よいよ「全国FFサニーのつどい」のレポーツ最終日である。
強烈 超個性的前足サニー軍団見参!!
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潜入 全国FFサニーの集いに熱き日産車を見た!
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今回のミーティングに参加して驚いたのは、そのハートの熱さだけでなく、一人のクルマ好きとしてその参加車両の年代と種類の幅広さである。
特に目を惹いたのが「トラッドサニー」で一世を風靡した「B12」サニーの存在である。
さてさて、会場に来ていたこの「トラッドサニー」だが、おぉおこりゃ程度のいいB12だねぇ。。で終わってはクルマ好きの名が廃るというもの!?パッと見た目の外観だけでなくその細かいディテールを見ていると・・・
なんとなんと、これは「トラッドサニー」族にあって、前期型にしか存在しない
「ターボスーパーサルーン」 ではないか!
名機と呼ばれたA型エンジンの後を受け継ぎ生を受けた「E型」エンジンにトッピングされたギャレット製の過給機が、単純にB12が「トラッド」で終わるクルマじゃあないぞ!と密かに主張していたのだ。
パワーは100PS/5600min-1、16Kg-m/3600min-1と、今からみればささやかなモンだが、その1000Kg前後の軽量ボディで、意外なほど闊達に走る事が出来た。
なにより「トラッドサニー」の最上位グレード「スーパーサルーン」にそういった強心臓を持たせたと言うのが憎いではないか。
豪華で快適でありながら、ひとたびガスペダルを踏むと車窓の景色が一変する!かすかに聞こえるタービンの音色に酔いながら快速ぶりを楽しんだモノである。
TVCMより・・・
さてさて、B12はこれだけでない!さらに隣には、後期のB12が居たが、これがまたスゴイ!
一見すると、こりゃただの営業車グレードか?と思わせるいでたちだが、これをまさに「羊の皮を被った・なんとか」と言わずして何と言おう。
コイツもぜひボンネットを開けて、見た瞬間に驚く顔をぜひ楽しんで頂きたい物だ。
そこには、日産ホットヴァージョンの証である、「紅色」にヘッドを染めた「CA16DE」が何事も無いように鎮座しているではないか。
な~んだ、ただのツゥインキャムじゃないか・・って思うのは無理からぬ事だろう。
しかし、この「1600VR」というグレードは、「トラッド」な「サニー」にあって、もっとも意外性のあるグレードなのだ。
「1600VR」には、実は目に見えないマニアックな隠し玉があるのだ。それがメーカー自らが公言してはばからない「スポーツ」という熱い思いと、「クロスレシオマニュアル」という実態の存在である。
密かに、それもさりげなく「9000min-1」まで目盛られたVR用のタコメーターは視覚的にドライヴァーのやる気を起こさせ、さらにVR専用のこのマニュアルミショッンは、モータースポーツユースを前提とした本格的なクロースレシオを採用していて、まさに立て続けにシフトダウン、アップを繰り返したくなる素晴らしいものだった。
コイツに乗って、シフトが忙しい・・なんて言う様では「スポーツ」の心得がまだまだ足りない・・と言われても致し方ないだろう。。(笑)
ボディ剛性・・・という概念を、初めて公言したクルマとして、その剛性アップの為に、部品を固定するネジを樹脂から金属製に代え、さらにその本数も増やすなど並々ならぬ気概を感じさせてくれるクルマであった。
この気合に入った「1600VR」は、引き続き次世代のB13にも引き継がれ、日産ファンの熱い視線を浴び続けることになったのだった。
さて、次に紹介するのはB13サニーに彗星の様に登場した「NXクウペ」だ。
当時は盛んにTVのCMで、CGを使ったユニークな動きをするCMが流れて思わず見入ってしまったものだ。
「タイムマシーン」かもしれない・・というキャッチが、この「NXクウペ」の全てを語ってるかもしれない・・・。
しかし今見ても、新鮮で斬新なデサインだ。
全体的にコロンとした丸っこいデザインでありながら、決してダルでなく、その塊感はとてもスモールカーとは思えないデザイン的な質感を漂わせている。
特にパネルとパネルの繋ぎ目部分、パーテーションラインの線の引き方が絶妙で、単純な部品の継ぎ目としてでなく、ひとつのデザインとして機能性を犠牲にすることなく、デザインされているのには大いに賞賛の言葉を与えるべきであろう。
特にAピラー根元からの、全体の丸いデザインの中にあって異色の、定規で引いたようなラインは、Z32ににも通じる、まさに日産ならではの秀作と言えるであろう。
そんな「NXクウペ」を遠くから近くから眺めていると、一台の真紅の「NXクウペ」に目が止まった。
リヤハッチを開け、オーナーが中の住人とハナシをしているのだが・・・近くに寄ってみると、そこには実に微笑ましい様子が・・・
覗いた中にはオーナーの、小さな娘さんが三人、まさに三々五々クルマの中で色々な事をしていた。
まさにリヤにハッチを備える「NXクウペ」ならではの光景だろう。
世の中には、まさに目を三角にして「旧車の維持を命がけ」でやっていたり、「旧車を意地になって維持」しているエンスーの方々もいらっしゃいますが、せっかくめぐり合ったクルマというパートナー。。。自分が気合十分で
意地管理されるのはいいが、他人が自分のペースで旧車を楽しんでいるのを、もったいないだとか、方向性が違うなんて苦言を注すのはどうかと思う。。
ましてや、経済的や色々な個人の事情で旧車を手放すのを、勘弁ならない・・などというのはもっての他だと思う。
ほどほどに管理をして、経年劣化も柔軟に受け止めて、クルマと自分、さらに、このオーナーの様に家族でカーライフを楽しむという事はなんと素晴らしい事であろうか。
それを、旧車乗りに在らず・・という了見の狭い連中が多い事に、僕は日本のモータリゼーションの底の浅さを感じられずには居られないのだ・・・(閑話休題)
そんな微笑ましい、NXクウペと家族との対話を眺めた後、ふと違う「NXクウペ」の横にゲストで来たZ33が横付けした。
その瞬間、僕の頭の中で「DNA」という言葉が強烈に蘇ってきた!!
Aピラーからテールへ続くルーフのライン、ショルダーの勢いの良い鋭いペンで引いたようなライン・・・
そこかしこに日産のデザインテイストの綿々とした、継承という貴重な財産を発見したからである。。
歴史と伝統・・・
この無形の財産を、今の日産に忘れて欲しくない・・・そういった思いが、僕の胸を締め付けるのであった。。。
多くのオーナーに巡り合い、そして多くの日産車に触れる事ができた一日・・・
この日は、単純な「サニー」の集まりというより、僕にとって「日産再発見」の日だった様に感じた。。
やっぱり日産はイイ!
まだ、僕は諦めないぞ!と誓った一日でもあった。
. (完)