先週の週末、スイス東部から、オーストリア西部、南ドイツ、チェコにかけて、記録的な大雨が降り、この一帯を流れる川が増水し、この1週間、川の下流の街に大きな被害をもたらしてきた。
ドナウ川も、この大雨で、増水した川の一つで、2002年に比較的な大きな洪水があったそうであるが、各地でそれを上回る洪水となった。
特に、イン川とドナウ川が合流するパッサウでは、16世紀以来の大洪水となった。
オーストリア国内でも、ザルツブルク周辺、メルク、バッハウ渓谷の周辺の街は、大きな被害を受けた。
ウィーンは、19世紀から大がかりな治水事業が行われていて、被害は少なかったが、その増水は、更に下流のハンガリーに進んでいて、ドナウ側周辺の住民にいまでも避難勧告が出されている。
この増水は、さらに下流の国へと進んでいく。

ウィーン市内のドナウ川は、水曜日から水位が下がり始め、また、木曜日から天気も晴れて、すっかり、いつもの初夏の気候に戻ってきた。
金曜日に、妻とウィーン市内のErnst Happel Stadionで行われた、ワールドカップ予選のオーストリアvsスウェーデン戦を観に行った。
2014年ブラジルワールドカップには、我が日本は、いち早く出場を決めているが、ヨーロッパ予選は、これから本格化するところである。
オーストリアが入っている、グループCには、ドイツ、スウェーデン、アイルランドといった強豪が含まれていて、これまでのところ、ドイツが、頭一つ、二つリードしていて、その後を、オーストリア、スウェーデン、アイルランドの3カ国が並んで追いかけている展開となっている。
この試合は、プレ一オフに進めるグループ2位を目指す両チームにとって重要な戦い。
スウェーデンサポーターを含めて、観衆は48,500人。
いつものように、試合前に、ヨハンシュトラウスの
ラデツキー行進曲が流れ、観衆は、オーストリアカラーの旗を振って、一気に盛り上がった。

オーストリアでは、この試合は、イブラヒモビッチとダヴィド・アラバの両チームのエースの戦いという取り上げ方をしている。
アラバって、誰?と思う方も多いと思うが、アラバ(写真の右端の選手)は、今年の欧州チャンピオンズリーグで、優勝したバイエルン・ミュンヘンの主力選手。
まだ、二十歳で、父親がナイジェリア、母親がフィリピンからの移民で、本人はウィーン生まれで、オーストリア国籍を持っている。
この試合、アラバがPKを決めて先制し、その後も、オーストリアが優位に試合を進めて、2対1でスウェーデンに勝った。
スタジアムは、この勝利で大盛り上がりで、アパートに戻ってテレビをつけたら、まだ、スタジアムから中継していた。
水害と、もやもやとした天候を吹き飛ばす、気持ち良い勝利であった。
Posted at 2013/06/09 05:10:34 | |
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