毎月の様にリリースされる
J.D. Power のレポート。
なるほどと思うレポートもあり、いやいや、それはどうかな?と思うレポートもあるのだけど、最近、僕の琴線に触れたのが、
サービスステーション(ガソリンスタンド)の顧客満足度 というレポートだ。
そこでは、これまでセルフのスタンド利用者の伸びが鈍化してきて、さらに「満足度」のスコアが大幅に低下してしまった事がレポートされていた。
考えてみれば、少し前は少数派だった「セルスタンド」が、いつの間にか、どこでも見られるようになり、もはや当たり前の様になってしまった感がする。
それがブランド別の、フルサーヴィス、セルフスタンドの顧客満足度にも、大きな差が見られない事からも、もはや当たり前なんだけど「GSはどこも同じ」で、違いは値段という状況になっている事が明確になってきていると感じた。その事を
J.D. Power は
ここ数年、低価格、店舗の新しさ、入りやすさなどを武器に急増したセルフ店だが、その存在・そのサービスが目新しいものではなくなってきた今、これまでと同じような店作りでは顧客を惹きつけることが一層難しくなってきているのではないだろうか
と表現していた。
つぶれて行くGSも目立ち、顧客の確保も困難となると、一体この先GSは、どうすれば顧客の確保ができるかというと、
J.D. Power は、GSの差別化の手法として、
◆他店との差別化には、フルこそ「セールスルームの改善」、セルフこそ「スタッフの接客」◆
と結論付けていた。
これは一見すると、フルサーヴィス、セルフ共にこれまでの概念からは、それぞれ相反する要素の様だが、ここからの分析が
J.D. Power の白眉とも言える部分で
長年営業しているフル店では施設の老朽化、顧客による給油が前提のセルフ店ではスタッフの不足
など、それぞれが抱えている弱点ではある。しかし、フル店は年々店舗数が激減し、セルフ店は顧客増の頭打ちが見えてきた中、まったなしの生き残り競争を勝ち抜くためには、あえてそれぞれの弱点を克服し、他店を一歩でも上回る店作りをすることがカギを握っているといえよう。
とまとめていた。
なるほど、言われてみればフルサービスの店舗は既存店が多く、施設の旧態化を感じるし、セルフは、セルフだからそれなりの対応で良いだろう雰囲気が見え隠れしているようにも思える。
経済でもなんでもそうだが、成熟してきた仕組みを維持、進化させるには、やはりそれ相当の努力が必要だし、逆に、それを推し進めるには極端な方向に進まなければならない事が、このレポートにも伺えると感じた次第だ。
そうそう、航空業界で最近進んでいる低価格競争をみれば分かる様に、機内サーヴィスは有料化若しくは廃止で、もっと推し進めたところでは、座席の間隔を極限まで詰めて乗客数を増やした・・・なんていう事まで行われている。
つまりセルフも、サーヴィスを充実させるか、極端に人手を省いて本当に、燃料を供給するだけ・・という低価格路線に走るかという方法しかないのではと思うのだ。
過当競争気味のGS戦線に、すい星の如く現れた「セルフスタンド」。
その神通力も、もはや「知恵」を出さないと生きて行けない状況。
さて、この先のGSの様子はどうなるか、大いに注視したいと思うのだ。
Posted at 2010/09/17 05:20:51 | |
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