
こんばんは。
秋の訪れもまだか、といったところでしょうか。
まだ暑さを感じますね。
昨日、仕事でアルトワークスを使って、荷物運びをしました。
荷役作業です。
120キロあっただろうか、
6キロの木炭をかなり運んでいきました。
いつもの通勤路を走って、えんやこら。
思ったより、というよりしっかり山の上まで走ったので
(いつもはドライバー一人が多いから)
アルトワークスの新しい魅力を感じました。
いっこうに進まない、そんなことを想定してたんですが、
アクセルをいつもより多く開けて正解。
回転が滑らかなので、エンジンフィーリングが快調。
さて、自分の中で、印象に残っているスキー、というのが
20年近い経験の中で、三度ありました。
1つは、中学生の頃、大山で滑った初スキー。
2つ目は、高校生の頃、芸北国際で出会ったパウダー。
3つ目が、ニセコ・グラン・ヒラフにて、山頂から嵐の中を滑り降りた経験。
ニセコに行ったのが2年前の冬。
2月の事です。
ニセコは世界的にも有名なスキー場。
『ニセコ・パウダー』と呼ばれるくらい雪質が良い事で知られています。
私がいったその日も外国人で賑わっていました。
ゲレンデは思っていたより、荒れていました。
そんな中、雪と格闘していたんですが、
コースの端のラインは雪で多少深くなっているのが面白くて、
そこで、興味があった、ニセコ・パウダーなるものに挑戦しようと
山頂へ向かいました。
スキーヤー、スノーボーダーならパウダーという言葉に魅了されるのが分かるはず。
しかし、パウダーに巡り会う事は、ゲレンデスキーヤーには結構難しい事なんです。
今ではスキー場に圧雪をしない自然コースなんてありますが、天候や雪によって
やっぱり,ベストな経験といえる体験は少ないでしょう。
ニセコでは、山頂付近が非圧雪地帯とされています。
私はその非圧雪地帯を滑るため、山頂(ニセコのグラン・ヒラフ側)へ向かうリフトに乗りました。
スキーヤーがリフトに乗っている時、その人が考える事といえば様々かもしれません。
しかし、やはりこれから向かうゲレンデに対する期待と、克服するための緊張感を抱えている事が共通して
いるのでしょう。
そのときの私も、これから滑るべき斜面のイメージと、自分の技術的に乗り越えるべき事を持って
これからのまだ見ぬニセコ・パウダーを待っていました。
リフトにしばらく乗ると周囲がガスに包まれ、一気に気温が下がり、風が猛烈に吹き付け始めました。
寒く、そのときサングラスを付けていましたが、端の方が凍るように痛く、
たまらずウェアのフードをかぶり、しのぐ事にしてしばらく乗っていました。
周囲はガスに包まれ視界はありません。
強烈な風でリフトもほとんど進まない。
そういえば、山頂付近がなんとかって放送してたな、
リフトに乗る前に山頂を見上げたときにはただ、もやががっているなとしか思わなかったのですが、
実際その中に入るとそこは嵐のまっただ中。
こんな中を滑り降りなければ
山頂、斜度があり、そこは深雪(実際は少し違ったのですが)
自分の技量と内心の戦い。
ようやくリフトが山頂へ届いたそこは風が凄まじく吹き付け、体を進ませるのも困難な状況。
視界の先にパトロールの人。無線に向かって叫んでいますが聞き取れないくらいの風。
この先に何があるだろう
先についていたらしいスノーボーダーたちが私より先に滑っていきました。
視界がないので、彼らの行き先も分からない。ふもと、斜面が全く伺えません。
スキーヤーは斜面の、これから滑ろうとする斜面を望んで、自分の滑るラインをイメージするのが
これから滑ろうとする覚悟なんです。
こともあろうか、これから滑るべき斜面が見えない。
斜面が見えない、つまりイメージがわかないのでこれからのラインが読めない。
どう滑るべきか。
私はスキーでは今までこういう困難な状況で、自分の技術を信じてきましたが、
今回のように、無事に生還できるだろうか、そう思ったのは何度も経験した状況の中でも、
初めてでした。
斜面を降りる、そう思いながら
私は滑り始めました。雪質はちょっと深かっただろうか、
しばらくすると猛烈な風で波打ったようになった雪面が見えてきました。
滑っていく先は見えません。斜度は感覚で、把握できるのは自分の足下だけ。
斜面を右方向へトレースすると霞の中に微かに日の光が。
私はそのまままっすぐのラインを選びました。
周りには誰もいなかったと思います。
滑り続けると霞が晴れ、私は滑り終わったのを確信しました。
あの嵐の中を滑りきった充実感、
何ともいいがたい満足感。
個人的な体験なのかもしれません。
人によって感じ方が違うのは重々承知なのですが、
私の滑ってきた斜面というのは、他人が同じ体験をする事はできません。
私は、なんともいえぬ、達成感に満たされ、
声を出しました。
嬉しかった、そういう気持ちです。
そのあと滑り終えた先にあるレストランにて休憩を取りました。
見上げると、ヒラフの山頂は霞がかかって、私の乗ったリフトは止まっていました。
またとない達成感。
いつもと違うスキー体験。
というより、私のスキーに対する姿勢を変えてくれた経験。
二度と味わえない
そう思っています。
これで私のスキーの昔話は終わり。
この3度の経験はスキー体験の中で私の中で1番印象に残っています。
では。

山頂を山腹レストランから望む
滑り終えた後
Posted at 2012/09/03 00:54:18 | |
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