今年最後の会議の為、
岡山に向かう新幹線を新大阪駅のホームでワタシは待っていました。
コートにストールにロングブーツ、
ファッションも寒さ対策も完璧だったはずなのに、
冷たくなった手に息を吹きかけ、寒さに震えながら
間の抜けたスタイルであることに気が付いたのでした。
「しまった!手袋が足りない・・・・」
普段ほとんど車で移動のワタシに手袋は必要なく、
あろうことか1つも持っていない。
そう、手袋をはめる習慣がワタシにはないのである。
手をゴシゴシと何度もこすり合わせながら、
遠い日のクリスマスイブに貰った手袋のことを、
ワタシはふと思い出しました。
まだ20歳そこそこだった小娘のワタシに、
年上の大人の彼がプレゼントしてくれた手袋。
箱の中に静かに入っていた、
ベージュ色のシンプルで上質な、とっても華奢な手袋を手に取りながら、
「ありがとう」と、ワタシは最高の作り笑顔でお礼を言ったのでした。
そう、実は落ち着いたデザインのその手袋は
自分の好みでは無かった為、全く嬉しくなかったのである。
当然のコト、1度たりとも彼の前ではめること無く、
その上品な手袋はいつのまにやら
ワタシの視界からも記憶からも、消えてしまったのでした。
手は年齢が出ると言い、
その人自身の色んなことが読み取れるように思います。
まれにドキッとするような、色気のある男性の手に出会うのは
きっとそういうことでしょう。
目は口ほどに・・・いえいえ手だって負けてはいないのです。
ワタシは幼い頃、母の手が大好きで、
白くてまろやかな、ふんわりと程よい肉付きの柔らかな手を握りながら
大人になったら女性は、みんな母のような手になるのだと信じていました。
でもどうでしょう・・
新大阪駅のホームで震えるワタシの手は、骨ばってやつれた貧弱な手。
母のような手には程遠い。
そうだわ、今のこの年齢なら、
きっとあの時のベージュ色の手袋だって、上手に着こなせるのではないかしら・・・
そしてかわいそうなワタシの手を、きっと素敵に魅せてくれるはず。
そう思いながら、ホームに滑り込んできたのぞみにワタシは乗り込んだのでした。
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自己満足ブログですので、コメントはお控えくださいませ。
3話連続でお届けする予定でございます。
(苦情、文句、ご意見はメッセにて受け付けます^^;;)
Posted at 2011/12/21 22:11:12 | |
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