所属しているクラブの方のアドバイスで、前回更新の
FACE/FOOT切換アクチュエータのベローズの破れ、
ほぼ治りました。
材料が材料なので、どれ位保つ物なのかは未知数なのですが、最初に施工されたクラブのOさんの話では、2年ほどは不具合なく動いているとの事で、他にもクラブメンバーの何台かがこの方法で治っているとの事。Oさんに掲載の了承を頂けたので、概要を記しておきます。
事の発端は、銀VR号の風量不足で
あーだこーだと
試行錯誤していた時期・・・。
携帯のメールにクラブのOさんから1通のメールが。
Oさん(以下O)「久しぶり。Oです。みんからを見ました。俺の場合は吹き出し口の不具合は、ダイヤフラムのゴムのジャバラの劣化による気密不良でした。俺の見た車はみんなこれだったよ。
スポイトを加工して修理しました。 」
え"っ・・・(;゚Д゚)
スポイトってなんディスカ・・・!?
早速Oさんにメールを返します。
Ken138「スポイトって、ガラス製のスポイトの後ろ側に付ける、風船みたいな形のゴムの事でしょうかね?ダイヤフラムの本体は金属製ケースで見た感じ簡単には分解出来ないと思うのですが、かしめてある部分をグラインダーで切り飛ばすとかしてケースを割るんでしょうか?」
O「ダイアフラムは分解しないよ。ボディの外にゴムのジャバラが有るから、見れば分かる。
フェイス・フットのダイアフラムだけこの形状なんだよ。
スポイドは樹脂のジャバラの物です。」
そして、送られてきた写真がこれ・・・。
うーん、Oさん
やっぱ音楽の趣味がいいなぁ。ファッションもいつも大体こんな感じだし・・・。
じゃなくて。
問題はスポイトの形状なんだ。スポイトなら何でも良いという訳ではないはず・・・。ラベルから、多分これは
BeHAUS ベロペットスポイト BP-2
だと思うけど・・・。
うちの近所じゃこのメーカーのは売ってない。みんな
BOLLのスポイトだ。
まだ具体的な作業内容を聞いていないし、そもそも
ベローズをスポイトで直すなんて突拍子もない話、今まで幾ら探しても
そういう事例自体他車種でも見聞した事が無いので、このスポイトとアクチュエータの間で
どんな化学変化が起こる事になるのかを予想しつつ、なるべく同じ形の物を探さなきゃならない・・・。BOLLのはジャバラのケツが平べったい。恐らく、BeHAUSの様に
ケツが出っ張ってる物が必要で、失敗に備えてある程度の本数も必要になるだろう。
そうだ、
Monotaroのが丁度似たような形状でとっても安い。とりあえず10本ゲトー。
そして二つを組み合わせた結果がこれ・・・
加工はカンタン。ベローズの破れた悪い部分切り取って、スポイトの後端もデッパリ部分残すように切り取って、先端部分もロッドのストロークに合わせて切り詰めて、残りのベローズの山を2山ほど(大きさがはっきり言ってほぼギリギリなので)かなり苦労して突っ込み、先端側をタイラップで締め上げて、先端側とベローズ側の隙間に、ありったけのバスコークを詰め込んだ。おしまい。
・・・頼むから
引っ込めとか運営仕事しろとか言わないでくだしあ。
これ、
初見の人のほぼ9割は(゚Д゚)ハァ?となるか笑っちゃうだろうし、まともな整備士さんなら激怒するか( ゚д゚)ポカーンとなるかもしれないけど、本当に物凄いんですよ。まるでスタリオンのこのアクチュエータに誂えて作られたかみたいに、微妙なバランスで嵌ってしまう。ベローズの山の径とスポイト側の谷の径、シャフトの径とスポイトの吸い口の径、
幸運な要素が本当にいくつも重なって、こういう直し方が出来たんだと思います。
Oさんは元々かなりの重整備もこなしてしまう程の人なのですが、数年前にホームセンターの店頭で、
もしかしたらコレ使えるかも?と思って試してみたらホントに出来ちゃったという話を聞いた時は、本当に驚きました・・・。
恐らくこの方法は、スタリオンの本場アメリカでも全く知られてないのではないかと思います。まじパネェっすよ、Oさん。
実際は残念ながら漏れが完全に止まる訳じゃなくて、ごくごく僅かずつ漏れていってしまうし、バスコークが完全硬化してないうちは継ぎ目を変な角度によじると一気に圧が抜けてしまうんですが、少なくとも前後方向のみに動いているだけなら圧はそれほど抜けず、FACE側に負圧が掛かれば掛かるほどベローズの山とスポイトの山が強く食い込むので、結果として圧がより漏れにくくなる様子です。
FOOTの引っ張り側でもちゃんと縮んでくれるし、
FACEの押し込み側でも、負圧が徐々に抜けはするけど
ロッドが手では押し戻せない位の力は出てくれる。
・・・念のため一晩放置して詰めたバスコークの硬化を待った後、ベローズ側中心に隙間周辺にバスコークをごった盛にして、更に数時間ほどおいた後、FACE側で息を吸い込んでみた時は・・・。冗談抜きにマジでこの台詞を叫びたくなったお。
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i ゝ、_ | ´ ̄` | ,. '´ハ ,!
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\ノ ノ ハ ̄r/:::r―--―/::7 ノ /
ヽ. ヽ::〈; . '::. :' |::/ / ,. "
`ー 、 \ヽ::. ;:::|/ r'"
/ ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
| 答 |
これで勝つる!!!
\_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ
と・・・。
実際に(作業にえらい苦労したけど)車体に取り付けてみて、エンジンを掛けてFACE側の切り替えがきちんと動いた時には、
世の中何が幸運するか本当にわからんものだなぁ・・と思いました。
私の今回の方法では生きているとはいえ、元のベローズがある程度残ってしまうので、ここが再び破れる可能性は残っています。でもOさんによると、スポイトの吸い口側の長さを調整すれば、
最悪1山でも元のベローズが残っていれば再生は可能との事なので、今後これがどの程度保つのか、じっくり調査していきたいと思います。
本当にありがとう! Oさん。
教訓:2系統
アクチュエータのジャバラ(ベローズ)は、場合によっては
スポイトで治せる可能性がある。
追記:これはあくまでも応急処置なので、本来は最低でもベローズのみでも交換するか、出来ればアクチュエータAssyのMB188851なりMB123870自体を交換するのが一番いいと思います。まだディーラーから在庫照会の返答が来ていないので、この部品がYカンリかVカンリかもよく分からないけど、バックオーダーすればいつかは作ってくれる可能性があるのなら、私は1個でもバックオーダーを入れておこうと思います。
抜け道的な方法で
直せる方法があればあるほど、新品交換をする必要が薄くなるので、結果として
欠品部品が再生産される可能性も減っていってしまう、これが本当に難しい処なんです。
可能であれば、この方法で直した皆さんも、
一人1個でいいのでバックオーダーを入れて貰えれば・・・と願っています。
Posted at 2014/07/27 23:41:16 | |
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