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正岡貞雄のブログ一覧

2017年12月30日 イイね!

『ベスモは不死鳥です!』の証明

『ベスモは不死鳥です!』の証明〜『黒澤元治スペシャルDVD』が仕上がりました!〜



 年の瀬も迫った12月28日の午後2時、JR山手線・五反田駅に降り立ち、品川区西五反田のSONY PCL映像編集スタジオへ向かった。なにしろ15年ぶりにMA(映像制作の業界用語=マルチオーディオ)に立ち会う機会がやってきて、足取りも浮き浮きしていたに違いない。

 初めての場所。目黒川の畔(ほとり)にあるとは聞いていたが、やっぱり道に迷った。で、本田編集長に電話を入れて、現在位置を伝え、やっとたどり着く。そのビルの前で映像作家の宮本欽也君が案内のために待っていてくれた。こんなところに本田君の心遣いのほどが・・・・・・。

 入館の手続きを済ませ、4FのMAルームへ。音響への配慮から、やたらと重く分厚い扉を手前に引くと、なんとも懐かしい15年前と同じ世界が待ち受けていた。

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 すでに、仁禮義裕ディレクターたちが音入れまですませてある映像編集作品に、最終的にナレーションを当てる作業がはじまっていた。おお、この声は!

 いまや『情熱大陸』のナレーターとしてブレークしている窪田等さんではないか。残念ながら、ナレーションブースに隔離されているから顔は見えない。もう20年近く逢っていないから、あとで久しぶりに挨拶できるのが楽しみだ。

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*ナレーションブースにはすでに窪田等さんが・・・( photo by T.Honda)

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 プロデュースする本田編集長はラウンジ風にめぐらされたソファーのど真ん中で、窪田さんに渡されたものと同じナレーション原稿と、モニターに映し出された映像とを交互にチェックしながら、どっかりと構えていた。目で挨拶する。で、どうぞ、という感じで自分はソファーの右端に移っていく。
「ありがとう」

 当然のように、かつてのわたしの定位置に腰を落とす。ふんわりと受け止めてくれるソファーの感触。そしてモニターにはガンさんのドライブする、あの真紅のボディーカラーを持つ愛車NSX-typeRが鈴鹿のスプーンを抜け、西コースのストレートを疾駆する姿を映し出されている。いつもの激しさを感じさせない滑らかな動き。
 ガンさんがコメントしている。
「こうやって、この年齢でもドライビングプレジャーを満喫できるなんて、ありがたいなあ」

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 アクセル、全開。待ち受けている130R。路面が濡れている。さすがに全開とはまいらぬが、NSXがコーンとひと吼えして、魔のコーナーを通過する。つづいて、最終シケイン。水煙を残してガンさんNSXが画面から消える。その背後を慕うようにミーティングに参加している3台のNSKが追尾するシーン。ナマのガンさん走りを自分の目で、自分の手足で、自分の心で受け継ぐ至福がそこにあった・・・・・・。  

 窪田さんの声がしっとりと重なり、映像に生命を注ぎ込む。
「黒澤元治、77歳。クルマを愛する遺伝子たちに贈る最後のメッセージと走りをいま、ここに!」

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 舞台は、たたみかけるように移っていく。2017年10月1日のニュルブルクリンク、一ヶ月後のエビス東コース。加えて、1987年から積み重ねて来た「ベストモータリング」での日々。黒澤元治ワールドの圧倒的な凄みが、新しい生命となって、改めて甦ってくる。その一挙手一投足に湧いた、あの日々・・・・・・。
 ああ、一人で見るのは勿体ない! みんなでワイワイやりたくなるじゃないか!

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 90分の尺で仕上がっている本編。これからパッケージ化され、2月になってから、グリーンファウンディングで¥5,000以上の協力を申し出た「仲間たち」に、ガンさんからのお礼のメッセージ、Best MOTORingのオリジナルステッカーを添えて、お届けする約束となっている。そして¥15,000の協力者には『秘蔵映像』スペシャルDVDが加わる。さらに¥30,000の協力者に対しては、映像のエンディングロールにその名前がテロップとなって流れることになっている。

 さぞかし、2月が待ち遠しいに違いない。少なくともそれまでは、DVDの内容については封印しておかねばならない。そして一般への発売は4月のなかばが予定されていると聞いている。ということは、ぜひ実現したいと願っている東京代官山・蔦屋書店のイベントプレースでの『トークショー』と『第6回ベスモ同窓会』も、そのころに設定することになるのだろうか。

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  午後4時半。窪田さんのナレーション入れが終わった。久しぶりの対面。握手。ハグでもしたい気分で、お互いの元気を確かめ合う。MAに関わった全員で記念撮影。考えてみれば、ベスモのホットな創りのときのナレーションは主に神谷明、大森章督のおふたりで、しっとりとした長尺物、たとえばBMスペシャルものは窪田さんを指名することが多かった。本田編集長がこう明かす。

「窪田さんのスケジュールを抑えるのが大変なんですよ。シグマ・セブン(所属プロ)と随分やりあって、やっとです」
 長寿番組の人物ドキュメンタリー『情熱大陸』。好きな番組のひとつである。その第1回からを窪田さんが手がけてきた。
「ベスモ復活の第1号に使っていただいて、ナレーター冥利に尽きます。それにしてもガンさんのこの記念すべき作品、みんなが喜ぶでしょうね」
 嬉しい言葉を残して、窪田さんは退室していった。

 いよいよこれから、窪田さんのナレーション入りの完パケ(完成パッケージの業界用語)創りがはじまる。オープニングシーン。おお、創刊号と同じCGを採用している! 泣けるね! 「ベストモータリングは不死鳥です!」そう宣言しているように、わたしには思えてならなかった。 
 
 それから90分。ENDロールが流れ、仕上がりチェックの試写が終わった。言葉は要らない。本田編集長、仁禮ディレクターとの握手だけで充分だった。
 
 時間は午後7時に迫っていた。このMAルームは8時から次の使用チームにバトンタッチされることになっている。
「今日はここまで?」
「はい」
  肩すかしを食った感じで、本田編集長に訊ねる。
「秘蔵映像スペシャルの方はいいのかい?」
「あ、このスタジオでは編集はやりません。近く、連絡します」
  それがいい。このまましばらくは、この満たされた至福感に浸っていたい。改めての連絡を待つとして、SONY PCLの編集スタジオをあとにした。
 折から五反田駅の周辺は、仕事納めをした人々や忘年会で早くもできあがっている若者たちで、ごった返していた。 

 帰宅してからすぐに、ベストモータリングの2011年6月号を書斎のDVD棚から取り出す。その号をもって、ベスモは休刊に入ったまま、今日に至っている。
 パッケージの表(おもて)面を見る。『LEXUS LFA 初登場! FINAL BATTLE in Fuji Speed Way』のタイトルがドカンと真ん中に座っている。それを下から支えるように、『クルマを愛する遺伝子たちへ GT-R EGOIST×黒澤元治』が・・・・・。

 そうだった。このファイナルバトルの収録ロケにわたしも立ち会っている。そのときの様子を当BLOGに連載をはじめた『つれづれなるままにクルマ一代』の第2回目に『青春のメッカFISCO』と題して、それなりの想いをこめて記述してある。ぜひ、【こちら】からどうぞ。

もう一つ、『水菜の季節、来たりなば』にも。

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 同行してくれた田部靖彦君が、東名高速から御殿場に降りたところで、黒沢元治さんはご家族と一緒にミズ菜とりをしているそうなので、畠の方へ寄ってみましょうか、といい出した。
 久しぶりの対面。富士を仰ぎながらのミズ菜とり。あ、ガンさんにも、時計の止まったようなのどかな時間があるんだ、とホッとしたところで、誘ってみた。
「これからベスモのラストロケが待っています、一緒に行きませんか?」と。
「いや、先日の『クルマを愛する遺伝子たちへ』の撮影で、読者へのお別れのメッセージはすませているから」
 いかにもガンさんらしい、すっきりしたモノいいで、それ以上、こちらから誘うことは失礼になる感じであった。

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 7年近い歳月を経て、同じタイトルでベスモが復活する。
 改めて祝福したい想いから、その時の「ガンさんメッセージ」を確認しておこうと思い立って、DVDディスクをパッケージから取り出そうとして気がついた。カバーの裏面にモノクロで刷り上げられたガンさんと荒聖治君の立ち姿。かたわらに白のGT-R EGOISTがより添っている。いまやっと、そうした本田君の意図が読めてきた。いつの日にか、同じシチュエーションで蘇ってみせるぞ、という仕掛けではなかったか、と。

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 16分を超えるそのコーナー、ガンさんの7年前の走りと、メッセージを改めて鑑賞した。率直に言って、ベスモが休刊するという失意のなかで見たせいか、外絵はいいとしても、車載カメラが稚拙で、ガンさんの走りを粗末にしているな、とガッカリしてしまった。ガンさんから直接、クルマを愛する遺伝子たちへのメッセージなど、感じとれなかった。

 それがどうだ。「コンフォート(Confort)」をキーワードに、この国最強のGT-Rのあるべき姿を語り、クルマを愛する心のあり方を伝えようとしていたガンさんのメッセージが読み取れるではないか。

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 GT-Rの「コンフォート」は増している。しかし本物のスポーツカーであるためには4輪駆動であることを返上せよ。
 GT-Rよ、快適であるためには、もっと軽量化をめざせ。
 クルマの技術はエンドレスである。
 
 ガンさんにはじめて会ったのは1980年(S80)の暮だった。その時のガンさんは失意のどん底にいたはずである。しかし目線も心も真っ直ぐ前を向いていた。そして、いつもひたむきに何かを学び取ろうとしていた。
 それから37年。この人はいつも新しい。情熱を燃やしている。なにごとにもひるまない。そこからの日々は半端ではなかった。

 谷、深ければ、山、高し。見事な後半生である。そしていま、ベスモが不死鳥であることを、証明してくれようとしている。

 2018年がやってくる。クルマを愛する遺伝子たちよ。どうぞ、佳いお年を!

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■ガンさんの『新 ドライビング・メカニズム』や、中谷明彦君の『ポルシェ911ドライビングバイブル』、五木寛之さんの『プレミアム版 疾れ! 逆ハンぐれん隊』の電子版を扱っている『ぽらりす・クルマ仲間/名作図書館』。その提携先『電子書籍専門サイト・CONTEN堂モール』から嬉しいプレゼントがあった。期限が2018年1月15日(月)23:59までという縛りはあるが、有料コンテンツ購入者の中から抽選で100名に電子マネー3000円分が当たるキャンペーンをスタートするが、その対象店舗のわたしの主宰する『ぽらりす』を対象店舗にした、というのだ。この際、ガンさんの電子BOOKを入手して、じっくり「ガンさん」と取り組んでみたらどうだろう。手続きは『CONTENDO』からどうぞ。
黒澤元治『電子書籍版 新・ドライビング・メカニズム』については『こちら』からどうぞ!


■付言 『ConTenDo』のモールが、びっくりするほど充実してきました。好みの作品が選べるはず。無料会員に登録したあと、自由にモール内を「散歩」するのも悪くない。お奨めします。そして『新 ドライビング・メカニズム』も立ち読みすることからはじめたらどうでしょう? 

Posted at 2017/12/30 20:25:53 | コメント(5) | トラックバック(0) | ベストモータリング | 日記
2017年12月27日 イイね!

その前夜、本田編集長との電話密談・・・

その前夜、本田編集長との電話密談・・・〜お約束『ガンさん邸餅つき忘年会』レポート①〜



『今何シテル?』(12/24 17:29)で、「無事、箱根のガンさん邸から帰還。早速、当日の《餅つき光景》とその前後の様子を撮ったファイルをチェック。そして真っ先に紹介するのは門前で出迎えてくれたふたり。ご存知、大井貴之君と『GT-Rマガジン』の野田航也編集長。いやー、ご苦労さん!この日のレポート、早速、取りかかるとしようか!」と約束してしまったが、その前にこんな書き出しから始めたい。

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 箱根のガンさん邸に赴く前夜、 Hot-Versionの本田俊也編集長と連絡を取り合った。
「どうだい? “ガンさんDVD”の進行具合は?」
「一般発売用のものは終わって、いま、秘蔵映像スペシャルDVDの方が一山、超えたところです」
「あの件はうまくいったのかい?」
「大丈夫ッす。著作権管理者との使用手続きもOKッす」
  返事に力がこもっている。
「それはよかった。21分23秒を全部、使うのかな?」
 今度は返事がない。
 まぁ、いいや。そこから先は『お手前拝見』とするか。

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 話を変える。
「今度の新しいHot-version(VOL.149)の出来を心配していたけれど、安心したよ。”ガンさんDVD”にパワーを吸いとられているんじゃないか、と」
「それで、どうでしたか?」
「うん、新しいトライを忘れてないね。ニュル最速モデルという触れ込みのマシンに群サイは無理だった。雨のコンディションというだけではなく、ね。その代わり、『若手ドライバーオーディション』がよかった。みんなが本気でキャスター候補になりたくって、取り組んでいたものね。日比野哲也って、スキルが高いね、個性的でもあるし」

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「あ、日比野はドリフト界ではトップクラスですから。ショップもやっているくらいです」
「スパーGTからの、ほら、サッカーの香川に似ている・・・・・・」
「ああ、井口卓人。いいでしょう?」
「かつての土屋圭市と同じ匂いを持っている」
「そうなんです。つい先日の日曜日、筑波で異種格闘技バトルをやりましたが、いやァ、予想以上に走れるし、喋りもいけます」

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「期待できるね」
「ええ。この筑波バトルに谷口君がチャンピオン記念として、グッドスマイル 初音ミク AMGを持ち込んでくれて、筑波のファステッドタイムを・・・あ、余計なこといっちゃいました(笑い)。ま、その時の井口の走りは、レギュラー顔負けというか、そのものでした」
「それは楽しみだね。じゃ、明日」
「はい、ぼくらは午前中にお邪魔するつもりです」
「わかった。こちらもそうするつもりだ」
 快い、本田君との交信。もう一度、新着のHot-Versionを観るとしようか。

 12月24日午前10時20分。東名高速海老名SAで珈琲ブレークを済ませ、同行の仁川一悟君のメルセデスE350で新しく開通したばかりの圏央道JCTと相模川を渡ったあたりで、東名から小田原・厚木道路に入った。

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 今回も、11月1日の福島・二本松のエビスサーキット東コースへ向かったときと同様に、仁川君に運転は任せてもっぱら、助手席からの景色を楽しんでいる。環八から東名に入った頃は、重苦しい雲に覆われていた師走の空が、いつの間にか明るく拡がっているではないか。しまった。これなら300ミリのレンズを持ってくるんだった。それでも、ともかくNIKON5200で富士の姿を捉えることにした。

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 右側の視界が大きく開ける。関東平野もここが西端で、箱根連山がどっしりとした黒い姿で出迎えてくれた。そして、それを際立たせるように、真っ白な雪のガウンを纏った富士山が、背後から箱根の山々を押し出している……。

 この描写は3年前にはじめて「箱根のガンさん邸、至福の餅つき忘年会」に駆けつけた時の書き出しであるが、ゆったりと、全く同じ景色を見入っているうちに、アッと気づいた。あの時「箱根連山」と思い込んでいた黒い山並みは、じつは「大山・丹沢山地」の間違いではないか、と。

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 平塚の本線料金所を抜け、大磯ICを過ぎてアップダウンのある山間部を抜けると再び右側が開け、ここで本物の「箱根連山」が登場したのだ。この発見が、なぜこんなに気に入るのかな。
 小田原厚木道路から箱根駅伝でおなじみの国道1号線にはいったのはいいが、湯本の町に入る手前で大渋滞。前を塞がれたまま、5分経ってもピクリともしない。しびれをきらした仁川君が、「大回りになりますが、その先でなら箱根新道に入れますから、そっちから行きましょうか?」と提案する。
 
 登り一辺倒の箱根新道を走るのは、全くの久しぶり。E350が気持ちよさげにワインディング・ランを楽しんでいる。

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 ひょい、と思い出した。あれ!? 料金所が途中にあったはずだが、なかなかやってこない。首を捻っていたら、この7月から無料になったと、仁川君が教えてくれる。寄せ木細工の工房、甘酒茶屋を過ぎたあたりで、高い杉木立と大きなカーブ。と、『箱根旧街道』の案内板。なるほど、「天下の険」を誇った箱根の面影がここにも残っているのか。



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「ちょっと、停めてくれる?」
 いそいそと、カメラを手にして、E350から降りる。こんな調子じゃ、小湧谷のガンさん邸に、いつ着けることやら。時計はすでに11 時を過ぎてしまっていた。

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Posted at 2017/12/27 01:57:44 | コメント(3) | トラックバック(0) | ベストモータリング | 日記
2017年12月20日 イイね!

『与三郎庵』(木葉下)のカツ丼が美味すぎる!

『与三郎庵』(木葉下)のカツ丼が美味すぎる!〜プログレで行く『イヤーカー選び』への道・余話〜


 2018年次RJCカーオブザイヤー最終選考会の前夜パーティ出席のため、ツインリンクもてぎHOTELへ向かったのは、11月13日だった。もう一月以上も前のことになる。

 16時ジャストに、いつものように最寄りの私鉄駅前ロータリで、RJCの盟友・飯嶋洋治さんと待ち合わせて、大泉JCTから東京外環へ。

 今回は日産、スバルの両社が例の不正検査問題でエントリーを辞退していることもあって、第1次選考の国産車部門はN-BOX、CX−5、スイフトが横一線。さて、どうなるのかね?などとお互いの予測を披露したあとで、プログレでクルーズ・コントロールを楽しみながら、三郷JCTから常磐道に合流していくところから、改めて今回は書き継ぎたい。

 水戸ICで降りるつもりの常磐自動車道。霞ヶ浦・土浦を過ぎるあたりで、晩秋の落陽は、ターボのブーストがかかったみたいに、あっという間に背後で沈んでいった。飯嶋さんには、近頃、友部SAが「常陸の里山」をテーマにリニューアルしたと耳にしていたので、適当なレストランがあるようだったら、そこで夕食を済ませましょう、と伝えてあった。


*今回のお供は、久しぶりにわがプログレ

 美野里PA、岩間ICを過ぎて、やっと友部SAに入った。パーキングスペースはタップリあって、その奥にベージュと褐色を組み合わせたツートンカラーの建物がある。スタバコーヒーがあるのは嬉しいが、肝心のレストランはどうだろう? なんだか全てが新し過ぎて、土産物・ショッピング優先のような気がする。だから、パスすることにした。ついでにこのSAで飯嶋さんにプログレのKEYを渡した。

 水戸ICまでは10km弱。あたりはもう真っ暗。カーナビに予め、飯嶋さんがツインリンクもてぎのHOTELを行き先に設定しているが、下道の大通りである50号線は東西を走る幹道。それとは直角に、北へ向かって進めと指示している。果たして、そんなルートで、適当な夕食の摂れる店があるものだろうか。まあ、ダメだったら、ホテルのレストランがあるじゃないか。


*赤ピンのドロップしているT字路に『与三郎庵』あり(google earth map)

 それらしい食事の取れそうな店に出くわすこともなく、巨大な森の右脇を抜けているのをカーナビが教えてくれる。水戸森林公園である。と、ポッカリと街灯で明るくなっているT字路にぶつかった。その右の角に一軒家の茶屋風食堂があるではないか。店の明かりが誘蛾灯のように、こちらを招く。ぼんやりと浮かぶ「うどん そば 与三郎庵」の文字。



「ここにしましょうよ」
 飯嶋さんもその気だったのだろう、すでに駐車スペースへ向かって、ステアリングを切っていた。

 店内は、一言でいって、鄙(ひな)マレ。天井から吊下がった雪洞風照明が柔らかい。掘り炬燵を施した座敷風テーブルに、飯嶋さんと向き合って席をとる。どうやら、地元の手打ち蕎麦が「売り」らしい。店主の手書きのメセージも、この店のぬくもりを伝えてくる。

「お客様へ。当店でお出ししているそばは、地元 城里町 旧 七会村産
野菜、米等は全て 水戸農協管内のものを使用しています」

 そうだったのか。「常陸秋蕎麦」で知られる「七会村」がいつの間にか町村合併で、新しく「城里町」となっていたのだ。


 
 仲良く、ミニカツ丼ざるセットを注文した。¥1100。付け出し替わりに林檎がふた切れ、料理ができるまで、というサービスだろうが、その歯ごたえのある新鮮な味を振舞われたのが、今も快い記憶となっている。

 ふと、箸袋に目が行った。与三郎庵の住所が刷られてある。 
「水戸市木葉下町」
 コノハシタマチ?

  料理を持ってきたエプロン姿の中年女性に、なんと読むのか、と訊く。
「あぼっけ」
「え!?」

  なんでもアイヌ語で『崖の下』という意味だと教えられてきたが、なぜ『木の葉』が当てられるのかわかっていないという。ただ、すぐそばに「木葉下(あぼっけ)金山」という名の昔からの金を掘り出した廃鉱があって、今でも見学者が絶え間なく、やって来るそうだ。
【正岡註】木葉下金山は、室町時代の終わりごろ、戦国時代にかけて、この常陸の国の領主・佐竹氏によって拓かれた鉱山で、佐竹氏は豊臣秀吉に上納する金(きん)の必要から、盛んに金山を掘ったという。その一つが木葉下金山。



 やっと夕食にありついた。丼というより、笠間焼の小鉢いっぱいによそわれた玉子とじのカツの、口当たりがひどく柔らかい。甘みが広がる。思わず「美味い!」と、いってしまう。韓国ドラマなら、さしずめ「マシソヨ」といって、主役が微笑むところだろう。

 蕎麦は二八割りのざっくりした口当たりも高得点。あっという間に食べ終わる。冷奴まで添えてあった。料理の素材をすべて地元のもので調達するから、この味と値段でなりたつのだろう。え!? 「これで1100円ですか! 」飯嶋さんの、これが感想。来年からの「もてぎ行き」の立ち寄りコースが決まったようなものだった。


*このGOOGLE MAPの左上にJARI 城里テストコースの周回路が見える

 18時30分。再びプログレで、夜闇の八溝山地越えがはじまった。真っ直ぐ「城里町」を突っ切って、早く「茂木町」とつながる123号線に乗りたかった。次の大きな四つ角で、左折すれば谷田部から移った『日本自動車研究所 城里テストコース』へむかう案内板を確認する。こちらは、直進。なんとか19時にはホテルにチェックインできそうだな。

 19時30分。自動車メーカー各社の該当商品開発担当者や広報担当者との懇親パーティに出席した。編集現場から離れて、もう20年になる。こんなときにしか、特に若手のエンジニアや広報マンの交わる機会はない。特に日産の若手広報部員の何人かはかつて熱烈な「ベスモファン」であったこともあって、わたしのいささか古くなったクルマ談義にも、熱心に耳をかしてくれる。それがことしはごっそり欠席。そのせいだろうか、盛り上がりに欠ける前夜パーティとなった。それ以上に心残りだったのは、EVカーの主役、新型リーフをモテギの特設試乗コースで、スイフトスポーツやN−BOX、CX-5などと乗り較べられないこと。同じフィールドで確かめることで最終決断に踏み切る。それがこの最終選考会の醍醐味なのに・・・。

 次の日の朝を、サーキットHOTELで迎えるのはいつ以来だろう。午前6時、目覚ましをセットしておいたiPhoneが律儀に起こしてくれた。

 南側の窓のカーテンを開く。朝の光がすでに八溝山地の背筋に降り注いでいる。つい2日前のスーパーGT最終戦で、300クラスの予選3位からスタートしガンさんチームのゼッケン65 LEON CVSTOS AMGが土壇場で怒涛の追い上げを見せ見事に優勝した舞台が目の前にあった。

 朝食、最終試乗の確認ミーティングも順調にすませて、午前9時からの試乗会がはじまった。この日、真っ先に足を運ぶピット・ブースはきめてあった。トヨタのコンパクトSUV、 C-HRと『セダン復権』の起爆剤として投入されたカムリの2台を、真っ新な気持ちで対面することだった。


*カムリ、C-HRの待つTOYOTAピットブース

 カムリは7月の発表会の後、お台場MEGA WEBの試乗コースを2周だけ味見しているからまだしも、発表と同時にそのやや尖ったクルマ創りでブレークしているC-HRとは、なんと初対面なのだ。去年の12月に発表されていて、そのころは体調不良で、やっと実物に触れられる。






 ドキドキしながらC−HRのいささかタイトなシートに腰をおろす。エンジンはダウンサイジングした1.2ℓ 直噴ターボと、1.8ℓNAにモーターを組み合わせたHV仕様とがあるが、これはターボ仕様の方が用意されていた。

 すぐ前をイエローのSUZUKIスイフトが同じようにスタートの合図を待っている。
  そんな新しい時間。いくつ歳を重ねても、やっぱりいいものだ。
                               (この項、さらに書き継ぎます)
 
Posted at 2017/12/21 00:32:08 | コメント(2) | トラックバック(0) | 還暦+青春の21歳 | 日記
2017年12月16日 イイね!

『N-BOX vs.スペーシア』ガチンコ勝負の夢

『N-BOX vs.スペーシア』ガチンコ勝負の夢〜年に一度の楽しみ、RJC機関誌『BULLETIN』〜



【左のショットがテクノロジーイヤーを受賞したN-BOX開発陣】


  140字日記である「何シテル?」で予告したように、「SUZUKIの新しいスペーシアの登場でそれを迎え撃つN—BOXを、改めて考察して見たいと心を踊らせている。

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*新型スペーシアを胸を張って披露する鈴木俊宏社長

ご存知のように、「RJC」の「2018年次」のイヤーカーは、国産車部門はSUZUKIスイフトシリーズ、インポート部門はVOLVOのV90/V90 CROSS COUNTRYが選ばれ、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」では「2017-2018」と冠のつく「イヤーカー」には、こちらもVOLVOのXC60(10月16日にフルモデルチェンジ発売)がカムリ、CX−5、N—BOXの国産車勢を抑えて、その栄光をゲットしてしまった。


*2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたVOLVO XC60

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*2018年次イヤーカーに輝いたスイフト・チーム

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*インポート部門のイヤーカー、VOLVO V90cross country


  EVシフト、AI重用に振り回された2017年のクルマ業界も、ここで一息入れて新しい年を迎える態勢に入るわけで、まず18日の月曜日、東京青山のアイビーホールでRJCカーオブザイヤーの表彰式が催される。そのパーティでお帰りの際にお渡しするのが『The RJC Bulletin』でその年次のカーオブザイヤー特集号となっていて、会員が総がかりで執筆・編集に取り組むしきたりがある。

  現在、編集長役は副会長の神谷龍彦さんがあたっている。かつて「ホリデーオート」「モーターマガジン」の編集長を務めたプロ中のプロであるジャーナリストだから、毎年、原稿のやりとりなどで接するのが、ひどく楽しい。さて、ことしはどの車を書いてくれ、と注文されるか楽しみにしていたら、HONDAのN-BOXを450字でまとめよ、と来た。

「よっしゃ」と引き受けたものの、毎年のことだが、450字で起承転結のあるものにまとめるのは厳しい。最初に書き上がったものは、どう贅肉を削っても650字。ここから200字を削るとなると、かなり内容がギスギスしてしまう。

  それでも、なんとか締め切りギリギリで入稿したものの、最初に書きあげた原稿はなんらかの形で残しておきたい。おお、そうだ、ボリュームに制限のない「みんカラ」BLOGがあるじゃないか……。などと保存しておいたところへ、「何シテル?」で触れているように、SUZUKIのスペーシアの登場で、わが心に新しい火が点(つ)いた。スペーシアには、そう遠くない日に試乗できるだろう。そこでわたしなりの対比をしてみよう、と。
 
  さし当たって、450字に削る前の本来のものをここに紹介しておこう。
 
全力投球の『クルマ創り』に乾杯! (2018年次RJC『Bulletin』掲載)

  今のHONDAの屋台骨を支えているのは、紛れもなく軽トールワゴンの『N—BOX』。2017年9月に投入された2代目新型が圧倒的な支持を受けている。プラットフォームからボディまで、躊躇いもなくフルモデルチェンジして、80kgの軽量化を達成するなど、開発には全力投球を惜しまない。


*騎馬民族的な面貌をもつN-BOXカススタム


*農耕民族的なゆったり顔の標準的型

農耕民族的なゆったり顔の標準型と、目尻の上がった騎馬民族的な面貌のカスタムシリーズの2タイプがあるが、受注内訳では、いささか個性を主張する後者に人気が集まっている(56%)。ちょっと見では、旧型とそれほどの代わりはない。しかし中身の進化と「創りこみ」には、あっさり脱帽だ。与えられたスペースで紹介するのは不可能なほど、盛り沢山であった。


*軽で初めてVTECを吸排気側に採用するなど、技術を結集した新設計のパワートレインについて



 3気筒658ccエンジンにはNAとターボがあり、節々にHONDAだから可能な「泣かせ所」を投入いている。
例えば軽で初めてのVTEC技術を吸排気側に採用、低速から高速まで爽快な加速性能と優れた燃費性能を両立させてしまった。
そして今回の注目点の一つにインテリアがある。助手席が前後に大きくスライドするのも特徴になっているが、運転席に着くと、視界が広いのに驚く。Aピラーを初代の82mmに対して54.7mmにまで細くしたせいだが、ここにも高い評価を受けている「軽量化と高剛性化」技術が生きている。

このほか、運転支援システムを全車に標準装備するなど、持てる力を全力で注入してきたHONDA。誰のためにこのクルマを創ったのか、その焦点が明確なのが快い。 (正岡貞雄)

遡って、これまで年次ごとにわたしが担当執筆したクルマがなんだったのか、トレースを試みた。

  入会した初年度の2014年次は、第1次選考でベスト5に選ばれた「三菱eKワゴン/日産レイズ」。期せずして、この年は軽自動車部門の販売ランキングが大激戦、HONDAのN-BOX、SUZUKIのスペーシアが10月期に限って言えば、1万7500台、1万4300台と並び、日産と三菱の連合軍が合わせると1万5600台となって、2位に割り込んでしまう。そんな状況を伝え、この特異なジャンルがますますガラバゴス化するのでは、と憂えて見せたが、今でもそうだろうか、と胸に問わなくてはならない。


*一時は「人生最後の1台」の有力候補だったメルセデスC250

  2015年次は、インポート部門のイヤーかーとなった「メルセデス・ベンツCクラス」を担当。「78歳の筆者、目も足も衰えていない。許されればサーキットもじさない『チョイ悪爺イ』と見得を切り、『人生最後の一台』候補にあげ、このCクラスなら念願の九州往復のお供にしても大丈夫」と締めくくってみせる。

 2016年次。ジャガーXE。タイトルを「“彼岸の彼”の評価が訊きたい」とし、彼=徳大寺有恒の好きだった“イギリス”を守り続けていることに回帰したジャガーの決断にアプローチしている。



  そして2017年次。イヤーカー・インポートの最優秀車となった「ボルボ XC90」を、かつて夢見た世界に棲むSUVがここにいる!と喝采を送っている。

  さて、2018年次のRJCカーオブザイヤーについては、速報のかたちで「RJC」のWebサイトからご覧いただけるので「こちら」からどうぞ。

  N-BOXはイヤーカーではスイフトの後塵を拝してしまったが、「新型N-BOXの軽量化技術」を評価され「テクノロジーオブザイヤー」を受賞しているのを追記したい。 
 そしてこの後、今回披露された新型スペーシアの注目すべき「新開発部分」にも触れて見たい。(以下、次回更新へ)


Posted at 2017/12/16 02:25:01 | コメント(4) | トラックバック(0) | 還暦+青春の21歳 | 日記
2017年12月06日 イイね!

懐かしや!『99年8月号』を琢ちゃんと一緒に……

懐かしや!『99年8月号』を琢ちゃんと一緒に……〜ブレーキまで踏んでくれる先進システムがすでに!〜



 珍しくブログアップしてから間をおかず、今は四国に帰って新しい人生を開拓中の小松青年(みんカラHNはFRマニア)から「コメント」が寄せられた。

「(前略)あれはベスモ99年8月号でしょうか。確かベンツSクラスとプログレを駆り出して自動運転のテストをされていました。
 あれから18年、もうすでに先進技術を搭載しているだけでなくきちんと機能している事に“あっぱれ!”ですね」





 小松青年に関してはすでに2013年5月3日の『レイトンブルーは悲しい色やねン』、2012年7月12日の『ご無沙汰した理由~あるいはその言い訳として~』の章の後半と、8月20日の『ミンミン蝉の歌う朝に~みんカラ仲間との「筑前の小京都・秋月行」②』で紹介済みなので、そちらを参照願いたい。

 早速、といっても1時間半後に、お返しの「コメント」を送った。

「ありがとう。確認しました。メルセデスS320との共演でした。ベンツのミリ波レーダーセンサーの方が一歩先をいっていましたね。
 君がプログレをドライブしている写真もあるし……。懐かしいBM 1999年8月号、琢ちゃんと一緒に、ちょっと紹介できますな」

 ベスモの1999年8月号。幸い、手元の資料用にダビングしておいたDVD集の中に辛うじて収録されていた。何しろ、編集長最後の号が「1997年1月号」(NSX-R ワンメイクバトル)だし、そのあとの号まで保存しているか自信はなかった。わたしのプログレNC300、あのiRバージョンがやって来る、その1年前の話じゃないか……。



 ともかくDVDディスクをPCの再生器に挿し込む。イントロのCGが流れ、。車載のCCDカメラが大都会のビルの間を縫う。何となく気忙(きぜわ)しいのが、今でも気になる。が、聴き慣れた神谷明さんのナレーションが耳に入ると、たちどころに機嫌が直るから不思議だ。

「クルマ選びで一番大切なこと、それは走りの楽しさを持っていること。つまりFAN TO DRIVEこそ、クルマ選びの生命(いのち)と、ベストモータリングでは考えている。このところの新車ラッシュを見てもスペックだけに捉われず、気持ちよく走れるクルマが続々と登場! そこで今回は、元気いっぱいなGT&スポーツカーをBMキャスター全員で検証! 保存版‼︎ ‘99年GT&スポーツカー、22台 走りの番長 決定戦‼︎」 
 そして続ける。
「同クラスのターボエンジンさえも凌ぐパワーと、NAならではの鋭くリニアな噴け上がりを見せるHONDA VTEC軍団。もしVTECがなかったなら、ノーマルアスピレーションの魅力は半減していたに違いない……」





「そこで」と前振りのセリフで登場したのがガンさんジュニアの惣領、黒澤琢弥君。そうか、思い出したぞ。後継の編集長に抜擢した山本亨君が「新しい目玉キャスター」に仕立て上げようとしたのが琢ちゃんだった。それに応えようと琢ちゃんも頑張っていた時代である。HONDAのVTECが強烈に光った時代でもあった。

 そのVTECを搭載したS2000、インテR、シビックR、プレリュードType S、トルネオSiR—Tがフル・ウェットのエビス東コースでしのぎを削る「チェック&バトル」。
 いつものように、賑やかで、デンジャラスなコーナーからスタートしている。因みに、バトルドライバーは、琢ちゃんを筆頭に桂伸一、原貴彦、木下隆之の若手に、お目付役としてガンさん。
 バトル中のガンさん(トルネオ騎乗)のコメント。
「みんな、張り切り過ぎだよ。オイ、オイ、オイ、危ないよ」
 バトルの内容は推して知るべし。



 2ndコーナーは『お父さんのためのハイテク講座①中谷シフトより速いスポーツAT!?』。アルファ156 20TSに搭載されているセレスピードで筑波サーキットを攻め、そのあとMTでも攻めたあと、中谷明彦キャスターが比較する企画。

 3rdコーナーは、琢ちゃんがドリドリ土屋の指導で『メーカー系チューンドカー“峠の戦闘力”』をまとめ上げている。この二人、相性がいい。

 さて、お目当ての4thコーナー。題して『お父さんのためのハイテク講座② ベンツで君も黒澤琢弥⁉︎』。あれあれ!プログレが主役というわけではなかったのか。









「こちらはベンツS320に装着された気になるハイテク、その名も“ディストロニックシステム”、略してDTR。クルーズコントロールにミリ波レーダーセンサーを追加、前を走る車を認識し、アクセルは勿論のこと、ブレーキまで踏んで車間距離や速度をコントロール、ということは琢ちゃんのドライブするクルマをDTRで追尾すれば、誰でも同じように速く走れるってこと?」
 こちらのナレーションは大森章督さん。懐かしい声と語り口だ。

 実験がはじまった。先行車を感知するミリ波レーダーの角度は、前方9度。100m先で11.25m幅となる。ステージは東名高速、大井松田ICから御殿場ICへ向かう長い登り区間か。琢ちゃんのS320は時速100kmでクルージング中。

 助手席で林竜也副編がサポートしている。
「あ、前の車がいなくなったんで、液晶(ディスプレイ)から姿が消えました」
「ああ、ほんとだ。因みにこっちも前のクルマと同じ車線に入ると、また画面に姿が出てくるんだ」



 先行車がいなくなれば、S320は設定速度に向かって加速する。ま、ここはプログレと同じだ。

 前を行くのがその頃デビューしたばかりのプログレ。「マルーン」と呼び慣らされた「レッドマイカ」のボディカラー。初期型のNC300かな。多分、国産車の代表として、自動運転化への可能性への足がかりとなるレーダークルーズコントロールをセットしての参加だろう。



 プログレが追い越し車線に復帰してダッシュを始めた。琢ちゃんが歓声をあげる。足元の車載カメラがスピードメーターの針の動きとシンクロして、琢ちゃんのブレーキペダルの動きを捉えている。
「ああ、いい感じ。(前方を疾走していたプログレが減速し、その車間がグーンと詰まってくると、琢ちゃんが何もしないのにS320のブーキペダルが勝手に踏みつけ始めた)これは絵になるよ」
 琢ちゃんの賑やかな実況中継はつづく。
「(S320が)お〜ォ、ブレーキ、踏んでる、踏んでる」
林「前のクルマが加速にはいりました」
琢ちゃん「お、お、こっちも加速しているね、(自動で)ブレーキを(解き)放して。なんか運転席にいながら、助手席にいるような感覚だな。もうちょっと50kmくらいに落としてもらって、一気に80km/hまで行って欲しいな。……、そうそう、ここから前にガーッと加速したのに、こっちがついていけるかどうか?」
林「お! キックダウンしてきました」。
琢ちゃん「うん、もうちょっと(パワーが)欲しいね、登りだから」

 こうして、ブレーキの踏力実験と称して急激な接近をやらかして、ピピッと警報音を浴びたりしながら、プログレを追尾したまま御殿場IC出口へ向かう。
 大森ナレーション「レーダーが捕捉できる角度は正面9度。ところが小さいRだと?」
 琢ちゃん「(二つ目のコーナーへ来て、プログレが)あ、画面から消えた!」
 林「消えていますね。画面から捕捉できません。加速しませんね」
 本来なら、ここで設定スピードに向かって加速するはずなのに。ガードレールを確認したためDTRは加速を指示しないのだ。


 ここまでで使った「尺」は3分45秒。琢ちゃんがまとめに入る。
「ま、キミも黒澤琢弥になれるっていうか、超えるっていうような感じは、残念ながら今のところムリだったかな。ただABSなんかも最初は安全面からスタートしたものが、いまやスポーツABSを使った方が速く走れるというように、
これからメルセデスとか国産メーカーも、スポーツ・クルーズコントロールに発展していく方向も無きにしも非ず、かな。車線変更した時の前車に対するブレーキ、要するに適切な車間距離を保つための減速に使われるブレーキのシステムは凄くいいと思います。対してプログレの方は、そこでシフトダウンをするだけなんで、どうしても最後は人間がブレーキを踏まなきゃならない。まだ第1歩を踏み出したところですから、第一歩にしてはよくできたでしょう」
 なるほど。琢ちゃんこそ「よくできました」賞を進呈しようか。
【正岡註:TOYOTAが2000年8月、セルシオに「ブレーキ制御付レーダークルーズコントロール(レーザー式)」を搭載】



 それから18年が過ぎて、この「ベスモ作品」を鑑賞した足で、プログレを駆って外出。行先は国立国会図書館。結構、大通りを抜ける。わたしの右手は無意識のうちにレーダークルーズコントロールをセットするレバーに伸びる。車速53km/hの設定で、結構、順調にドライブできる。またひとつ、楽しみが増えたようである。



Posted at 2017/12/06 00:33:19 | コメント(4) | トラックバック(0) | プログレSTORY | 日記
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1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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