ダイハツ純正 , 寒冷地仕様車用 ヒータラジエターユニット 87107-B2020
今度は暖房用の熱源を供給するヒーターコアを取り上げます。冷房用のエバポレータは標準仕様も寒冷地仕様も同一部品でしたが、暖房時の熱源供給と冷房時の温度調整の熱源を担うヒーターコアは、コンテや同時期のL175系ムーヴでは、標準仕様と寒冷地仕様では全く違う部品が用いられていました。
標準仕様車 87107-B2010 ヒータラジエターユニット SUB-ASSY (S=21)
寒冷地仕様 87107-B2020 ヒータラジエターユニット SUB-ASSY (S=27)
コンテのパーツリストではヒーターコアの厚みには全く触れられておらず私は知らなかったのですが、コンテと同時期のムーヴL175系のパーツリストのヒーターコアの項目をみますと、厚みの記載がありました。
どちらの部品とも表面積は同じですが、標準仕様は厚さ21mm、寒冷地仕様は厚さ27mmと、1.3倍の差となる6mmもの違いがあり、体積比で考えればかなりな違いがあるように思えます。
エバポレータと違い、ヒーターコアはかなり小ぶりだし、フィンの目もかなり小さいので、厚みの違いはかなり効いてくるのでは、と想像しますが、私はラジエターの専門家ではないので、これらのことについてお詳しい方がおられましたらご教授下されば、お礼はできませんけどもうれしく思います。
当方のヒーターコアはフィンが黒ずんでいたくらいで、内部の腐食は見られませんでしたが、丸9年27万kmもの走行でヒーターコア本体と配管との接続部分からのクーラント漏れが不安になり、苦労して室内ユニットまで分解したので、エバポレータと共にとっとと純正の新品部品で即交換しておきました。ここまで分解するのが超大変なので、社外品と比べかなり高価ですが、信頼性に勝る純正部品を使用しています。
しかもこのヒーターユニットは流入バルブ等は一切なく、エンジンを始動してウォータポンプが回り始めれば、サーモスタットが開弁するまで無条件に全クーラントがヒーターコアを通過するようになっています。
制御バルブがないということは、壊れたり不具合になる箇所が少なく、真冬には暖房が効きやすくなりその点はいいのですが、冷房使用時でも、ブロワーファンが回ってない時でも、熱せられたクーラントはずっとヒーターコアを巡回し、1.1仕様のラジエターキャップからの加圧をずっと各部が受け続けるということから、クーラントが漏れだすと手が付けられなくなりそうです。
最悪、応急処置としてクーラントがヒータへ流入するホース(下側のピンクのペイント)と、クーラントがヒータから出ていくホース(上側の白ペイント)とを、加圧しても外れないようにジョイントとホースバンドでしっかりと連結すれば、暖房は効かなくなるものの車の運転は一応できますね。
ということでエアコン室内ユニット内のクーラント漏れを危惧して、2万円も出して純正の新品部品に交換しておきました。もちろん同時にこれまで一度も交換したことのなかったヒータホースも、ホースバンドもろとも交換したのはいうまでもありません。冷房用のエバポレータと同様に、こちらも新品のフィンになり、暖房の効き具合がどの程度向上したのかは真冬にならないと分かりませんが。
【2019年 12月 8日 追記】
ここのところ急に寒くなりましたが、今回放熱用フィンが新品になったせいなのか、昨年度よりもかなり暖房が効くようになっています。わずかにすきま風の侵入を許していたと思われる、運転席の足元にある、ステアリングコラムのダストシールドゴムを先日交換したおかげもあるかもしれませんが。
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ところで今回ヒーターコアについていろいろと調べていますと、アルミ製のヒーターコアは非常に電蝕(電食) にやられやすいというのがありました。大型車などであまりにもすぐやられる場合は、ヒーターコアそのものを電蝕により強い銅製や真鍮製に作り直して交換するようです。
冷却水クーラントで電蝕とは、素人目にはちと考えにくいところですが、冷却水路内での異種金属のイオンによる電荷の移動によりアルミが腐食してしまうようです。普通は電蝕などにやられないように、全容量の10%前後かそれ以下ですが防錆剤やら酸化防止剤や消泡剤等が、主成分のエチレングリコール(LLCクーラント)に添加されているはずです。
ところがクーラントを交換せずにずぼらな管理をしていますと、これら10%=1割ほどしか加えられていない各種添加剤が、熱と経年劣化で劣化し効力が無くなって各部が酸化してしまい (トヨタのロングライフクーラントはpH8=弱アルカリ性との記載が)、アルミは言うに及ばず、ゴムホースそのものやホースの差し込み口部分、あるいはラジエターコアなどの樹脂部の内壁を脆くさせてパリパリにし、最悪漏れるか破裂してしまいます。
もちろんアルミは電蝕で腐食、腐食によるサビや不純物が冷却水路内を巡り中古エンジンなどに載せ替えとなってしまうようです。
またクーラント交換時や補充時には受け売りですが、車メーカー純正品のクーラントはまずノンアミンタイプらしいので、純正品一択の方はアミンタイプのものは入れないようにしたほうが良いようです。サンポールではないですが混ぜるとかなり良くないとききました。市販品で補充する際には特に気を付けましょう。
というのか、各純正メーカー品とも、ロングライフクーラントの詳しい成分配合は表記されていないので、できれば純正品で交換もしくは補充しておくほうが安心ですね。
またトヨタ・ダイハツ系では、クーラント原液を水道水で割っても良いとの表記がありますが、これも精製水を用意して不純物の無い水を使うほうが断然いいようです。水道水のような不純物が入るとそこでもうクーラントの性能が落ちるようです。
当方ではいつも走行距離過多なので、クーラントは純正品一択、濃度はコンテの全容量約3Lに対し1.7Lほどロングライフクーラントを先に挿入し、残りを精製水で補充するスタイルで、これだと濃度は60%(凍結温度で言えば-50℃ちょい)前後となり、標準仕様車の2倍の濃度を確保できる分、腐食にはより強くなっているようです。
余りの0.3Lほどの新品クーラントはリザーブタンクに先に投入、あと0.3L=300ccほどの精製水を足せば50%濃度の補充液ができあがります。
こうしてエアコン室内ユニットを車内に取り付けた後、リインホースメントを取り付けてから各部配線をつなげ、ダッシュボードを元通りにしてから、ヒーターホース2本も新品交換し、真空引きのうえエアコン冷媒を投入、次に冷却水クーラントを投入してからエアー抜きをおこなって作業終了となりました。すべての作業を完遂するのに丸1日以上かかりました。
また室内ユニットのケースは長時間に渡る使用のため、ヒーターユニット付近のプラスチィクが熱でかなり黄変していたので、事前研究用に入手していた中古ユニットのケースに差し換えようとしましたが、ヒーターコアの厚みが6mm違うため蓋が閉まらず断念。新品のケースのみの部品供給もないためこれまでのをそのまま使ったことも申し添えておきます。
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我が家へ到着した新品のヒータコア。寒冷地仕様品ですが、ごく簡単な梱包で我が家へ到着。
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品番が入った空箱と、新品のヒータコアとのコラボ。
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背面の温風の吹き出し側を撮影。ヒータコアはエバポレータに比べますとかなり小ぶりな大きさです。
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新品と使い倒してきたヒータコアを撮影。エバポレータの時と同じくアルミフィンがかなり黒ずんでいます。
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前の写真をトリミングして拡大。エバポレータに比べフィンの目がかなり細かいです。
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標準仕様の厚さ21mmのヒータコアと、寒冷地仕様車用の厚さ27mmのヒータコアの写真です。
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徹底的に洗浄した室内ユニットに、まず最初にヒータコアを組み込みます。寒冷地仕様なので厚みがあります。
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この写真は概出ですが、手前がエバポレータ、奥側がヒータコア、右側がブロワーファンを組み込んだところ。
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右側がエバポレータで左側がヒーターコア。ヒータコアの風量を調節するエアーミックスカバーの装着前。
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エアーミックスカバーを装着。このカバーの角度を変えて温風の混ぜ具合が調節され、温度調整なされます。
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