都市の景観は、特にそれがヒューマンスケールを越えてしまうと、優しさも暖かみもないものになりがちです。高層ビル群は遠くから眺める分には爽快ですが、その足元を歩くと、自分の矮小さを突きつけられるようで不快です。コンクリートとガラスと金属と申し訳程度に整理された緑の続く、何の慰めもないワンブロックを歩くことほど都市の不毛さを感じる事はありません。
RICHO GX100
1/8sec F/2.5 プログラムAE(スポット測光)
ISO100 EV-0.7 24mm
個人的には都市開発についてはやや否定的な感情を持つのですが、最近の大規模な開発の場合は(ビルの高さや巨大さを誇示する部分は依然としてあったとしても)、ビルの足元にはヒューマンスケールの「街並み」を計画されることも多くなり、上記のような疎外感を感じることは少なくなりました。目線の位置には慰めになるショップのウインドウや、カフェのテラス席があり、楽しみながらビルの足元のワンブロックを歩くことが出来ます。
物理的には同じように長いワンブロックだったとしても、ウインドウのディスプレイを見ながら、カフェのコーヒーの香りを嗅ぎながら歩くのは苦痛ではありません(いえ、むしろ楽しみさえ感じます)。目線を上げさえしなければ気持ちのよい街並みを歩いている感覚です。
そして、そのような環境があってこそ、ふと見上げる摩天楼の高さと巨大さに、素直に驚嘆出来る、と思いました。今週の一葉は、そう思った六本木ヒルズの夜景です。
都市の明かりを幽かに映した深い藍色の空が美しかったです。
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Posted at 2007/11/17 22:23:57 | |
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