先週末、カレスト座間へ行き、ゆっくりと新車やカー用品を眺めて来たのだが、久々に人が多く賑わっていた。
フロアーに入ると、カー用品のフロアーが大幅にレイアウトが変わっており、エラク驚いた。
さてさて、新車のフロアーには新装開店となった「マーチ」も含めて、エルグランドも並んでおり、なかなかの人だかりで、新車が出ても昔の様に人が集まらない・・・なんていう事は、コンパクトカーとミニヴァンには、どこ吹く風のようだ。
しかし、確かに昔の新車発表直後の展示会って活気があったよなぁ。3日間で何万人とかで、まるで、お祭りの様相を呈していたのだが、それが今では、そんな活気も無く閑散としていたりして寂しい思いをしていた。
ミニヴァンに興味の無い僕は、ひたすら「マーチ」と、ルノー「ルーテシア ルノー スポール」を眺めていたのだが、この二台を眺めていると御国柄というか、遊び心の差が見えてきて実に興味深かった。
ルーテシアなんだが、エクステリアもインテリアも、そうそうメーターもスポーツしていて、実に気持が良い。これをもう少しやっちゃうと、「子供染みた」センスになってしまうのだが、そのギリギリの線で踏みとどまっているのが欧州流の流儀なのか・・・
それでも細かい部分まで「デザイン」が行き届いていて、例えば、空調の吹き出し口の「開き加減」を示す印も、あたかも丸いボールの上に、開口部面積をデフォルメした楕円で表していたりして、ちゃ~んとデザインされているんだなぁって感心してしまう。
メーターのフォントも、何だか「やる気満々」だし、タコメーターに思い切りイエローのラインを入れているのも大胆だ。さらに言うなら、指針の中央部、日本車なら、なかなか無いのだが、あたかも「紅い針」が
有るかのような造形と彩色は日本人には無い遊び心を感じさせる。
じゃぁお前欲しいか!?と言われれば、お金に余裕があればセカンドカーなら・・・というのが本音だが、コンパクトハッチで、日本車にも、こうした遊び心と、大人を納得させるセンスがあればなぁ・・と思った事は確かだ。
さてさて、色々な方面で、安っぽいだとか、日本の産業の空洞化の象徴だの、雑音が多く聞かれるマーチだが、僕的に言えば、「初代回帰」なのかなぁって感じている。
初代マーチも、究極のエコとエントリーカーとしての敷居の低さを究極に求められたクルマだったと思っている。
基本的なデザインこそ、「ジョルジェット・ジュージアロ」の作品なんだが、量産性と生産性の両立の為に、オリヂナルの面や線が大幅に整理されてしまい、見た目単調なエクステリアになってしまった為に、
「これは俺のデザインと違う」と、氏のデザインである事を、公にする事を「良し」とされなかった複雑な歴史があった。
(他にも契約で縛られた為という説もある。)
それでも、とにかく軽量でコンパクトだった、オールアルミのエンヂンに、造り易さを第一とされたデザインと、元々のデザインの良さもあって、結構なヒットになった事は思い出深い記憶だ。
今と初代マーチの時代を比較するのは、間違いだろうが、歴史的な背景と目指した方向性は、あまり違っていない様な気がしてならない。
初代マーチだって、当時の技術で見ても、そんなにクオリティは高くなかった。
それが、初代アルトの時もそうだったが、安い値段で、クルマとしての最低限の装備と、走行性があれば「良いじゃん」と気付かせてくれたモンだ。
正直、高いマーチと一番安いマーチとでは、明らかな差があるのだが、(プリウスだってそうだ!)それは見た目で、走りとかは大同小異だ。
それを、インパネのチリが合って無いだとか、フエールリッドを明けると悲惨だとか、ホイールハウスの内側が・・・なんて重箱の隅を突いたコメントが、ジャーナリストの先生方を中心に言われているが、値段と排気量、クルマの大きさを考えると、こんなもんじゃない?って思うのは僕だけだろうか?
たしかに、そうした質実剛健な部分も、前出のルーテシアの如く、デザインで大いにカヴァーできると思うのだが、世界中、どこでも造れる・・・という気軽さを考えると、これが限界なのかなぁ・・とも思えるのだ。
もちろん、見た目の質感だって、安くったって、良い方が良いに決まっている。
だけど、今の僕たちは、ちょっと贅沢になり過ぎたのかもしれない・・・・
さらにだ、韓国のクルマに負けた勝った、さらにさらに「脅威」だなんて言っている方々もいるが、そりゃそうでしょ・・彼らだって進化するし、工夫もする、国際情勢も絡んで、いつまでも「Made in JAPAN」が一番だって思う方が奢りだと思うのだ。
どんなに、トップを走っていようが、努力に謙虚さが無ければ、あっと言う間に、追い抜かれるのは当然だろう。
そんな逆風の中で、誕生したマーチだって、小型車の造り方を忘れてしまった「日産」の作品だ、まだまだツメも思い入れも足りないのは致し方ないだろう。
ただ、これから、リファインは続くので、さらに減伽償却という追い風も吹いて、今のマーチも、凄いクルマに化けるかもしれないと思うのだ。
そう考えると、色々な意味でマーチの進む道は、これからの日本の進み方の試金石かもしれないかもしれない。
今は単純に良いの悪いの世界だが、マーチのこれからを注視する事は、日本人としても大事な姿勢かもしれないと思ったのだ。
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Posted at
2010/08/25 08:44:18