2月の連休初日のこの日はライヴに行って来ました。
我が分身にして、音楽活動における私のアバターとも言える“ROLLY”さん率いる「すかんち」の30周年を祝したツアーのファイナルである。
あえてここではローリー寺西という表記にさせて頂くが、その彼の音楽を聴く様になって既に20年近い年月は流れた。
その頃の私は洋楽一辺倒だったワケだが、お茶の間に登場する機会が増えたローリーが何故か気になって仕方がなかったので、「すかんち」のベスト盤を買って聴いてみた。
するとそこに収められていた音楽は私の趣向にピッタリで、曲のメロディや歌詞、彼のギターと声など、「自分のやりたいこと」の全てがここにあったのだ。
“日本の洋楽”と称されたそのサウンドは70年代洋楽ロックに強く影響を受けており、そこに面白可笑しい歌詞がなんとなく昭和歌謡を思わせるメロディーに乗っかっていたりして。
どこかで聴いたことのある様な、なんて形容ではなく“まんま”だったりしてもそんなのお構いなし。
色んな音楽がローリー寺西というファクターを通して出てきたものであれば、それがすなわち彼の音楽なのである。
音楽的な要素以外でも彼にはシンパシーを感じる部分が多くあったのもすんなり入っていける要因でもある。
ネクラでオタクで、デブで、O型で、ともすればイジメられっこだった彼がギターを弾くことでそこからの脱却を図るという自伝本も読んだ。
“自分の考えるロックスターとはこうあるべき”という信念のもと過激なダイエットを実行し、彼はまさに“神”になった。
私もすぐに影響されて同様の方法ではないが参考にして実際に17kg近いダイエットに成功したこともあったっけ(笑)。
その頃既にギターを弾く様になってはいたけれども、なかなか彼のようには弾けなくてそのパフォーマンスの部分だけかなり強く影響を受けていることだけは確かなのだが・・・。
アルバムを買い集め聴く様になって直ぐのこと、この「すかんち」は解散してしまう。
その後、寺西を省きソロアーティスト「ROLLY」となり、今に至るまでお茶の間のロックスターとして確固たる地位を築き、休むことなく精力的に幅広い活動を行っている。
気が付けば「すかんち」を結成して活動を始めてから30年を迎えるのだが、誰も祝ってくれないので自分で自分達を祝う為に再結成してツアーを行う運びとなった。
ROLLYとしてのライヴには何回か経験しているのだが、実はこの「すかんち」は初めてということになるのだ。
まだ一人で音楽をこそこそ聴いていた頃とは異なり、今は隣に私の一番の理解者であるカミさんがいて、彼女曰く“似てる”と言わしめたローリー寺西率いる「すかんち」のライヴに一緒に行くのだからこれも縁だと思える・・・。
非常に長い前置きで申し訳なかったが、今回のツアーファイナルに挑むにあたってそういう積年の思いがあることは理解して欲しかったからなので勘弁して欲しい。
「アメイジングすかんち」と題された今回のツアーファイナル公演は渋谷公会堂。
なんと17年ぶりだと言う。
ローリー寺西、小畑ポンプの2名に、サポートベーシストとして元マルコシアスバンプの佐藤研二とキーボードの小川文明という布陣。
そこにオリジナルメンバーでありながら途中で脱退したドクター田中の復活、そして今回のファイナル公演にのみ参加であるShima-chanというスペシャルなメンバーで行われた。
数年前、不慮の事故によりベースはおろか歩くことすら出来なくなってしまったShima-chanだったが今回の30周年にあたり歌くらいは歌いたいという本人の希望で実現した。
正直に言ってヒット曲というモノは皆無である「すかんち」だが、ここに来ているファンならば皆知っている名曲の数々がズラリと並び、それをひたすら演奏するといったシンプルなモノだった。
比較的良い席だったからギターを弾きながら歌う我がアバターの姿を見ることが出来たのは素直に嬉しい。
しかしながら、ギターの音が1本しか無いというのはやはり寂しい。
歌いながらなのでフレーズも少なくなっているのも仕方ないが、近年のサポートギタリストを同行させているライヴよりも随分後退していた気がする・・・のは私だけ?
CDというパッケージで聴いた数々の名曲もその再現性の低さが少々気になったのも否めない。
まァ、そういうモノなんだろう、と気持ちを切り替えて他の部分を楽しむことにする(爆)。
で、一番凄かったのはリズム隊の2名だ。
ポンプさんのその体格から繰り出されるドラムスはホントに重く、ジョン・ボーナムを思わせるのでとにかく嬉しかった。
現在ローリーとは「The 卍」で一緒に活動している佐藤研二のベースプレイには圧倒されっぱなしだった!
左手にトレードマークである白い手袋をはめた状態でブンブンと唸らせて、殆どリードベース状態!
私が一番好きなベーシストである元聖飢魔Ⅱのゼノン石川をもっと凄くした様な感じで、コレにはビックリした。
後半何故か2人いるキーボーディストが両名ギターを持ち替えての3人ギターと1ベーシストによるプレイが一番楽しかったなァ。
特にドクター田中は私が興味を持った頃には既に脱退していたので、そのキャラクターも全然知らなかったので非常に嬉しかった。
大好きな曲「時間の言葉」を演奏してくれなかったのが非常に残念だったが、初めてにして(多分)最後の「すかんち」を楽しんで来ました。
書きたいこと、言いたいことはもっと一杯あるんだけれども、もういい加減長くなり過ぎなので、このヘンで終わりにしましょうかね(笑)。
ホント、最後まで読んだ人(いるのかよ?)、お疲れさんでした。