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2014年04月22日 イイね!

自分の車を設計する(仮想設計車に一番近い市販車はどれだ!) (その4)不定期連載

4.具体的なシステム設計
ようやく、少しは面白くなるかもしれませんが、大したことないかもしれません(^_^;)。

車格の決定
(1)軸距と駆動方式

車体サイズを決めるためには、まず何人乗りなのか、ということですが、望ましいのは4人~5人乗りであります。ただの趣味車にするのなら2人乗りも有りですが、そのような財政的余力はありません(ひょっとして軽自動車なら、、、の線は有りますが)。

次に乗員姿勢がスポーツカーのように低い着座で足を前に投げ出す形と、SUVのように高い着座で膝を曲げて座る姿勢とで、大きく違います。なるべくコンパクトにするなら姿勢は高くした方が有利です。そうやって決めて行くと人間の大きさは変わりませんので、一定の要求寸法が決まります。大体ミニマム2600程度がセダンとしての最低線かと思われます。

車の運動性能からはスタビリティとアジリティのトレードオフ関係になります。同じ舵角でヨーモーメントを発生させると、ホイールベース(以下WB)は短いほど機敏に立ち上がり、長いほどゆっくり立ち上がります。そもそも同じ舵角では旋回半径が違うからです。従って、長いWBでスタビリティを確保した車は、機敏に回頭させる「何か」が必要になります。逆に短いWBでアジリティを獲得した車は「何か」でスタビリティを担保する必要が有ります。

次にそのような要求性能に対して使える物理的手段は限りが有り、大きな制約となるのが駆動方式です。もっともWBを長くしやすいのはRR方式、MR方式、FR方式で、最後がFFですね。これは実態に即していませんが、設計上の制約要件からはこうなります。理由として長いWB車の旋回半径を実用的に小さくしようとするとタイヤの切れ角を確保する必要が有ります。昨今の車重の関係で幅広、大径タイヤが大舵角を取れるためには、ワイドな車幅か、狭いエンジンルームが必要です。

これに加えてFFやAWDの場合はフロントドライブシャフトの揺動角を確保するため、大トルク対応になるほど等速ジョイントの角度は曲げられません。従って同じ車幅の制約にすると、フロントタイヤの駆動系を持たないMRやFRが有利となります。もっともMRの場合は後席をエンジンが占拠してしまいますから、たとえミウラのようにV12気筒を横置きにしたとしても、5人乗りセダンは難しいでしょう。そもそも4座で、MRを追求するメリットは無いですから。

またRRも舵角は取れますが重量配分がWB間の後ろ寄りとなる本質から限界時のオーバステア傾向が付きまといます。なので今現在、911を除けば三菱iとルノーの3代目トゥインゴぐらいしかありません。ロングホイールベースに有利な構造を生かして車体目いっぱいホイールベースを延ばしてスタビリティを稼ぎ、アジリティは本姓のオーバーステアを引出しドリフトで走る・・・は楽しそうなんですけど時代の感覚とは会いませんよね(^_^;)。特に小型車では良くても、デカいエンジンを積む車では衝突時の安全性確保の点で、軽量車体には不利と考えられます。

ということから実態として、FF車は全長が短くても室内長の取れるWBが確保でき、重心が前寄りでもともとスタビリティが高く、小回り性とトラクションだけをなんとかすれば全体として最もコンパクトに車が作れる、、、となります。

ところがエンジン型式や駆動方式の考慮も必要です。FRの場合は縦置きエンジンが合理的ですが、FFの場合は横置きが合理的です。(当方の水平対向エンジンの場合には縦置きでもエンジン幅が広く、十分な切れ角を確保するには制約が有ります、同時にAWDの等速ジョイントの切れ角も制約になります、、なので車幅が広がることはスバルにはとても助かることなのです)ちなみに一例ですが、代表例を比較してみると

シトロエンのC5/メルセデスのE250
全長:4795/4880
ホイールベース:2815/2875
室内長:1970/1930

なので、コンパクトカーにはもっとも有利なFF方式と、元々十分な室内長が確保できるCクラス以降では、FFのメリットが薄れ、より大柄で大トルクとなるC、Dクラス以上はFRやAWDになっていると思われます。この辺りは昔の FF車のCDセグメント攻略の方程式はあるか?」に記した通りです。

車の運動性からはWBが短ければ舵角あたりの旋回半径が小さくなり、きびきびした動きが得られる反面、逆に直進安定性からは過敏と言うことになります。スポーツドライビングを好む観点からはWBは短いほうがいいと言う認識が有り、逆に乗り心地の面では当然ながら、凹凸による姿勢変化の小さいロングホイールベースの方が理論上、乗り心地(フラットライド感)が良いと言えます。またシート配置も重要で、WBの中央付近にドライバーシートのあるクーペやスポーティカーはドライバー優先で、リアシートの乗り心地も重視するセダンならフォワードキャビンとしてリアシートをなるべくWB中央付近に置きたいでしょう。

このような、WBと旋回半径の物理的制約を突破する技術にアダプティブステアリングリアステア技術が有ります。

前者には、速度域に応じてハンドル量と操舵比を変えて取り回しを改善レベルと、スタビリティ制御側からハンドルとは切り離されて舵角をコントロールするタイプがあります。後者もほぼ同様ながら、個人的に期待しているのは後者ですかね。それはドライバー側のインプット情報を直接変更する前者には、ヒューマンエラーの懸念があります。(人間はとっさにパラメータを考慮できないですからね。)

最近私が見直しているのはポルシェやトヨタ、ホンダが投入してきた極わずかなリアのトーコントロール制御です。


リアタイヤに僅か、1~2度の舵角を与えるもので、これによってアジリティとスタビリティのトレードオフを解決する技術になりつつあります。
ゴムブッシュなどのパッシブ制御ではどうしても受ける外力に応じた制御しかできず、相反する動きを持たせることは不可能でした。そこで結局は車両運動制御の一環としてヨーコントロールを担うキーテクノロジになってきそうな予感がします。

続く
Posted at 2014/04/22 19:37:40 | コメント(0) | トラックバック(0) | チューニング独り言 | 日記

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