愛のスコール

　今日は日中いい天気だったので街の書店に出かけた。書店に着くまでは晴天だったのに、１５分ほどして書店を出るときには外が真っ暗になっていた。この時季、ハノイでは毎日のようにスコールがある。雨具をつけようかどうしようか一瞬迷ったが、ヘルメットのベンチレーションを閉じるだけで「まあ、大丈夫だろう」と帰途についた。

　帰路の半分ぐらいまで雨は降らなかったが、冷たい突風が吹いてきて、激しい落雷が始まった。そして、バケツをひっくり返したような土砂降りである。停電で信号機が消え、道路があちこちで冠水している。写真の左端のバイクのおじさんは、ポンチョが突風で煽られて頭からすっぽりと絡まってしまった。ブレーキランプを点けて一瞬ヨロヨロしたが、さすがベトナム人、走りながら手で振りほどいて何事もなかったかのように走り続けていた。

　私は雨具を着けていなかったので、泳いだみたいにパンツまでびしょ濡れになった。靴の中も池のようになり、家に着いたら玄関で全部脱いで裸でバスルームに向かうしかなかった。家も停電なのでお湯が出ない。水でシャワーを浴びて、プロテクター付きジャケットを干して、エアコンの止まった３０度以上の室内でくつろいでいると、けっこうさっぱりした感じで気持ちいい。スコールの中に石鹸とシャンプー持って出たらシャワーの代わりになりそうだ。やたら頻繁に停電するけど、大して困らないからまあよしとしよう。ベトナムのゆる～い感じにすっかり馴染んだ気がする今日このごろ・・・。