
開戦当初圧倒的な戦果を挙げたMSであったが、それはミノフスキー粒子散布下における新体系の兵器という利点を最大限に利用していたにすぎなかった。連邦軍の死にもの狂いの戦力の建て直しによって戦線が膠着化した大戦中期以降、国力の乏しいジオンは大艦隊とMS機動部隊による大規模な作戦は行えないでいた。MSは、圧倒的な戦力の裏付けによる一大作戦か、少数による隠密作戦にしかその利点を生かせなくなっていったのである。MS-06Eはこうした状況の下でMSの宇宙戦闘機としての観点から偵察部隊の確立のため開発されたものであるが、それはあくまでザクの万能評価に基づく簡易機に過ぎないものであった。
MSの機動力を活かした戦略偵察機として転用された06Eは、当初Fタイプと比べても装甲を薄くせずユニット化された探知システムを装着しただけの極めてマイナーチェンジのものが計画された。これは戦闘状態に突入した場合の即時武装化に軍部がこだわったからである。しかし試作機は死角から徐々に軽量化が図られ、06S用のロケットエンジンをボブアップした改良型が装備され、頭部には通常のモニターカメラの代わりに大口径の高精度カメラがつけられている。またガラスシールドは排除され、上方向へ向けての縦ロールができるようスリットが追加されている。
Posted at 2005/05/26 00:05:28 | |
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MSV | 日記