たまたま読んだエッセイの中で、身につまされる一節があったので紹介したい。私のいくつか年上の、
乃南アサ(のなみあさ)さんの「袖振り合うも・・・」の中の「スーツに隠された素性」という回での一節です・・・・
(略)・・・・・世の中は、スーツを着ている人を取りあえず「一人前」として扱う。中身はどうあれ、ある程度、信用する。つまり、スーツは「何ものか」を示すのではなく、逆に素性を覆い隠す魔力があるのである。
さて、こうなってくると、難しいのはスーツを脱いだときだ。・・・・スーツを脱いだ男性の多くも、
魔法がとけた瞬間に、本当はどの程度の人物だったのかと、という現実が、思い切り前面に出てきてしまう。そのことを、男性たちは気がついているだろうか。
休日の繁華街などを歩いていると、何ともだらしのない印象の男性が多いことに、うんざりさせられる。
スーツを脱いだ途端に、脱力し、弛緩し。とりあえず「楽ちん」ならば何でも良いとばかりの格好。・・・・・(略)
「普段着のセンスなんて磨いている暇が、どこにあったと思うんだ。だいたい、休みの日くらい、のんびりした格好をして、何が悪いんだよ。・・・・・(略)」
中高年路線を突っ走っている友人にその話をしたら、彼は相当に憮然とした表情で、そう反論した。では、
どうして顔だけは威張り腐ってるの?横柄な態度のままなの?会社でどんなに偉くたって、スーツを脱いで町に立てば、その人は単なる中年オヤジに過ぎないのに。世間は、社会的地位などでなく、その人の物腰や顔つきを見るのだ。にじみ出す人間性を敏感に察知する。もう、スーツにだまされない。・・・・・(略)
まさにそのとおりである。気をつけようと思った・・・と、ここで、これはクルマにも当てはまると思った。自分の人間性とは別に、世間的に高級とされるクルマに乗ったとたん横柄な態度(運転)になる方を実によく見かけるのだ。スーツを脱ぐのと同様にクルマを降りたときに、にじみ出す人間性で周りに好かれる人間に成長したいものである・・・
クルマが普段着だとしたら、値段は関係なくセンスのよい、いつまでも色気のある着こなしをしたいものである・・・Johnny Depp(写真)のように(笑)
Posted at 2006/11/17 17:12:00 | |
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