オートモビルカウンシル2017、今回はイタリア車とフランス車をまとめてアップします。
まずイタリア車から。
デザインの国、イタリア。それは車も同様で、新旧イタリア車を眺めていると、そのデザインセンスは他よりアタマひとつ以上抜けていると認めざるを得ません。
== アルファロメオ ==
ジュリアTZ(1960年)
まずはこの車。「ジュリアTZ」という車自体が素晴らしいのですが、この個体は「一度も走行していない新車状態」だそうです…
なんだか別の意味で「もったいない」という気がします(笑)
1300GT ジュニア(1971年)
丸いヘッドライトと大きなグリル。一般的なノッチバックスタイル。特になにか変わったことをしているわけでもないのに、とても個性的です。
それにしても「ジュニア」と「ジュリア」でなんだかややこしい(笑)
75(1987年)
75は懐かしいです。このモデルは「ターボ・エヴォルツィオーネ」(でいいのかな?)
ウェッジシェイプの効いた外観はとてもカッコイイ。1980年代の車なのに、見た目はあまり古くなっていないと思います。
ただし凝りまくり且つプラスチック感覚満点の内装はいかにも80年代です(笑)
パワーウインドウスイッチはルームミラー手前についているんですよね。窓を開けるたびに対向車にごあいさつ(笑)
マフラーが斜めに生えているのが不思議。
== ランチア ==
フルヴィア・クーペ 1600HF(1971年)
延々と赤い車が続きます。さすがイタリア車(笑)
なにげに超個性的なリアスタイル。リアエンドをクロームメッキがぐるりと。
デルタ・インテグラーレ HF(1992年)
ランチアはとうの昔にフィアット傘下になり、今ではすっかりモデルも減らされ…というより、ブランド自体が廃止の方向に向かっています。惜しいことだと思いますが、やはり今の時代に「かつての栄光」を取り戻すことは難しいのでしょうか。
== マセラティ ==
シャマル
このシャマルはフロントのスポイラーがとても個性的です。デザイナーはカウンタックと同じ、マルチェロ・ガンディーニ。
別のブースでもシャマルが展示されていました。赤いシャマルが2台。
== ランボルギーニ ==
カウンタック LP400(1976年)
みんな大好きカウンタック!
横から見ると、車というより「巨大なエンジンを運ぶために造られた車っぽいモノ」という感じがします。
ディアブロGT(2000年)
ウラカン・ペルフォルマンテ(2017年)
アベンタドールS(2017年)
いまさらですが、歴代のランボルギーニは、初期の一部を除いて「美しさ」というものをほとんど意識していない(というより無視している)と思います。そこはフェラーリとの大きな違いかなと。いろいろな要素はいったん横に置き、スーパーカーとしての理想のみを徹底的に追求している感じ。カウンタックにせよディアブロにせよ現行モデルにせよ、そこから生まれるこの迫力は完全に浮き世離れしています。ここまでやるか、という。しかしここまで徹底されると、それはもはや一級の芸術品です。
== フェラーリ ==
308 グループ4仕様(1977/1985年)
白と銀の308、マルティニカラー。凄い仕上がりです。
こりゃガチですな。
ディーノ 246GT(1970年)
この車はデザイン的に、私の最も好きなフェラーリです。本当に美しい車だと思います。
非常にバランスが良く、繊細で隙の無いスタイル。それでいてどこか愛嬌もあります。実車を目の前にすると、そのコンパクトさにも驚きます。後年のテスタロッサのような大柄で贅沢な12気筒モデルも良いのですが、ディーノはある意味でとてもフェラーリらしいと思います。
次はフランス車。
== シトロエン ==
2CV(1959年)
みんな大好き2CV!
…さすがにこれを今の時代に乗るのはいろいろな意味で厳しいと思いました。プレーンすぎます(笑)
DS 21(1972年)
逆に、こちらのDSはいかにも快適だろうと思いましたね。座ってみたところシートは分厚くフカフカしていて、まるでソファのよう。大きく、こんな個性的なスタイルにもかかわらず、運転席に座ってみるとボディの感覚はつかみやすいと感じました。運転もしやすそうです。
ボタン式のブレーキペダル(ブレーキボタン?)はどうやって操作するのかよく分からなかったのですが(笑)
他にもIDなど、派生車種含めずらり並んでいました。どれも綺麗にレストアされています。ただしお値段もかなりのもの…
SM
それからSMも。この角度から見るととてもカッコイイ。去年はゴールドのSMが展示されていました。
DS 19 カブリオレ・シャプロン(1965年)
DS コンコルド・シャプロン(1962年)
DSについてはこんな車も展示されていました。
DSをベースに、アンリ・シャプロンにより架装されたコンバーチブルとクーペ。非常に美しい。
かつてフランスには宝石のような高級車メーカーがいくつもありましたが、第二次世界大戦後、フランス政府の政策により軒並み消滅しました。今でもフランスのメーカーによって高級車は造り続けられていますが、イマイチ成功とは言えないのが正直なところです。
まぁ「フランス製高級車」というもの自体、当のフランス人自身があまり欲していないのかも。そんな中、新ブランドの「DS」は、プレミアム指向をどこまで追求するのでしょうか。私は華やかなフランス製高級車に復活して欲しいと思っています。
== プジョー ==
205 GTI(1990年)
309 GTI(1988年)
405 グリフ(1995年)
最後にぐっと現代的なプジョーを。とはいえ、今ではすっかり見なくなった車です。
フランス車といえば、我が国では熱心なファンも多く、規模自体は小さいものの一定の台数が着実に売れています。たとえば世界有数の自動車市場であるアメリカでは、ルノーもプジョーもシトロエンもとうの昔に撤退しており新車を正規で買うことができません。しかし日本では可能。それは我が国のフランス車ファンが熱心に支えてきたおかげだと思います。
しかし同時に、そのフランス車を一部のファンだけに独占させておくのももったいないことだと思っています。たとえば輸入車に乗ってその走りや乗り心地を体験したいが「ドイツ車は堅苦しくてイヤ、イメージが固まりすぎていてイヤ」という人も多いでしょう。そういう人にはフランス車はちょうど良いところにあるかと。最近のフランス車はハードウェア面の実力が急激に向上しており、日本車やドイツ車に勝るとも劣らない。デザインにしろ技術面にしろ、大いに魅力があると思います。
しかし販売網はあまりに脆弱です。ディーラー網やサービスの充実など、売る側がもっと力を入れれば、今よりずっと売れる余地があると思います。プジョーなんて、10数年前にあれだけ「206」が売れたのに、あとにつなげることができなかった。車の商品力はあるのに、売るための努力がまだまだ足りないと思うのです。
以上、イタリア・フランス車編でした。
←続きます。次はスウェーデンのボルボと、アメリカ車を少し。
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展示会 | クルマ
Posted at
2017/08/18 00:37:28