お久しぶりです。エイプリルフール以降こちらは完全放置状態でしたが、406は春に車検も通してノントラブルで元気に走っています。
さて、もう3週間経ってしまいましたが、7月の3連休中日に毎年恒例の赤城山(風車ミーティング)に行ってきました。

ご近所406クーペとボルボC70とで赤城山麓の道の駅大胡へ。そこから例のごとくなんとなく(笑)赤城道路を登っていきます。
今年は他のミーティングなどと重なったり?で、例年より台数が少なめでしょうか?
天候は薄曇りで標高1300M超えの地はやはり涼しく心地よい。
今回写真は少なめです。

406軍団。先日幕張でお会いした群馬の方とも再会。この並びで緑のブレークは空気読んでませんね。(笑)

エッチな金時計を見たり。

気がつくと手前オープン系、奥は妙齢仏車並び、、、

ワンちゃんは暑いのか涼しいのか不明、、、チンクと顔が似てる?

背中合わせの白黒兄弟? チンクは左は4気筒、右は2気筒のツインエアー、そして黒いのがこの日かなり注目を浴びていた、クライスラー・イプシロンであります。
今回オーナー氏(bxxanc5さん)のご厚意で助手席、運転席の試乗をさせていただきました。
色々と印象深いクルマでしたので、オーナー氏の許可もいただいて(^^)、以下インプレッションです。
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クライスラー・イプシロン。ランチア・イプシロンが大人の事情でクライスラーとかそんなことはどうでもいいとして、小さな高級車なんて言われるこのクルマもとうとう4枚(5枚)ドアの普通のハッチバックになってしまったか、、、いやいや全然普通じゃないです、このクルマ。(^^)
車格的には隣のフィットと同じくらいかな?いや、イプシロンのほうが小さいでしょ。こうして並ぶとフィットのデザインも結構凄い。

外観で目を引くのはこのCピラーまわり。あちらこちらから直線、曲線がやってきて交差してまるで都内の地下鉄路線図のよう。永田町・赤坂見附あたりかな?(笑) にしても見事なデザインかと。ここだけ見ててもこのクルマ、飽きません。(^^)

永田町周辺(^^) (Googleマップより)

給油口を開けたらキャップがない! いや、蓋にキャップがついてるんですね。合理的といえば合理的。キャップなくした!とか騒ぎそうな気もしなくもないけれど。

中に入って目立つのはセンターにそびえるメーターパネルと、センターコンソール。
メーターは速度計、タコメータともにゼロが真下のやる気仕様、、と思いきや、色とデザインのせいかそんな感じは微塵もなくて、むしろエレガント。やっぱりイタリア車もメーターはお洒落だ。
センターコンソールは写真じゃわかりにけれども、ピアノブラックでツヤツヤ。ここはちょっとアレだなぁ、、。(--;)
リアシートはちょっと座面が前後に短いが、まあこのサイズではこんなもんか。

続いてボンネットを開けると、、、"CHRYSLER"! がしかしそれ以外まんまFiat500と変わらず。
そう、このクルマは直列2気筒、900ccターボのツインエアーエンジン。
エンジンをかけると、少し前の3気筒の軽自動車のごとくエンジン本体がプルンプルン揺れてます。なんとも言えない頼りない音も聞こえてきますね。

と、まず運転席に乗って気になったのが、左足の置き場。2ペダルゆえ足元が激狭!ということはないのですが、5ナンバー(!)サイズの外車右ハンということであまり期待はできないペダル回り、、ん?センタートンネル部分に謎の空間が!

なんとここに足を入れるんですね。私は500の運転席に座ったことがなかったので知らなかったのですが、500も同じだそうで。
(このクルマは敷いてあるゴムマットのせいで下のほうがちょっと隠れてしまってます。)
これ、最初はなんか気持ち悪いなぁと思いましたが、案外しっくりきていい感じです。さらには、センターコンソールがかなり出っ張っていて左足との隙間がかなり狭いんですが、これがコーナーをちょっと元気に走った時にちょうどニーパッドの役割をしてくれて、このフットレストとあいまって横Gがかかった時に踏ん張れるんです。シートのサイドサポートがあまりないゆえに、このフットレスト&センターコンソールはコーナリング時に体を支えるのにちょうどいい。(あ、そういうクルマじゃないんだけどなぁ、、、)
さて、このクルマは、MTベースでクラッチ&ギア操作をクルマ側がやってくれるいわゆるAMT。フィアットでいうところの「デュアロジック」。このクライスラー・イプシロンにおいては、「デュアルファンクションシステム」というらしい。
私はこの手のシステムはこれまでにほんの少ししか乗ったことがなく、かつ勝手ながらあまりよい印象を持っていない。まあそれは食わず嫌いのところが多分にあって、ゆえに今回このようにちゃんと乗る機会に恵まれたのはありがたい。

スタートは、赤城道路の中腹の駐車場。駐車場自体が傾斜してるし、出てすぐにダラダラと続く上り坂とコーナーが現れる。もっと平らなところからスタートしたいなぁと思いつつ、アクセルペダルを踏むと思いの外、なんにも起こらずにスルスルと上り勾配を登っていくではないか! 私が勝手にツインエアー+デュアロジックの性能を相当低く見積もっていた(失礼!)ので、あまりにもスムーズに赤城道路の上りを進んでいくことにかなり感動。(笑) アクセルそんなに踏んでないし、、。ギアチェンジもいつされたのかよくわからないし、、。
さらには、アクセルを少し踏み込むと少し不思議な感覚を伴って、必要十分な加速が!
その不思議な感覚というのはいわゆる低回転ターボのせいだと思うが、ターボの感覚というよりもプリウスやフィットハイブリッドなんかのモーターアシストの感じにちょっと似ているかも。
それにしても、燃費志向なのか結構早めのシフトアップがされ、勾配が緩やかなところでは4速に入ってしまったり。このエンジン、2000回転以上回っていれば「ビーン」という独特の音を伴いながら振動はあまり感じないのだが、2000回転を切ると途端に少し機嫌が悪そうなエンジンがプルンプルンしてる感じが車体全体に伝わって来てちょっと不満。ここからアクセルを踏めば加速に不足はないので制御としては問題ないのだと思うが、もうちょっと低いギアをキープしないのかなぁと。特にスポーツモードみたいのもないらしいので、ここはオートモードに頼らず、マニュアルモードにすればよいのでしょうね。
そう、走り出す前はツインエアー+デュアロジックの性能をかなり低く見積もっていた私。こんな赤城の上りじゃオートモードじゃ全然ダメなんだろうなと思っていたことを思い出し、あれ? そういえばオートのまま走ってあまり不満感じてないなぁと。
そこであえてマニュアルモードにしてみると、、、あ~、こりゃ楽し~(笑)
ま、それはわかっていたことなので当然だけどもやっぱりギアを自分で選ぶのは楽しいなぁと。パドルシフトが欲しくさえなっちゃいました。(笑)
オートでもマニュアルでも変速のショックがほとんど気にならないなぁという点についてよくよく考えてみると、つまるところ自分がMT車に乗り慣れているからだという結論に。
今時の普通のトルコンATしか乗ったことない人にはこの変速時のトルク抜けは非常に気になるかもしれないが、MT乗ってる(乗ってた)人には気にならないはず。MT乗りが気になるのは、変速のうまい/下手(シフトタイミングとクラッチミート)であろうが、このイプシロンのデュアルファンクションシステムはかなりうまい部類に入ると私は思う。
乗っていてどうしてもエンジンとミッションのことばかり気になってしまうクルマではあるけれども、他の印象も思い出すと、、、。
ハンドルは重すぎず軽すぎず変な癖もなくごく普通。
乗り心地はこのサイズとしてはこれまたごく普通かと。
オーナー氏は長らくハイドロシトロエンに乗られていた方なので、かなりの落差を感じるのでは?と聞いてみたが、これはこれで悪くないと思うとの弁。まさにその通りだと私も思う乗り味でした。

(手持ちの写真がなくなったので、クライスラーサイトより拝借。後ろは丸の内の日本工業倶楽部会館だね。)
短い試乗を終え感じたのは、「このクルマは相当面白い」ということ。
そしてそれが、ツインエアーエンジン+デュアルファンクションシステムの組み合わせによってもたらされているということ。
もちろんエクステリア、インテリアの奇抜さもこのクルマを積極的に選ぶ理由(多くの人はそうであろう)ではあると思うが、私はやっぱりツインエアーエンジン+デュアルファンクションシステムがこのクルマの魅力の8割以上だと感じた。
逆に言えば、そのエンジンとミッションの面白さがいつまで続くか?ということにもなるかと。長く乗り続けても楽しいと思えるか? はたまた信頼性の点は?
ひとさまのクルマに短時間乗せてもらっただけなのに、ここまであれこれ色々と考えさせられてしまう、なかなか不思議な魅力を持つクライスラー・イプシロンでした。
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長くなってしまったので、タイトルの「デハ?」は次回に、、、