『雨上がり』
ポタン。
ポツ。ポツ。
ザァアアアアアァ…
タタタタタ…洗車したばかりのストリームに、恨めしい音が響く。
砂利の駐車場に、青空駐車。
泥が、はねる。
2分としないうちに、ストリームはダートから帰ってきたようになってしまっ
った。
「雨、やまないねぇ」
『そうねぇ、ユリちゃん。今日はお外、出られないね』
「おくるま、あらったばっかりなのに」
『そ…そうね…』
今日は晴れたら、隣のお友達とうちのストリームでドライブに出かけ、遊園地
でお隣さんとこのコウジ君とユリを目一杯遊ばせてやるつもりだったのに。
梅雨の日曜は…晴れてはくれなかった。
「おかあさん、あしたは雨、やむかなぁ」
『うーん、止んで欲しいよね。そうだ!』
ユリと照る照る坊主を作ろう。
明日は平日だけど。ユリは雨の日の幼稚園が嫌いだ。
せっせと新聞の折込広告やらティッシュやら丸めるユリ。
『ユリ、それじゃぁ変な照る照る坊主になるよ?』
「いいの、おくるまにかざるから」
『え、車に??』
こうして出来上がった、ユリの…黄色やら赤やら緑やら…が入り混じった何と
も奇妙な照る照る坊主。傘を差して、二人で車に向かう。
「あそこに、あそこに」
と、ルームミラーを指差すユリ。
『はいはい。ここね』
不思議なことに、白のストリームとは対照的に、照る照る坊主が目立ってイン
テリアとしては面白いものになっている。
「雨、やみますように」
と手を合わす、ユリ。
『止みますように』
同じく祈る、私。
まだ、二人の傘を強く叩く雨。
遠くの空には、晴れ間が見えていた。
Fin☆