11月21日 未明。
5時にならない頃だったろうか。この日、風邪気味で喉が痛くて目が覚める。薬でも飲むかとリビングに行ったときだった。
ピンポーン、ピンポーン。インターホンが鳴った。
暗い中に自転車と共にメガネを掛けたおばさんの顔が写る。
まだ真っ暗な、早朝と言うにも早い時間帯である。正直、気持ち悪い。ヤバい人だと思った。
ので、一回無視した。
しかし改めて、インターホンが鳴る。
「なんやねん!」ホントに、そう言って出た。キチガイかと思った。
曰く、「バイク、火付けられてますよ!」
「え?どっちの?!!」聞いても仕方ないが声に出る。
窓を開けて、見えるKDXのカバー上に、小さな火が3つ灯っている。
階段を走って下りて、横にあるホースで水を掛けて、火はほどなく消えた。
あのオバサン、なんでバイクって分かってたんだろう?もしかして、火を着けた本人か?!!と思って、おそらくそっちに行ったであろう方向に追いかけたが見当たらなかった。多分あっちに行っただろうという方向は分かるが、火を消す事しか頭になく、どこに行ったかは見てなかったし、逃げたのかとも思った。
火はすぐに消えたものの、二重掛けにしていたカバーは、ペラペラで燃えやすく、その熱で、シートやカウルが一部溶け、焦げ跡が付いた。
取り敢えず、消火はできたので、警察には連絡を入れておこうと思い、一段落してから、電話を入れた。
現場検証ということで、想定被害額などを訊かれ、写真を撮られて終了となった。被害者側なのに、KDXを指差した状態で、よく目にする犯人のような写真を撮られた(もちろん警察官はそんなつもりはないだろうけど)。
バイクを家の前に停めていることから気になって、防犯カメラは買っていたのだが、なかなか重い腰が上がらず、設置をしていなかった。
向かいのお宅にもカメラがあったが、自宅の壁の向こう側で火を付けられたので、火を着けているところそのものは写っていなかったらしい。
ただ、暗い中で、ポワッ、ポワッと明るくなり、そのあとに人が一人出てきたところまでは写っていたそうだ。
防犯カメラが必要だと思って購入し、あとは着けるだけだったのに、設置までしていなかった事を悔やんだ。
偶然仕事が休みの日だったので、風邪で喉が痛かったが、アドレナリンも出ていたのか、その日のうちに、勢いで防犯カメラは設置した。
、、しかし後の祭りである。
のちのち御近所の方との話の中で、火を着けたのはあいつだろうな、、というのは、なんとなく分かった。
ただ、放火している瞬間の証拠がないので、何もできない。最終の確証を得られない。
結局半年後ぐらいに、そこは家族ごと黙って引っ越していった。
親御さんは、すれ違えば世間話含め、御挨拶もキチッとされるし、マトモな家なのかなとは思っていたが、、。
あとから分かったことだが、インターホンを鳴らして教えてくれたのは、新聞配達をしていた人だったそうだ。残念ながら、この人は、火を着けた瞬間というのは見ていなかったとのこと。
ただ不思議なことに、何故か目が覚めて起きたところだった。さらに新聞配達の人が教えてくれたことで、消火も早くできた。
新聞配達の人が教えてくれてなかったら、、(最初疑ってゴメンナサイ)。
消火がもう少し遅れて、ガソリンに引火でもしていたら、、。
家の軒先である。自分はおろか、家族もろとも焼け死んでいたかもしれない、、。
犯人はイタズラ半分で着けたのかもしれない。そのことは許しがたいし、本当に腹立たしい。
しかし、バイクは外装がダメになっているぐらいで、被害はまだ少なくて済んだ。
考え方によっては、コレぐらいで済んだのは、不幸中の幸いで、ほんとうに良かったのかもしれない、、。
警察も、どうせこんなボヤはマトモに取り合わないだろうと思っていたが、家の前で延焼の危険性を重視したのかもしれない。1年弱ぐらいは近所に聞きまわったりはしてくれていたようだ。
最終的には犯人が上がったのかどうかは分からない。
落ち着いて見てみると、着火された左側より、右側のほうが見た目の被害が酷い。カウルは溶けて欠損している部分もある。カバーが至るところに溶着。
それと不愉快なのがススである。
石鹸をつけてサッと洗うぐらいでは全然落ちない。そしてカバーの中で舞っていたのだろう。至るところに入り込んでいて、その後のメンテでどこかを触るたびに手にススが着く。
ススは、墨の原料であって、1000年以上木簡などで残る物質である。粒子も細かいため、指紋の中の、さらに汗腺の部分にこびり付き、メンテ後に手を洗ってもなかなか落ちないのだ。
メンテをするたびに、なんでこんな理不尽な目に合わないとイケないんだと、怒りがふつふつと湧く。
気分が塞がるので、なかなか修理に手を付けることもできなかった。
いっそバイク屋に任せたほうが簡単に綺麗にもなるだろう。
、、しかし、金は余計に掛かるよな~、、と現実に戻る。
以後、KDXは復活のためのメンテの日々が続くことになる、、。
Posted at 2020/03/01 13:50:15 | |
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バイク | 日記