2015年03月30日
ミニバスで3車線の国道を走っていたら、前を走る車が急減速した。こういうことはよくある。大抵は中央分離帯のフェンスを乗り越えて歩行者が強引に横断しているのだ。案の定、前方を横切る2つの頭が見えた。すると、一番右端のバイク用車線をサラリーマン風の男性が「SUPER DREAM」で追い抜いていった。タイミング悪く、目の前で横断歩行者とそのバイクが鉢合わせになった。
バイクの男性はフルブレーキを掛けた。ベトナムの道路は例によって砂や泥だらけである。バイクの前輪がロックして大きく右に流れ、転倒するかと思いきや、ブレーキを緩めることで立て直し、また前輪をロックさせ、ブレーキを緩めて・・・という動作を1秒間に3,4回繰り返し、それでも衝突が避けられないと判断したのか、バイクを右に投げ出してくるりと回転しながら受身をとって停止した。歩行者が立ち止まったこともあり、バイクと歩行者の衝突は避けられた。
この男性、なかなかの操縦技術である。パニックブレーキ時の前輪ロックは即転倒につながることが多い。いわゆる「握りゴケ」というやつだ。目の前に障害物がある状況でブレーキを緩める操作をすることは難しい。しかし、子供の頃から二輪に親しんできたベトナム人は自然に「人間ABS」の技術を身体で覚えるのだろう。
そこまでの技術がない私としては「ベトナムのバイクにもABSがあったらなぁ」と常々思っているのだが、先進国でも中型以上のバイクにしか装備されていないので、当分先のことになりそうである。なので、転倒に備えて街乗りでもプロテクターフル装備のサウナ状態は続くことになる。真夏になったら本当に熱中症になるのではないかと心配なのだが・・・。
Posted at 2015/03/31 00:14:47 | |
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