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東京ディズニーリゾートのCMを見て心を和ませた方も沢山いるのではないでしょうか❓
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そうです。
この舞浜 ゆめのちゃんの人生のショートストーリーです。
いったいどんな物語なのか❓
ちょっと紹介してみたいと思います‥‥‥
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登場人物紹介
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眠る前に何度も読んでもらった『シンデレラ姫』の絵本。
「明日はここに行くのよ」
微笑む母の腕の中でゆっくりと眠りにおちていくゆめの。
心地よい揺れが止んで、重い瞼を開くと‥‥‥
夢から目覚めたはずなのに、夢の続きのように、そこには絵本で見た世界が広がっていた。戸惑いながらも父と母に手を引かれて歩く。空に飛んでいっちゃうんじゃないかと思うくらいたくさんの風船を持ったお姉さんや、ラッパを吹いて歩くお兄さんたち。そんな様子を見ているとなんだか心が弾んできた。
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父と母が立ち止まる。
「ほら」
と促され見上げると、
「えほんでみたおちろといっちょ!」
ゆめのは思わず身を乗り出して叫んだ。
「チンデレラひめのおちろだ!」
興奮しているゆめのを父が抱き上げる。
「シンデレラはお仕度中だから、先にあっちに行ってようね」
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トゥーンタウンへ進んでいく母。と、甘い香りが漂ってきた。そこにはおもちゃのようなワゴン車、ポップコーンワゴンだ。弾けるポップコーンに釘付けのゆめの。キャストのお姉さんがポップコーンバケットをゆめのの首に掛けてくれた。

まだ温かいバケットを抱え、ぎこちない手付きで蓋を開けて、ふわーっと広がる甘い香りに頬を染める。
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「パーパ、マーマ」
差し出されたポップコーンが輝く‥‥‥。

あの頃は自分の顔くらいもあるポップコーンバケットを提げ、ヨチヨチ歩いていたけれど、今ではくるくる踊りながらも目的地へとまっすぐ向かう。

そこにはあの時の記憶のままのシンデレラ城。お城に飾られたガラスの靴にも手が届くようになった。

「前に来たときから身長だって3センチも伸びたんだもん。今度こそシンデレラと同じくらいになってるわ!」
フンっと鼻息荒く気合を入れ、ガラスの靴にそーっと足をのせてみる……が、まだまだ同じサイズには程遠くガックリ項垂れるゆめの。
そんなゆめのを優しく見守っていた母が、お城の下にあるシンデレラの壁画が印象的なお店に連れて行ってくれた。
そこには眩く光るガラスたちがたくさん並んでいて。
「ゆめのがもう少し大きくなったら、きっと素敵な王子様がゆめのにぴったりのガラスの靴を持って現れるわ。それまでは…」
と、ゆめのの名前が刻まれたガラスの靴を差し出した。
「わたしだけのガラスの靴……」
受け取った靴を見つめていると、だんだん 胸が高鳴ってきた。
ふとお城の外を見る。と、そこには‥‥‥
「シンデレラだ!」
ガラスの靴を抱きしめ、ゆめのは大好きなお姫さまの元へ駆け出していく‥‥‥
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スペース・マウンテンで宇宙旅行をたっぷり楽しんだゆめのと、親友のまい、ちさと。

その傍を、一組のカップルが通り過ぎていった。
「えーん、怖かったよおー」
と、彼氏の腕にしがみつく女の子――微笑ましい光景だが今日は鬼門だ。
案の定、まいの表情が曇っていった。
「カップルなんて、みんなはじけて星になっちゃえばいいのに」
ぼそっと呟くまい。ちさとはあちゃーと肩をすくめ
「ダークサイドに堕ちちゃだめー」
とまいを揺すった。
今日の目的は失恋して絶賛落ち込み中のまいに元気になってもらうことなのだが、前途多難な雲行きだ。
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「次は? ビッグサンダー・マウンテン? それともスプラッシュ・マウンテン?」

ゆめのがあっけらかんと提案するが、ちさとがすかさず却下する。
「いや、この流れでそれはまずいでしょ。お星さまが増えるだけでしょ」
「そうかなあ、コースター系でいっぱい叫べば絶対すっきりするって」
「失恋どころか、恋もしたことないゆめのにそんな事言われても説得力ゼロなんですけど」
「……うっ」
返事に詰まるゆめの。だが、ゆめのには次の作戦があった。
「じゃあ、これでどうだ!」
と、バッグからなにやら取り出し、まいの頭にぎゅっと被せたのは‥‥‥ミニーマウスのカチューシャだ。
「へ?」
となるまい。
ちさととゆめのもお揃いのミニーのカチューシャを着け、まいの両脇を固める。
「今日はみんなでミニーの日!」
ゆめのが言うと、ちさとが
「ミニーの彼氏はミッキーなんだからね。ミッキーの家に突撃だー!」
と、トゥーンタウンの方角を指さした。思わず笑顔になるまい。
「あんたたち…… 大好き!」
まいは二人のミニーを抱きしめた。
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いつしか三人はパステルカラーが印象的なイッツ・ア・スモールワールドの前に来ていた。いつ来てもわくわくする場所だ。まいが懐かしそうに言う。
「私、小さい頃、ここが一番好きだったんだ……」
「童心に返るには最高のスポットだよね」
一方、ゆめのはどこからか漂ってきた甘いストロベリーの香りに心奪われていた。
「世界がひとつになった後はさ、チュロス食べよ! チュロス!」

顔を見合わせてくすくす笑う、ちさととまい。
「ほーんと、ゆめのって」
「色気より食い気だよね」
もちろんゆめのは知る由もなかった‥‥‥その、ほんの少し未来に運命の一瞬が待っていることを。
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朝の舞浜駅。到着した電車から乗客が次々と降りていく。家族連れ、カップル、友人同士のグループ、修学旅行生たち‥‥‥。
ゆめのはそんな中、一人佇み恋人を待っていた。彼、ケンとはこの場所での出会いがきっかけで

つき合うようになり、もう四年になる。ケンが就職してからは中々会えなくなったが、今日は久し振りのデートなのだ。
その時、携帯からメール着信音が鳴った。ケンからだ。画面に表示されたのは‥‥‥
[ゴメン、急に仕事が入った。終わったらすぐ向かうから、先に行ってて]
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その2時間半後。
ゆめのはケンと共に蒸気船マークトウェイン号の船上の人となっていた。
「ホントごめん!」
謝り倒しているケンだが、ゆめのはつーんとそっぽを向いたままだ。
「……怒ってる…よね?」
ケンは恐る恐るゆめのに話しかける。
「別に。怒ってないよ。仕事は大事だもんね」
ゆめのはケンの方を見もせずに答えた。
「でもケンちゃん札幌に転勤してからちっともメールの返事くれなくなったよね。それについては怒ってる」
「ええっ、そこなの? いや、仕事が忙しくてさ」
しどろもどろになるケン。
茂みの向こうを蒸気機関車が通り過ぎていく。こちらに向かって手を振る乗客たち、みんな幸せいっぱいで楽しそうだ。
(何やってんだろ私。ケンちゃんを責めたって何にもならないのに。こんなの楽しくない)
貴重な一日なのだ。一秒でも長く楽しい時間を過ごしたい。ゆめのは気持ちを切り替えて目の前の赤い谷を指差した。
「ねえ、あそこにタカのヒナがいるの、知ってた?」
「えっ?」
ケンは顔を上げ、身を乗り出して赤茶けた崖を探す。
「見えないよ、どこ?」
「ほら、あの岩山のてっぺん」
「おっ、いた!」
ケンが目をきらきらさせて笑う。
(そうだ、私が見たかったのはこれなんだ。大好きな人の、笑顔)
ゆめのは自分も自然と笑顔になっていくのを感じながらケンに寄り添った。
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マークトウェイン号が岸に近づいていく。アメリカ河の旅ももうすぐおしまいだ。
「次…… やっぱ一緒じゃなきゃ駄目?」
ケンの視線の先にはスプラッシュ・マウンテン。ケンはコースター系のアトラクションがちょっぴり苦手なのだ。
ゆめのは満面の笑みで答えた。
「当然! まさかこれ以上私をひとりにする気じゃないでしょうね?」

船を下りたゆめのは意気揚々と、ひきつった笑顔のケンを引っぱってクリッターカントリーへと向かっていった。
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何度来ても変わることなく夢溢れるこの場所。何度来てもドキドキワクワクする気持ち。それは今も昔も変わらない‥‥‥。
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「まずはどこから回って……」
ケンは地図とにらめっこして今日のプランを立てていた。
しかし、それには構わずゆめのとかのんはにっこり顔を見合わせ、
「もちろん、あそこ!」
と大きな屋根をドーンと乗せたカラフルな門の方を指差した。
そこはかのんが大好きなトゥーンタウンだ。
「よーし、今日も元気に行くよー!」
ゆめのはかのんをフワッと抱き上げ、踊るようにトゥーンタウンの門をくぐる。
「おおーい!」
ケンは慌てて地図を畳み、追いかけていった。
「じゃ、ミッキーのおうちに行こっか」
ゆめのは逸る気持ちを抑えながらもずんずん進んでいく。と、腕の中でかのんがジタバタと暴れだした。
「ママ、まって、まって!」
「どうしたの?」
と立ち止まるが、フワーっと漂ってくる甘い香りに、なるほどと振り返る。
ゆめのの腕をするりと抜け、ポップコーンワゴンの前で目をキラキラ輝かせるかのん。
ゆめのはそんな娘と昔の自分を重ね、懐かしさに目を細めた。
ポップコーンバケットを首から提げたかのんがケンと手を繋ぎ、満足そうに歩いてくる。
「マーマ!」
小さな手から差し出されたその一粒の輝きもやっぱり変わらない‥‥‥。
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地上の星が輝くようにパーク内にイルミネーションが瞬き始めた。
トゥモローランド・テラスで一休みするゆめのたちの後ろを笑顔の人々が行き交う。
「おなかいっぱいになったねー」
ぽっこり膨らんだお腹を抱え、椅子の背に凭れるかのん。そのまま別の夢の世界に行ってしまいそうだ。
「昨日も遅くまで仕事部屋に篭ってたけど、だいぶ疲れたんじゃない?」
ケンは心配してゆめのの顔を覗き込ん
だ。しかしゆめのは、目をトロンとさせて心地良さそうなかのんの髪を優しく撫でながら、満たされた表情でケンに微笑む。
「そんなの、ここに来てこの子の笑顔を見てたら、ぜ~んぶ吹っ飛んじゃった」
そこへ、ドーンと響く音と共に空に壮大な光の花が開いた。

眠気が吹き飛び、ハッと立ち上がるかのん。
「みてみて! きれいだねー」

光に手を伸ばそうとするかのんをゆめのが抱き上げる。二人に寄り添うケン。

舞い上がっては美しく開く光の花のように、ここに訪れては生まれる思い出たち。
ゆめのは幻想的な光の中で、今まで重ねてきた思い出を振り返りながら、この先にまたどんな物語がここで生まれるのだろうと思いを馳せていた。
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シンデレラ城は昔の記憶と変わらないまま、夢のように美しくそびえていた。

ゆめのは夫のケンとふたり、パーク内へと足を踏み入れる。
「あの子を連れてここに来たの、ついこないだのような気がするのになあ」
「あんなに小さかったかのんが、私たちにプレゼントだなんて、ねえ」
顔を見合わせて笑うゆめのとケン。娘のかのんのはからいで、今日は素敵な結婚記念日になりそうだ。
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「もしかして、ゆめの?」
チキルームのショーが終わったところで、ゆめのは不意に自分の名前を呼ばれて辺りを見回した。そこにはゆめのと同年代の女性が驚いた表情で立っている。
「えーっ! まい!?」
その女性が高校時代からの親友、まいだと気づいて、ゆめのは思わず声をあげた。
「どうして? 何でここで会うの?」
「すごい偶然ね、久しぶりー」
二人は手を取り合い、思いがけない再会を喜ぶ。
まいは結婚後、京都に住んでいて、同行の家族は娘夫婦だという。まいの娘の腰には、幼い男の子がしがみついている。
「あの子がお孫さん?」
「そうなの。どうしてもミッキーに会いたいって言って、今日、初めて連れてきたのよ」
まいが目を細めて言う。
「そうかあ、孫の世代になったのね」
しみじみするゆめの。かのんは来年出産予定だから、あと数年経てば自分も同じようにおばあちゃんとしてここに来る事になりそうだ。
まいがにやにやとゆめのを小突く。
「そっちは二人きりでデート? 相変わらずラブラブねー」
次はちさとも誘ってここで同窓会しよう、と約束を交わし、ゆめのはケンの元に戻った。
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「ごめん! 久々だったから話しこんじゃった」
「おかえり。忘れられたかと思ったよ」
ケンはあきれ顔で笑った。
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夕闇がパーク内を包みこみはじめた。
「そろそろパレード待ちするか」
「そうね、あ、でもその前にチュロス食べたい」
「若いなあ、ゆめのは」
「そう、ここに来るとね、若返るのよ」
あの頃にもどった気分で、ゆめのはチュロスの甘い香りを吸い込んだ。
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遠くからエレクトリカルパレードのテーマ曲がきこえてくる。ゆめのはケンの傍らに身を寄せ、近づいてくる光の洪水を見つめ続けた。

夢は続いていく。過去から未来へ、そしてさらにその先へ。このパレードのように‥‥‥
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あの短いCMの中にこれだけの物語があったとは‥‥‥。
自分にも娘がいるので、ついついダブって見てしまいます💧
皆さんも大切な人との素敵な思い出を沢山作って下さいね❗️
見て頂きありがとうございましたm(_ _)m