を大事にしているのか窺える瞬間だった!
そんな浮かれた気分を吹き飛ばすように「中谷明彦、中国北京サーキットで右目を負傷!」というニュースが、1月9日の夜に流れた。
——レーサー中谷明彦さん右目大けがで「眼球破裂懸念」ドローンがフロントガラス突き破り顔面激突、と。(YAHOO!ニュース・中日スポーツ)
もしこのニュースを知らないでいたら、その時の衝撃の度合いはどれほど大きかったことだろう。幸いというべきか、そのアクシデントを、中谷くん自身の「F Bページ」への書き込みを、1分後の時間差でキャッチしていたのでおおよその状況は把握していたのだ。彼は中国北京に向かう時に、まずF Bの通信欄で「業務連絡」と断ってから「各位 1月6日から9日まで中国北京に出張いたします。通信環境から連絡とりにくい場合があります。ご了承の程よろしくお願いします」とメッセージし、次に1月9日の午後1時に自身のフェイスブックで、こう明かしていた。
「業務連絡 各位 現在北京出張中ですが、昨日サーキット走行取材撮影中に撮影用ドローンが墜落し車のフロントグラスを突き破って顔面に激突するという事故が発生しました。私は右顔面と右目に大怪我を負い、現在飛行機の減圧により眼球破裂が懸念されるため予定していた本日の帰国にドクターストップがかかりました。
「え!!」絶句状態が30秒も続いたろうか。その間、私と同じように「業務連絡」をキャッチしたFBフレンズの書き込みがガンガン入っていく。「大丈夫か! 眼球破裂とは只事ではない! みんなが同じ想いだった。問い合わせることが不能な北京での出来事‥‥‥ただ次の連絡を待つ。これしかなかった。
1日が経って、やっと第2信が書き込まれた。
「各位 昨日お知らせした状況について、多くの皆様から励ましと応援のメッセージをいただき大変ありがたくお礼申し上げます。本日再検査の結果フライト許可が降りました。無事帰国しましたら皆様にご報告させていただきます。中谷昭彦」
ああ、よかった。みんなも同じ想い。あっという間にコメント欄への書き込みが膨れ上がっていく。帰国してからの連絡を、やっぱり待つほかなかった。その間、北京での走行撮影というフレーズから、中国最大の自動車ネットメディアが筑波サーキットを占有し、中谷君を中心にガンさんや桂伸一君が動員された新車テスト&バトルのことを思い出し、確認してみることにいた。
☆ ☆ ☆
2016年03月01日
『ベストモータリング』筑波で復活!?
中谷君と『第5回ベストモータリング同窓会』を東京で開催する件で、日程の調整をしなければならないのに、中谷君がスエーデンや北京に行ったままで、なかなか連絡がとれない。やっと帰国してくれたと思ったら、実は中国最大の自動車ネットメディアが筑波サーキットで新車テストをやることになって、当分バタバタして時間がとれそうもないという。その辺の様子を中谷君のFBメッセージが短く的確に伝えているので、参考までにコピーしてみると……。
「毎月北京で活動していた中国最大の自動車ネットメディア・易車網が筑波サーキットに来襲! シビックタイプRとルノー・メガーヌ・トロフィーRSなど注目の車種7台でタイムアタックしました! アタッカーは僕とガンさん、コボちゃん。カートップ誌とのコラボ企画として両メディアでレポートします!」
ドライバーにガンさんとコボちゃんにお願いし、こちらでの具体的なフォローは『CARトップ』が引き受けてくれた、ロケの日時は2月29日、すっぽり貸し切りだという。それならば、ガンさんのOKをとって、3者会議をそこでお願いしようか、と話がまとまった。
(中略)
29日の関東地方は午後からの天候悪化が予報されていた。
ロケの終わる頃に筑波入りする腹つもりで、正午ジャストに練馬の自宅を出たのに、午後1時15分には筑波のパッドックに通じるトンネルをくぐっていた。ピットには中国チームの大型バスが横付けされ、コースの方では間違いなく撮影隊らしいグループが右往左往しているのが、見て取れる。
ゲスト用のパーキングスペースにプログレを駐(と)める。隣の富士山ナンバーの白いメルセデスは間違いなくガンさんのマイカーだ。と、近づいてくる見慣れた顔。1997年2月号から「ベストモータリング」の編集長を託した山本亨君じゃないか。そうか、彼も紆余曲折があっていまでは『CARトップ』WEBの責任者に落ち着いていたと報告を受けていたが、この中国プロジェクトの「日本ロケ」を取り仕切っていたとは、面白い巡り合わせである。
(中略)
中谷君が中国側の通訳を連れてきた。このあと、社長を紹介したいという。何か、わたしに話があるようだった。肝心のこちらからの打ち合わせ事項はすでに、前夜の電話で確認済みであったから問題はない。
午後の部が始まる。色々と顔見知りが挨拶にやってきてくれる。この空気、まるでベスモのロケである。もし、バトルがあるのなら、ぜひスタートのライト ON、ゴールフィニッシュの旗振りを買って出るところだった。キビキビと流れを取り仕切っている山本君。こんな日がやってくるとは……。
中谷君がマイクを握って、午前中にタイムアタックした2台、メガーヌとタイプRに寄り添っているガンさん、コボちゃんのインプレッションを聞き出すことから始まった午後の筑波サーキット。降り注ぐ初春の柔らかい日差し。幸い、天候は崩れないままだった。なにかが、こみ上げてくる。
中国からの随行のカメラマンがしきりにカメラで狙っていた。その独特のポーズに大拍手。
さてそろそろ、と挨拶をしかけたところへ、今回の北京からの筑波遠征を企画した『易車網』の社長が見えて名刺交換。そうなれば出来上がったばかりの『PORSCHE 偏愛グラフィティ』をがんさんと中谷君のサイン入りで差し上げるのが礼儀だろう。そこからまた新しい「ドラマ」が生まれるならば、ああ、クルマ人生、たのしからずや、である。
☆ ☆ ☆
恐らく今回の北京出張も、あの時の『易車網』のオーダーだろうから、その対応に心配はないはずだが、と思いを巡らしていると、3連休の中日になって、やっと中谷塾の塾長から、帰国後の「業務報告」が掲載された。
「ご心配をおかけしました。無事帰国し、昨日いつもお世話になっている新妻先生のクリニックで診察を受けました。視力低下や合併症の恐れはありますが、失明など最悪の事態にはならないですみました。撮影時に付けていたレイバンが眼球を圧迫しましたが、割れることなくガラス片を全面に受けてくれたことで両眼とも守ってくれていたようです。レイバンのタフさに先生も驚いていました」
心配なのは、むしろこれからのことだが、中谷君もこれまで様々な試練に直面し、きっちりと克服してきた大事な人材である。快癒の報を待っていよう。
《追記》当ブログをアップした15分後、中谷君からTELが入り、元気な声を聴くことができた。反響の大きさ、激励のメール等に驚き感謝していました。 なお、今回の取材は『易車網』との仕事ではなかったそうです、念のため。
●その中谷君の大事にしている著書の一つに『PORSCHE 911 ドライビングバイブル』という電子書籍があり、運がよければ3000円の電子マネーをゲットできるチャンスが用意されている。締め切りが1月16日までとあるから、時間の余裕はないが、ぜひ挑戦されたし。黒澤さんの『新ドライビングメカニズム』も同様にゲットできる『ConTenDo』の嬉しいプレゼント。
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Posted at
2020/01/12 17:04:51