2005年02月19日
今日は土曜当番。朝9時半に出社し、なかなか進まない翻訳本(専門書)の原稿チェックで時間を費やす。
それにしても、いまの学生の英語力はヒドイ。「修士」あるいは「博士」にしても、そんな肩書きが「英文をきちんと訳せる」ことを約束してくれないことを、身をもって体験している。
「翻訳」って何なんだ? 英語の原文を翻訳ソフトにかけ、出てきた日本語の語順をちょっといじって調整すればそれでいいのか? 意味が通じなかったら、つじつま合わせの適当な言葉を追加して、著者が言ってもいない勝手な解釈を付加していいのか?
もちろん、こうしたことをきちんと理解している学生もいるが、今日は1時間に何度もため息をついてしまった。
そんな例をあげていたらキリがないので、ここでは笑ってしまった例を2つだけ記しておこう。
「高い医療設備の使用率」「医療節約プラン」……ん? 高額な医療設備? 医療を節約するって何?って思って原文を見てみると、それぞれこう書いてある。
「high medical-benefits utilization」
「medical benefits plan」
ははーんである。この学生は「benefit」の意味を正しく理解していなかったわけだ。
もし、「benefit」という単語のニュアンスがわかっていれば、ここでは「給付」の意味で使われていることにピーンときただろう。そして、それぞれ「医療給付(制度)の高い利用率」「医療給付プラン」と訳せたに違いない。
辞書を引け! そして、「訳語」として適当な言葉を探すのではなく、英語の単語が表す背景のニュアンスをつかめ! である。
……あ~あ、こんなこと言っても結局、何にも変わらないんだろうな(涙;;)。
Posted at 2005/02/21 01:21:47 | |
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