このまえ書いた電力料金の決定方法についての賛成意見のほうです。
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/column/20110916/108431/
より
(中略)
原子力がなくても電気は足りる、といった説が述べられることがあるが、総量が足りていても、ピーク時に需要を満たし、さらに不測の事態にも対応できるだけの設備を常に抱えておく必要があるのだ。その結果、電力会社の収益を圧迫する余剰設備のコスト回収が必要になる。
その意味で、独占――料金規制――総括原価主義による利潤の保証という制度設計は、法的に電力会社に負わせている最終的供給責任の実行を担保する政策手法なのだ。「独占」がもし、電力会社の体質を歪めたとしたら、それを是正するための規律付けを考える必要があるのは当然だろう。しかし、それが政策論としての発送配電分離論が目指す目的にはならないことに注意する必要がある。
発送配電分離によって、個々の発電会社は、市場での競争にさらされるため、安定供給に必要な余剰設備を持つインセンティブはない。単にコストになるだけで、そんな設備を持たないライバルとの競争に負けてしまうからだ。そのため、最終供給責任を送電会社が担うことになるが、発電設備を自ら所有していないのだから、本当に需給をマッチさせられるか、特に有事の際にできるかというと相当心配にならざるをえない。公共財としての余剰設備の保有コストをどうやって負担するのか。この点が発送配電分離の政策論としての最も大きな弱点なのである。 (中略)
自由化後は将来の需要や価格の不透明度は増し、投資が回収できないリスクが大きくなるのだ。相当に長期で、かつ量的にも十分な先物ヘッジ商品が供給されない限り、設備投資にはマイナスのインセンティブになる。現状のスポット価格シグナルに反応して、複数の事業者が電源建設に投資しても、需給がタイト化してから数年後にこれらの設備が一斉に運転を始めたら、一転して設備余剰になる。
こうなると、発電事業は、商品である電気が均質で、固定費のウェイトが高いので、今度は短期限界費用近くまで電力価格が下がってしまい、固定費の回収もおぼつかなくなる(欧米では“Boom and Bust”現象と呼ばれている)。
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つづきは参考リンク見てください。
なかなか世の中一筋縄ではいかないですね。。
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Posted at
2011/09/28 10:47:54