2014年05月10日
1970年代後半にL型6気筒エンジンが競争力を失いつつあったのは北米市場でも同様でした。
フェアレディZはモデルチェンジでS130(北米での名称は280ZX)となり、より大きく豪華になりましたが、同時に車両重量も100kg重くなり、エンジンの出力向上が必要不可欠になってきていました。
この市場からの要請を受けてL28Eエンジンの性能向上が実施されました。燃焼室をこれまでのウェッジ+ドーム加工からコンパクトウェッジと称する形状に変更してピストン冠面をフラットにしてスキッシュを効かせて燃焼速度を速めました。これによる効果で出力アップ(NET136→145hp)と燃費向上の両立を実現することができたのです。
また、1982年にはこのL28Eエンジンにターボを追加した280ZXターボを追加設定し北米市場でのスポーツカーの座を確固たるものにすることに成功しました。NET182hpの出力は当時としては破格の性能だったのです。
北米市場向けは3速AT仕様の設定のみでしたが、欧州向けには大出力用のマニュアルトランスミッションとしてボルグワーナー製5速を設定し、エンジンもDIN200psまで出力アップしています。アウトバーンでの200km/h以上の連続高速走行に対応して空冷オイルクーラーもオプション装備していました。
その5 終わり
Posted at 2014/05/10 12:36:28 | |
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