クラウンを唯一販売台数でうっちゃった事で有名な230系セドグロ。
この頃はオーナーカーとしてツゥドアも用意され、僕的にはグロリアの オリーブグリーン で、レザートップ、ウイング付きにスゴク憧れたモンだ。
キャッチコピーにもあるが、
「小さなタメ息が生まれる・・・大きなグロリア。」
の通り、今ではさして大きなサイズといえなくなったディメンジョンなんだが、当時は本当に大きく立派に見えたモンだ。
面白い事に20年近いブランクを置いて意外にほぼ同じの寸法の230とY31グランツゥリスモ
少し面白いデータがあるのだが、この230ツゥードアハードトップのディメンジョンと、20年近く後に出たY31グランツゥリスモの寸法を比べてみると、
230ツゥードアクウペ 4690x1690x1420 、Y31グランツゥーリスモ 4690x1695x1400 とほぼ同じなのだ。(閑話休題)
ちなみに、この広告に出ている美しい女性は、今、ある意味話題になってしまった 「三田佳子」 さんだ。
そうそう、230セドグロのハイライトは、販売台数だけではない。とかく日本人は「直線平面」チックなデザインを好むと嘯く連中が多いが、この230は、適度な曲線と緊張感がある面構成で実にバランスが取れたエクステリアを実現している事だろう。
そして、安全性云々は別にして、4ドアピラーレス・ハードトップが追加された事も国産車の歴史の中で大事な1ページを飾っている。
適度な曲線に、緊張感のある局面を使ったエクステリアは、シンプルながら美しいモノだ。そしてフォードア・ハードトップの追加で一気に人気車種に
グロリアのTOPの広告を見て、あとひとつトッピックなのは、レザートップとウイングの存在だろう。レザートップももはや絶滅危惧種というか、絶滅してしまったかもしれないエクステリアアイテムなんだが、この大柄なデザインに呼応して、ルーフの色違いのレザートップもセクスィだ。
革張 レザートップを知っている世代が減ってますねぇ。
→ https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/31475727/
ところで、例の衝撃安全性の問題で、一時は、もうできないボディ形状だと言われていた「ハードトットプ」なんだが、ルーツをたどってみると、なんと 1940年代 後半から綿々とレシキは続いているのだ。
僕の記憶が正しければ、一番最初の 「ハードトップ」 は、やっぱりアメ車、それもキャディ、キャデラックのトゥドアだったと思うのだが、これが フォードア・ハードトップ となると、どうも自信がなく、手元の一番古い資料では、1957年の
「マーキュリー・ Park Lane」 が一番古いピラーレス・フォードア・ハードトップではないかと思っている。
1957年式 Mercury Park Lane 。巨大なボディサイズに合わせて好き勝手にデザインした様な・・・(笑)
これが、ハードトップ元祖の キャデラック は一年後の 1958年 の
「fleetwood sixty special」 がキャディとして一番古いフォードア・ハードトップだと思うのだが如何だろうか。
さすが!キャディ。この時代のお決まりっである「巨大なテールフィン」に、「リヤタイアを覆った」デザインなんだが、ちゃ~んとデザイン的にまとまっている・・・
そして、例の衝突時の安全問題がクローズアップされるまでの間、アメ車でもハードップ、フォードアハードトップのクルマが多く輩出された。
僕的には1975年の Chevrolet Caprice Classic なんて、ただ馬鹿デカいだけの印象が強いアメ車の中ではデザインもまとまっており好きなクルマの一台であった。
ただデカイだけのアメ車にあって、シンプルでスッ線と面が通ったデザインで素直にカッコイイと思う一台だ。
サイドインパクトの問題と、クルマがどんどん高速化されてゆくと、窓枠の無いハードトットプでは、サイドウィンドゥの吸出しによる、風切り音とバタつきの問題から、もう窓枠の無い ハードトットプ は出ないだろうと思っていたら、ここ数年欧州車で、さすがにセンターピラーは必要だったらしく、ピラードではあるが フォードア・ ハードトップ が復活しているのは、面白く、楽しく感じている次第なのだ。
メルチェデスやBMWでピラードハードトップが続々と復活。カッコいいねぇ。
しかし、改めて230グロリアツゥドアハードトップ を眺めて見ると、
繊細なサイドヴューからリヤに回るとハッとするようなアメ車チックな大胆なデザインが・・・
フロントからサイドにかけては、欧州車に似た大胆であるがアクの少ない緩やかな線と面の構成が、リヤに回ると一変して大胆なアメ車チックなデザインになるのが実に面白いモノだ。
ある意味で、アメリカの影響から、欧州車のトレンドに変化してゆく時代の姿を現す貴重な証言者のように感じてならないのだ。
クルマの姿形や、そこに取り入れられた技術は、そのクルマを造る国の考え方やトレンドを表す「文化遺産」と言ってはばからないと徳小寺は思っているのだ。
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Posted at
2018/09/17 09:24:21