暑いと思っていたらいつのまにか肌寒くなってすっかり秋ですね。
夏場は熱中症が怖くてなかなかどこかにいくことも控えがちになっていましたが良い季節になりました。
ふとそんなときに神宮にいきたくなりました。
神宮といっても名鉄本線の神宮前駅じゃないですよ。
伊勢神宮です。
昨年式年遷宮を終えて、お参りにいきたいとおもっていましたが、さすがに注目されている中では大混雑は必至。
1年ぐらいたって落ち着いてきたらお参りに行こうと思ってました。
実は
式年遷宮の前の年にお参りにいったんですよ。
あれから3年、どのようにかわったのか気になりますものね。
ちょうど10月19日は伊勢市にある陸上自衛隊明野駐屯地で航空祭がありますので、それにあわせてお参りにいくことにきめました。
ということでいってきまーす。
伊勢神宮がある伊勢市まではT-4練習機で20分もかからないかな。
速いよね。
伊勢神宮は内宮と外宮があります。
外宮をお参りしてから内宮をお参りするのが通常なのですが、わけあって内宮を先にお参りすることにしました。
内宮に行くには近鉄五十鈴川駅や近鉄伊勢市駅からバスが出ているのでそれに乗るのがはやいですね。
10分間隔ででているのであわてる必要もありません。
内宮前につきました。
でもその前におはらい町で何か食べましょう。
名物松坂牛の牛串。
大きさはおでんの中に入ってる牛すじ串ぐらいの大きさ。
これで7ドルもするぜ・・・・さすが松坂牛。
伊勢といえばやはり伊勢うどんはかかせません。
ちょっと奮発して月見伊勢うどんをたのみました。
コシがまったくない麺に濃いしょうゆベースの汁はかなりクセがありますが、慣れてくるとハマりますね、これ☆
さて、この後おかげ横丁までいきたかったのですが、写真のとおりものすご~い人だったのでおはらい町通りの1/3ぐらいで引き返しました。
ここで疲れちゃったらお参りできないもんね。
でも伊勢エビコロッケバーガーとチーヅをはんぺんでくるんだチーヅ棒は美味でした。
さて、いよいよ内宮にお参りです。
宇治橋の前に大鳥居があります。
非常に大きな鳥居ですが高さは実に7.44メートルもあります。
この大鳥居は宇治橋の外と内に1箇所づつあるのですが、外側のこの大鳥居は外宮の旧正殿の棟持柱が用いられています。
見ることができない正殿ですが、この巨大な鳥居が正殿の柱だと思うとその巨大さを感じられますね。
それにしても本当にピカピカですね。
もちろん式年遷宮でこの大鳥居もたてかえられます。
宇治橋を渡ると日常世界から神聖な世界へという気持ちになっていきます。
内宮は右側通行になります。
外宮では左側通行になりますが面白いですね。
こちらは宇治橋の右側から見た風景。
青々とした林の碧がとてもきれいで日常世界とは違った時間が流れてるんだなと感じます。
下の写真では川に8本の大きな杭のようなものが見えますが、これは木除杭です。
宇治川が増水した場合に流木などが衝突して宇治橋を壊さないために作られた杭ですね。
宇治橋を渡ってすぐのところにあるのがこの神苑です。
神苑は白い玉砂利が敷かれた広場やその横にある庭園のことのようです。
とても丁寧に手入れがされている庭園ですね。
ここを歩いていると皇居に似た雰囲気を感じます。
古札納所の隣に川が流れています。
火災の延焼を防ぐために御池から溝川が五十鈴川に流れているんですね。
ここにかかってるのが火除橋です。
第一鳥居になります。
この日は汗ばむほどの陽気でしたが、参道は心地よい涼しさでした。
この鳥居は非常に立派ですが、威圧感を感じず、自然と調和してるように感じました。
祓所を下ると五十鈴川の御手洗場になります。
本当に綺麗な川ですね。
この御手洗場で清めて参拝にいきます。
御手洗場は元禄5年に徳川綱吉の生母、桂昌院が寄贈した石畳で作られたそうです。
さらに参道を進むと第二鳥居がみえます。
行き交う人は多いのですが参道を歩いていると日常世界から本当に離れたところにいるんだなと感じます。
江戸時代、庶民は一生に一度のあこがれとして御伊勢参りが行われていましたが、江戸時代の人たちも、もっといえば鎌倉時代も平安時代も、そして2000年前の人たちもこの道を歩いてお参りにいったんだと思うと「くにの歴史」として今に繋がってるんだなと考えてしまいます。
下の写真はサルノコシカケが生えていたので写してみました。
こちらは御厩です。
「みうまや」と読みますが、その名前の通り馬小屋になります。
皇室から牽進された神馬が飼育されるところです。
残念ながら神馬を見ることは出来ませんでした。
屋根には苔が生えていますが、ここも式年遷宮にならって作り変えられていくんでしょうか。
内宮神楽殿です。
ご祈祷をする場合はここでお願いしましょう。
神宮内の建物の多くが古来の日本を感じさせるなかでこの神楽殿は雰囲気がずいぶん違うのが面白いですね。
今の神楽殿は昭和53年に全面改築されたものなんだそうです。
御朱印もここでいただけます。
神事や儀式などをおこなう場所です。
名前は長さから「五丈殿」といいます。
シンプルな建物ですが神聖さを感じます。
このような神事を行う場所が神宮内にはいくつもありますが、神宮ではお祭りが年間千数百回行われているそうです。
お祭りはもちろん神事ですが、2000年前から現在まで絶え間なく神事が続けられているってすごいことですよね。
ひとつのことを毎年続けることは非常に難しいことです。
止めてしまうことは簡単ですがそこで途絶えてしまいます。
途絶えてしまったらそこで伝統は終わってしまいます。
その伝統を2000年以上途絶えさせずに続けているわけですから歴史や伝統といった簡単な言葉ではあらわせられない重いものを感じます。
土地があって人が住んでいて、その人たちが「日本」を名乗っていてもそれだけでは日本ではありません。
古来からずっと続いている伝統、精神を引き継いでいてこそ「日本」という国です。
文化や価値感は時間とともにすこしづつ変わっていきますが、何年、何十年、何百年、そして何千年と変わらないもの、変えてはいけないもの、引き継いでいくものをもっているってすばらしいことだと思いません?
こちらは御酒殿です。
もともとは御神酒を醸造していた場所ですが今は御神酒を納める場所のようですね。
屋根に生えた苔が時間を感じさせます。
これは忌火屋殿です。
ここで御火鑽具をつかって火をおこして神饌を調理します。
「忌火」とありますが清浄な火のことのようです。
御贄調舎です。
以前お参りに来たときと比べると新しく建て替えられているのがわかります。
ここで神饌として鮑を調理する場所ですね。
小柄ですがとても格調高いですね。
御稲御倉といいます。
御稲御倉神をお祀りしている場所で神宮神田より収穫した抜穂の御稲をおさめています。
さて、いよいよ内宮の中心になる正宮です。
ここから先はたいへん神聖な場所なので写真を撮ることは許されませんし正殿の全体を見ることも出来ません。
正殿には天照大神がお祀りされていますが、絶え間なく参拝者が手を合わせていきました。
ここではいわゆる個人的なお祈りではなく、「国」についてお祈りするのが正しいようですね。
実際私もこの場に来ると個人的な願いは頭に浮かんできませんでした。
日本の平和が続きますように
日本が大きな自然災害に襲われませんように
日本がエボラ出血熱などの疫病からお守りください
と願いをしました。
伊勢神宮といいますが、単に「神宮」というのが正しいようです。
ここ内宮は皇大神宮と呼ばれ、御祭神の天照大神が皇居を出られて御鎮座されたのが垂仁天皇二六年といいますから2000年以上の歴史があります。
20年ごとに社殿を建て替える式年遷宮は1300年つづけられているそうです。
20年というのは考えてみると絶妙な時間ですね。
例えば15歳ぐらいで若手の職人として式年遷宮の社殿の建て替えに携わったとすれば、20年後はベテランになってる35歳、さらに20年後には55歳ぐらいですから師匠といったところでしょうか。
式年遷宮のたびにほぼ毎回必ず以前の遷宮に携わった人がはいることで着実に技術や神事などのノウハウが続いていきますものね。
長くなったので後編につづきます。
伊勢神宮にお参りしてみた。 前編/後編