なかなかいすゞの思惑通りに売れない 「ユニキャブ」 は、モワパワーの声に応える形で発売の翌年には、
ベレット や フローリアン に搭載されていた 1.5 L エンヂンに換装され、さらに、あっと驚くようなモデルが追加された。
それが、伝説の 「自衛隊乗り」 と呼ばれる 「八人乗り」 の追加だった。
これが伝説の 「自衛隊乗り」 と呼ばれる 「八人乗り」 仕様だ。
レジャーユースには、家族も含めて多人数乗りが・・・と言いたいが、正直、販売の動きを見ると、そのジープチックな外観と、トラックベースの強靭なラダーフレーム、さらに 「安い!」 と言う事で、ワークユースが多かった事も、八人乗りの追加の要因になった様なのだ。
これで、販売が上向けばよかったのだが、ワークユースにしても、外観はジープなのに、ヨンクじゃないという事が、なんでジープなのにヨンクじゃないの!?という声が多く、
「ヨンクじゃなければ、どんな使い方すればいいの?」
と言う声が多く、エクステリアを楽しむといった風潮のない時代、出た当初は話題を呼んだが、年を追うごとに売れてる数が少ない事もあって、人々の記憶から 「ユニキャブ」 の存在が忘れ去られてしまった。
ワイルドな外観に男らしさを・・・というコンセプトも、見た目はジープなのにヨンクじゃないという至極当然の声が出て売れなかった。
当時は、どんなクルマにも「速さ」が求められて時代で、さらに「八人乗り」なんて追加したモノだから、片や、もっと速さを、片やワークユースから「力強さ」をの声に、生産中止になる一年前の 1973年には、エンヂンが 1.5 L から 1.6 L にさらにスープアップされた。
タウンユースからレジャーユースまで、多人数も乗れて、実は中身はごく普通~の FR なのに、見た目はヨンク という、時代の要求のすべてを満たしたようなコンセプトで生まれた 「ユニキャブ」 なんだが、時としてメーカーは、新しい市場を閃き、それを具体化しようと商品を作るのだが、実際のニーズにマッチしなければ、それは単なる作品でしかなくなってしまう。
それが更に、メカニズムやデザイン的に洗練されていなければ尚更である。
こうした歴史が、未だ続いている事は承知の事実である。
新しいニーズは作らなければならない、だが、それが進み過ぎてもいけない商品の開発の難しさをユニキャブは教えてくれているような気がするのだ。
Posted at 2016/01/16 18:16:12 | |
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